薫のよもやま話

森山かおる
市原市議会議員
重度障がいの息子を育てながら、日々感じる事を想いのままに

親亡き後を考える会

2023年01月23日 | 障がい

「障害のある子どもを残して親が先には死ねない」そんな言葉を何十年も前から度々耳にしてきました。
私が入会している市原市肢体不自由児者父母の会の会員も「できるだけ家で一緒に生活したい」と考えている保護者が多く、私もその一人でした。
その理由は重度障害者の入所施設が少ないこと。更に医療的ケアが必要だと県内に6施設しかないのです。

今日は、昨年胃がんが見つかり急遽治療を受けることになった保護者の方から、息子さんを入所させるまでのエピソードをお聞きしました。

検診でみつかった胃がんはステージ4だったそうで、相当なショックを受けたと思いきや、その告知を聞いたときにご自分の身体のことよりも、全介助で医療的ケアが必要な息子さんのことが一番心配だったそうです。
「この子をどうしようか・・・」と。
関係機関に相談し預け先が決まった時にホッとしたこと。その先を考えて入所させる決意をしたものの、その施設では成年後見人を立てることが入所条件だったので、後見人を引き受けてくれる人探しや手続きなどを数ヶ月かけて行ったとのことです。

この方の場合はスムーズに進んで、ご自分でも「私はラッキーだった。周りの人に助けてもらえて感謝しかない」と仰っていて、日頃からショートステイを利用して子どもの様子を分かってくれる所を見つけておくことや、利用している施設の職員やヘルパーさんなどと良い関係を築いておくことの大切さをお話してくださいました。

私の息子も全介助です。一昨年からは定年退職した夫が息子の面倒をみてくれるようになったのですが、昨年に足を捻挫し急遽私が全てを担うことになった時に腰を痛めてしまいました。
夫婦のどちらかが倒れれば息子の面倒はみられない。
その時に初めて「そろそろ入所を考える時期がきたのかも」と思いました。
親亡き後を考え準備するためには行動を起こせる元気なうちにと、改めて感じました。