文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

千葉県内の里山の現状とは何か。里山を抜本的に再構築するための一つの策として(12)

2009-07-08 21:05:16 | 里山シンポジウム実行委員会のこれから
2009-6-25
 あえて、山林だけでなく、水田での問題点を、気がついたことを
 千葉県下、農村での行政組織があたかも、擬似的にかっての地主化してしまった事も 

1 千葉県では、随所に千葉県庁や市町村で行政担当者が、まさに地主としか言いようのない乱暴極まりない状態で、何度も何度も、農業従事者に相対しているのを目にしています。その極の一つが、手賀沼、印旛沼周辺で生じている事態なのでしようか。

2  日本中で印旛沼周辺は、最も豊かな生産物と水上運輸を含めて、明るく生活をエンジョイできた地域と聞いています。現在は商業は寂れ切って、大規模住宅地に変わりましたが、印旛郡栄町や本埜村の歴史を、ひも解くとよくわかります。
 特に水運と、豊かなお米と、マシジミやウナギ、そして小魚やエビなどの佃煮が名物となり、印旛沼や利根川を交通路とした水運も盛んでした。
 今ではえっと驚きますが、成田市にはいたるところウナギの養殖所もあって、そのあとを見て歩いたこともあります。
 また栄町には、まだ地域の鴨を取って、カモ料理を出す専門店が複数残っています。

3  そうです。かっての手賀沼や印旛沼は自然湖でありました。利根川の氾濫源を形成し、普段はその三日月湖として成立してきています。まさに、霞ヶ浦、手賀沼、印旛沼しかりです。 

2 ところがある日、突然に、それらはすべて、今日からダム湖だと宣言して、地域の利害関係者をすべて切り落としてしまいました。
 いままで金銭価値として評価されていなかった巨大な沼が、大規模なダムとなってしまいました。 ただのものが、紙切れ1枚で、何億トン×@何百円=となって、突然日本のGDPまでをも一気に押し上げる結果となりました。
 代わりにダム化ですから、水位を1年中管理されて、春いちばん水面が高くなるために、沈水植物が発芽できず、それを餌にするミミズ類(イトミミズなど)が涌かず、マシジミ屋ヤマトシジミが全滅し、気がついたらすべての地域を支えていたなりわい(生業)の仕事が、見事にすべて消えてしまったのです。

3 さらに、周辺の大規模な干拓によって、沼及び周辺域を埋め立ててしまった箇所では、なんとそれを払い下げを受けた農家には、国が農家の方々を集めてできあがった土地改良区が、払い下げを受けた農家の監督者として農家への介入が始り、現在に至っています。社会保険庁や教育委員会、と同じレベルで土地改良区は、監督権限を持ち、裁判権を有しています。
 払い下げは、情実を伴ったと聞いています。しかも行政側が、かっての小作農の方々に相対していきましたから、どうしても行政との関係が、擬似的な「小作と地主」の関係にならざるを得ないこととなりました。
  
4 千葉県下の市町村でも、農林水産関係の職に従事している方々の、かなりの方々が行政職でありながら、人を人とも思わないで行動する状態を5年以上つぶさに観察してきました。
 農家をはじめ、私どもNPOや市民に対しての対応でも、荒っぽい対応さは、言語を絶するものさえありました。
 我孫子市でも、とても理解のある中堅の行政の方が、農林水産部に移動されましたので、水鳥保全のより発展が期待できるかなと伺いましたら、180度態度が変わって、ふんぞり返って一切を拒絶。しかも身体的加害まで連想させる言葉まで使われて、
 土地改良区(我孫子市では水田の98%)内へは、ふゆみずたんぼ等の農家への接触さえもまかりならんという話で、すべての動きが凍結になった経過があります。 
 
5 水田をコンクリートで固めた慣行農法とは、あらゆる社会インフラを土地改良区が握り、農家を監視して、裁判権までもって、農家を監督し、結果として場合によっては、陰湿ないじめを通り越して、言うことをきかない農家を金融的に追い詰めて破綻させることをいとわない。
  そのような組織がいまどき温存されているのは驚きです。でも、一言で言って、それらの仕事に従事している方々の多くは、とても苦しんでいると、少し付き合うと、こぼされることが多々です。
 でも縁故で入った方々は(そうは言いませんが)、逃げ場がなくて、結果、典型的な三無主義に落ち込んでしまっている方が、と考えてしまうことも。 

6 これから若者たちのかなりが、現在の加工産業的な、サラリーマン社会から、なりわい(生業)的な一次産業への活路を、なんとかこじ開けてでも入ってくる時代が始まっています。
 その方々が、農業や漁業の世界に入りやすい、危険な世界をセフテイガードを張ってあげられるかがキーワードだと考えると、いままで散々な目にあわされてきた経過から、
 かなりシビアでありますが、問題の提起にしたいと考えています。   

7 現在、環境を配慮した農法と言いながら、それらを市民が発見し考案し普及を進めようとしても 最大の抵抗勢力は、何と農業であり農家でもある。
 その典型例がふゆみずたんぼであり、冬期湛水不耕起栽培による無肥料化した農業の展開です。
 韓国や中国など世界的に広がりだした、生物多様性に貢献度の高い農法であり、農水省も、その 普及を積極的に進めようとしています。
 でも、千葉県では、宮城県、滋賀県、そして豊岡市などのように、篤農家があいつで参加し、市民と農家と、生協と、そして大学や土地改良区まで加わって地域おこしの一つとして、どんどん発展をしていくはずが、千葉県では動きません。
 
8 かっての日本の物作りを支え、現在の日本を型作りをしてきた、日本にとってものつくりにたけた、もっとも貴重な方々を、毎年不条理な原因によって、多数の方々が自殺に追いやられています。
 それが、都会地では「職人」と呼ばれる技能者であり、地方では農林漁業を営み、商店を経営してきた 方々です。
  いま、「きなだやま」の山砂採取問題などの背景に、農家の疲弊をもろにかぶる地域の土地改良区 などの切迫した財政問題等があるという指摘もされています。 

9 千葉県では尋常な状態ではない。農業をはじめ、一次産業ではすべての人々が里山や田んぼから 立ち去ってしまう状況が起こっているとしか言いようがありません。
 実は、千葉県の里山では、これが現実に起こっている事態だと認識しています。
 戦後の土地開放で土地を取り上げられた方々との、怨念ある争いははよく理解できますが、実際に一次産業従事者が45%からたった3%までに、ここまで減少してしまった現実は、異様としか言いようがありません。

10 印旛沼や手賀沼の地域を含めて、千葉県の農家の方々との接点をいろいろと模索してきました。しかし、行政をを含め、私どもにもかたくなに、話までも聞こうとしない姿勢は、異様としか言いようがありません。  
 言ってみれば行政などに対する徹底した不信感です。成田闘争での、特に三里塚の狂騒がよく物語ってくれているように思います。
 農家の方々に、常に聞かされる枕ことばは、「行政の言うことを聞いた連中はみな破産した」。一切耳をふさいできた連中しか生き残っていない。という何とも言いようのない言葉です。

11 今、若者を含めて、千葉県では正直、集落で人を受け入れる雰囲気はとても少ない。
 限界集落で人がいなくなってしまって、そこへ立ち入った若者は、しょうがないで受け入れられていますが。
 
12 あえて書きますが、戦後の行政の行ったことを考えると、江戸時代から歴史的に地域を分散して管理してきた、江戸時代からの悪しき習慣をも含めて、情報公開や、山武杉の失敗例等に関して きちんと総括を行って、農家の方々との信頼関係を再構築しない限り前に進めないと考えています。
 悪縁は早い時期に、切り落とさないといけないと思います


 荒尾稔 minoruarao@tml.co.jp
 * あくまで、この意見は荒尾の個人的な意見であります。

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