2017年(H 29)2月
入院まで
それはまさに突然やってきた、そんな感じだった。
今年(2017年)2月の後半だった。
夜にシャワーをしているとき下腹部に異様な腫れがあることに気づいた。
それはヘソから下のほうで左足の付け根よりやや上の位置にあった。
大きさはうずらの玉子よりは大きめだが、ニワトリの玉子よりは小さくてポコンと飛び出しているように見えた。
ウォーキングには週に1度たまに週に2度出かけていて、その前の週には約20キロメートルほど歩いたのだった。
思えばそのウォーキングのときに確かに左足の根本付近に違和感があったのだが、それが鼠経ヘルニアの始まりだったのだろう。
そのときは膨らみに触ってもさほど痛みはなく「これはいったい何だろう? 自分では気が付かなかったが以前からあったのだろうか」などと思っていた。
翌日は天気が大荒れになり雪が25センチほど積もったので雪かきをしたのだが、これが症状を急激に悪化させることになったようだ。また灯油を運んだ時に力を入れたのも悪かった。
腹や腰に力を入れるとよくないのだ。
さらに少し便秘気味だったのでトイレで力んだのも悪くする要因になったと思う。
鼠経ヘルニアは脱腸とも言われていて、年齢が高くなると発症しやすくなるのだそうだ。
ようするに腸を抑えていたお腹周りの筋膜が弱くなってきて腸の一部がはみ出すということらしい。
インターネットで調べてみると症状からどうやら「鼠経ヘルニア」らしいということが分かった。
薬では治らず手術するしかないのだという。
昨年は痔の手術、左手のバネ指と小さな手術だが2回も手術している。
正直言って「ありゃぁ また手術かよ~」と憂鬱な気持ちになった。
歳をとってきて確かに身体はガタガタである。常に身体のどこかが痛いのだ。
「ああ、歳をとるということはこういうことなんだな」と自覚させられる毎日である。
翌日になると痛みが強くなってきた。
じっとしていても鈍痛というのか重苦しい痛みがある、立ちあがって10分ほどするとズキンと刺すような強い痛みが来るようになった。
どうやら症状が急激に悪化しているようだ。
鼠経ヘルニアは外科で診てもらうのが良いらしい。
そこで昨年指の手術をしてもらった盛岡市内の整形外科と行った。
受付を済ませると看護婦さんからの問診がある。
「鼠経ヘルニアのような症状が出ている」と話すと、「え? なにそれ」という返事。
話をしていて分かったのだがこちらの病院では鼠経ヘルニアは普段扱っていないようだ。
この看護婦さんは親切な方で「ちょっとまってて、心当たりがあるから」と手早く調べてくれた。
なんとインターネットで調べると盛岡市内に何軒か鼠経ヘルニア外来があるのだった。
普段ネットで検索しているくせにイザというときに基本的なことを忘れている自分がアホに思えてしまう。
手術をするなら痛みも傷口も小さいほうがよい。
内視鏡を使って行う「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」を盛岡市立病院で行っているという。
内視鏡での手術は15年ほど前にバネ指の手術で経験している。
ほとんど傷跡が残らず痛みも少なかったと記憶しているので、手術はこの病院にお願いしようと決めた。

翌日、盛岡市立病院へと向かった。
まずは診察である。
まだ本人が鼠経ヘルニアではないか?と思っている状態なので医師の診察で「やや! これはヘルニアじゃないよ〇〇癌の可能性があるぞ」などど言われたらどうしようと少々緊張するのだった。
わたしはかなりの小心者なのである。
医師は問診票を見てから患部を触り「ああ、これは鼠経ヘルニアですよ」とあっさり30秒で診断が確定してしまった。
「手術しますか? それならあさって入院して翌日の手術でどうですか?」と聞いてくる。
横になっていれば患部は引っ込むのでよいのだが「まさか一生横になっての生活はできないでしょう」といわれる、まったくその通りで手術よりほかに道がないのだった。
もうこの時点では横になっているなら大丈夫だが、立ち上がったとたんに痛みが走るという状態だったので迷うことなく「はい、それでお願いします」と答えた。
内視鏡を使う手術で傷口は小さいし、全身麻酔なので痛みはまったく感じないのだという。
全身麻酔の経験はないのでちょっと不安だが他に選択肢はないのだから信頼して任せるほかないのだ。
看護婦さんから入院のための書類などを受け取り帰宅して、さっそくタオルや着替えの荷造りをした。
動けるうちに用意をしておかないと、痛みがさらに強くなってからでは準備ができなくなるかもしれないと気持ちが焦る。
一通り準備ができたところでさらに痛みが増してきた。
ああ、早めに病院へ行ってよかったと思いながらベッドに横になりじっとしていた。
入院まで
それはまさに突然やってきた、そんな感じだった。
今年(2017年)2月の後半だった。
夜にシャワーをしているとき下腹部に異様な腫れがあることに気づいた。
それはヘソから下のほうで左足の付け根よりやや上の位置にあった。
大きさはうずらの玉子よりは大きめだが、ニワトリの玉子よりは小さくてポコンと飛び出しているように見えた。
ウォーキングには週に1度たまに週に2度出かけていて、その前の週には約20キロメートルほど歩いたのだった。
思えばそのウォーキングのときに確かに左足の根本付近に違和感があったのだが、それが鼠経ヘルニアの始まりだったのだろう。
そのときは膨らみに触ってもさほど痛みはなく「これはいったい何だろう? 自分では気が付かなかったが以前からあったのだろうか」などと思っていた。
翌日は天気が大荒れになり雪が25センチほど積もったので雪かきをしたのだが、これが症状を急激に悪化させることになったようだ。また灯油を運んだ時に力を入れたのも悪かった。
腹や腰に力を入れるとよくないのだ。
さらに少し便秘気味だったのでトイレで力んだのも悪くする要因になったと思う。
鼠経ヘルニアは脱腸とも言われていて、年齢が高くなると発症しやすくなるのだそうだ。
ようするに腸を抑えていたお腹周りの筋膜が弱くなってきて腸の一部がはみ出すということらしい。
インターネットで調べてみると症状からどうやら「鼠経ヘルニア」らしいということが分かった。
薬では治らず手術するしかないのだという。
昨年は痔の手術、左手のバネ指と小さな手術だが2回も手術している。
正直言って「ありゃぁ また手術かよ~」と憂鬱な気持ちになった。
歳をとってきて確かに身体はガタガタである。常に身体のどこかが痛いのだ。
「ああ、歳をとるということはこういうことなんだな」と自覚させられる毎日である。
翌日になると痛みが強くなってきた。
じっとしていても鈍痛というのか重苦しい痛みがある、立ちあがって10分ほどするとズキンと刺すような強い痛みが来るようになった。
どうやら症状が急激に悪化しているようだ。
鼠経ヘルニアは外科で診てもらうのが良いらしい。
そこで昨年指の手術をしてもらった盛岡市内の整形外科と行った。
受付を済ませると看護婦さんからの問診がある。
「鼠経ヘルニアのような症状が出ている」と話すと、「え? なにそれ」という返事。
話をしていて分かったのだがこちらの病院では鼠経ヘルニアは普段扱っていないようだ。
この看護婦さんは親切な方で「ちょっとまってて、心当たりがあるから」と手早く調べてくれた。
なんとインターネットで調べると盛岡市内に何軒か鼠経ヘルニア外来があるのだった。
普段ネットで検索しているくせにイザというときに基本的なことを忘れている自分がアホに思えてしまう。
手術をするなら痛みも傷口も小さいほうがよい。
内視鏡を使って行う「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」を盛岡市立病院で行っているという。
内視鏡での手術は15年ほど前にバネ指の手術で経験している。
ほとんど傷跡が残らず痛みも少なかったと記憶しているので、手術はこの病院にお願いしようと決めた。

翌日、盛岡市立病院へと向かった。
まずは診察である。
まだ本人が鼠経ヘルニアではないか?と思っている状態なので医師の診察で「やや! これはヘルニアじゃないよ〇〇癌の可能性があるぞ」などど言われたらどうしようと少々緊張するのだった。
わたしはかなりの小心者なのである。
医師は問診票を見てから患部を触り「ああ、これは鼠経ヘルニアですよ」とあっさり30秒で診断が確定してしまった。
「手術しますか? それならあさって入院して翌日の手術でどうですか?」と聞いてくる。
横になっていれば患部は引っ込むのでよいのだが「まさか一生横になっての生活はできないでしょう」といわれる、まったくその通りで手術よりほかに道がないのだった。
もうこの時点では横になっているなら大丈夫だが、立ち上がったとたんに痛みが走るという状態だったので迷うことなく「はい、それでお願いします」と答えた。
内視鏡を使う手術で傷口は小さいし、全身麻酔なので痛みはまったく感じないのだという。
全身麻酔の経験はないのでちょっと不安だが他に選択肢はないのだから信頼して任せるほかないのだ。
看護婦さんから入院のための書類などを受け取り帰宅して、さっそくタオルや着替えの荷造りをした。
動けるうちに用意をしておかないと、痛みがさらに強くなってからでは準備ができなくなるかもしれないと気持ちが焦る。
一通り準備ができたところでさらに痛みが増してきた。
ああ、早めに病院へ行ってよかったと思いながらベッドに横になりじっとしていた。