昼行灯(だった)トキの大雑把なひとりごと

クレヨンしんちゃんよりもユルく生きていた(当面過去系)私の備忘録と、大雑把なひとりごと。時々細かく語ることも。

人件費抑制の問題点。

2006-11-11 01:07:51 | ものおもい
 前回の続き。
 思いつくままに列挙すると以下のようになりますた。
・購買力の低下→消費低迷
 可処分所得が下がれば、国内消費者の購買力は当然下がります。企業業績が回復してきたとはいえ、こうなってしまっては、「失われた10年」におけるデフレスパイラルの状況と余り変わらないのではないか。これまでは将来への危機感から消費を手控える行動に出る人が多くてそうなっていたのが、今は変わってきた。しかし、増税と労働単価低減が加速すれば、「買い控え」じゃなくて本当に「買えない」人が増える。そうなったらもうどうしようもないのではないか。
 もっぱら輸出により稼いでいる企業と、国内向けに商売をしている企業とどちらが多いのか?という問題はある(いやだから調べろよ自分)が、少なくとも後者にとっては「消費低迷」は大打撃のはず。以前に紹介したフォードの戦略の逆になる。企業は自分で自分の首を絞めているのでは?(金融市場で資金調達さえ出来ればいいのか?本当にそれでいいのか?)
・労働意欲の低下
 もう既になっていますが、「働けど働けど・・・」では、稼ぐ気はしなくなりますわね。心身の故障もずっと増えるでしょう。こういうのも社会的コストを上げる(具体的には医療コストを)と思うのだが、医療費抑制とこれの関係はどう考えているのだろうか?
・自給的生活の限界
 まあ、とりあえず喰って行ければいいというレベルであれば、働き口がないまでも自給自足でやるか、とならざるを得ない訳です(そんな国が近代国家の体を為していられるとは思えませんが(税収とかさ)、それは置いといて)。「銭金」みたいな話ですけどね。私は昔こういうのにあこがれていたことがある(よこしまな動機で)のだが、日本は国土が限られているから、今の人口を自給的農漁業だけで支えるのは難しい。であれば、それなりの産業(具体には高度技術利用の第二次、及び第三次産業)で食っていくしかないわけで、それでカネがちゃんと回るようにしてないといかんでしょう。
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 ふた昔前位のステレオタイプな日本人像に「出っ歯、細目、首からカメラ、メガネ」っつーのがありましたが、いまの企業の近視眼っぷりを見るに付け、「自虐コスプレかよ!」とツッコみたくなります。こんなにも個人の所得を下げて下げて、この国は何をしようとしているのか?
 あるいはあれか、知らぬ間に「199X年」が過ぎていて(いや過ぎたことは確かだが、)本当は「核の炎につつまれた!」後に来る筈の社会が、いつの間にか来てたってことか。弱肉強食でやだなぁ、あんな人やこんな人がみんな『北斗の拳』のザコキャラに見えるよ。(当然、オラはそいつらに怯える側ですがな)
 「まとめる」とか言いながら単なる思いつきと言いっぱなしだな・・・まあいいや、「大雑把」だし。

企業性悪説(我流)

2006-11-11 00:56:38 | ものおもい
 というものがある(と思うんだけど、あるよね?)。企業は自己の私的利益のために力のない個人を食い物にするというアレである。たとえば問題を認識しつつ、対策にかかるコストを惜しんで公害を垂れ流す。自らの企業活動の規制又は禁止につながる事実は隠蔽する。粗悪品を不当に高い値段で販売する。建設業の談合なんていうのも広い意味ではこれに当たるかもしれない。結果、弱い立場の者は犠牲にされる。こういう見方は、環境ホルモン問題に関心の高い層にはいまだに根強いと思う。が、私がいいたいのはソレではない。そう、労働者低賃金の問題。

 新小児科医さんのブログ経由で知った記事がこちら→毎日インタラクティブ 自律的労働時間制:残業代11兆6千億円不払いも

 「労働運動総合研究所」(代表理事・牧野富夫日大教授)は8日、厚生労働省が導入を検討している「自律的労働時間制度(日本版ホワイトカラー・イグゼンプション)」が導入されれば、約11兆6000億円の残業代が支払われなくなる可能性があるとする推計を発表した。
 同制度は、管理職手前の労働者を対象に、年収や休日確保などを条件に、労働基準法の週40時間の労働時間規制を除外するもの。労働者の判断で労働時間を管理する制度で残業代は支払われない。厚労省は来年の通常国会に労基法改正案を提出する方向で検討している。
 推計は、条件となる年収を、導入を強く推奨してきた日本経団連が提案していた400万円以上のホワイトカラー労働者で計算した。厚労省や総務省の労働データをもとにした計算では、管理・監督職をのぞいた対象者は約1013万人。これらの労働者の年収総額からボーナスを除き、残業時間の割合などから残業代と不払い残業代分を推計した結果、約11兆6000億円(残業代約4・5兆円、不払い残業代約7兆円)とした。厚労省の試案は、対象者の年収を1000万円以上と想定しているため、これより低額になるとみられる。同研究所は「残業代を横取りし、長時間労働で過労死など健康被害を招く制度であり、到底容認できない」と話している。【東海林智】
  毎日新聞 2006年11月8日 18時45分
  (アンダーラインは引用者)

 ええ加減にせえよ経団連と厚労省!

 はあはあ、ガラにもなく怒ってしまった。

 えーと、記事を見ると、厚生省案は年収1000万円以上で、管理職でない(オラの会社では管理職は残業代出ないけど、どこも一緒なのかな?まあそうなんだろう)層の残業代を合法的に減らせる(払わなくてよい)ようにする案のようです。要するに、こういった層の労働単価は高いため、残業代も必然的に高くなる。ここを不払いでいいよ、とすれば、人件費が激しく浮いてウマーということなのでしょう。
 年収400万だと、旧来の大手・中堅企業の正社員なら30代以上なら当てはまるのではないか、となんとなく思います(現在の実態は不明)。バブル期であれば大手の大卒初任給って30万くらいだった記憶があるけど、今はどうなんでしょう?
 パート・派遣の方々と正社員との格差が語られていますが、経団連のような所が考えるのは結局、条件が悪いほうに足並みをそろえようということらしい。

 ホンマええ加減にせえよ経団連!(゜Д゜)

 ぜえぜえ、すみません、取り乱してしまいました。

 結局、労働条件なんていうのは経営者にイニシアチブを握られてしまっているから、こんな風に「法的に保護しないと」となれば、どんどん悪くなるだけだと思うのだが。(「人件費抑制」で足並みを揃えている現状からして、労働力供給不足で単価が上がるってのは考えづらい。労働集約型の産業は少なくなっているし、多くは高付加価値産業ではない、と思う。なんとなく)
 この、「人件費はゼロにすべきコスト」って考え、何とかならんのかね。正気とは思えない。
 ここらで少し、人件費抑制の問題点を整理しようかな。それは次回。