ギター好きなROCK少年が読むような雑誌である。
安心して(?)というか、ジュリーが音楽について語っているので
すごく興味深く、全文掲載してしまおう、と思っている。
ちょっと大変なので、小出しで(笑)
6月末から始まった全国の夏のロックンツアーは、今年でもう8回目。ロンドン録音の“ストリッパー”に参加した新バンドをバックに“ストリッパー”や”G.Sアイラブユー”の曲に焦点を会わせたロックっぽくロカベリーぽいステージが展開されているはずである。
バンドのメンバーは、柴山和彦(ギター、元泉谷しげる&バナナ)、安田尚哉(ギター、元レイジー・ヒップ)、西平彰(キーボード、元来生たかお、越美晴)、吉田健(ベース、元泉谷しげる&バナナ)、上原裕(ドラム、元シュガー・ベイブ)といった、ロックファンにはおなじみのめんめん。今回はジュリーにロンドンレコーディングのインタビュー。
-ロンドン録音はストリッパーで確か4、5回目ですね。
J「タイガース時代にビージーズに「スマイルフォーミー」という曲をもらって録音したのが最初で。」
-ソロになってから、1971年に“JULIE ?”が出て、1973年に“JULIE ? ある青春”が出ましたね。どちらもオリンピック・サウンド・スタジオの録音で。
J「ルベッツのプロデューサーのウエイン・ビッカートンなんかに手伝ってもらって、全編英語でやったというのもありますが(笑)」
ーバンドを日本からつれていって録音したのは、今回が初めてですが、その点でも、今までのロンドン・レコーディングとは、随分ちがうわけですね。
J「今まではとにかくむこうのミュージシャンに演奏を頼んで、こちらは歌だけ入れてた。今回は割りと狙い撃ちしていったというか、ストレイ・キャッツとか、ロックパイルが好きでレコードジャケットを見ていたら、エデン・スタジオで録音とか出てるでしょう。で、エデン・スタジオって、どういうスタジオだろう、ということから始まって・・・・。
ロンドンの渡辺プロオフィスで調べてもらったらむこうでも興味を持ってくれて、ミキサーの人も「わざわざ極東から来るのなら」という感じで時間をとってくれることになった。こんだけお膳立てがそろったのだから、もう、行っちゃおうと(笑)。」
-3月ごろにその計画を聞いた時はエエーッと驚いたんですが。
J「(笑)これまで外国でレコーディングのよさをそれほど重要視してなかったというか、ロンドンでやってるんだけど、日本に帰って聴いてみると、湿気が多いとかいろいろあるんだろうけど、「あの時の感激がどうもない」という感じが今までのレコーディングにはあって、それなら日本人のミュージシャンが行って、むこうの雰囲気気に入ってやるとどうなるのかなと思って。
ストレイ・キャッツ風とか、ロック・パイロット風とか、下世話にマネッコでやろうという感じでね。日本人がやると、絶対違うものになるだろうと、なんか変な理屈をたてて行ったんですけど(笑)。行ってみたら、それらしい音になるんでね、これは何だろうと、みんなで考えたりしたんですけどね(笑)。」
-エンジニアの違いなんでしょうかね。
J「アンプなんかでも、メンバーが普段使ってるのを用意してもらったんだけど、どうも違うと。東京電力と向こうの電力会社の電気の種類がちがうのかな、とかね(笑)、ま、何でもよく感じちゃったのかもしれないけど。
スタジオに置いてあるタンバリンを見てもね、「あ、これニック・ロウが使ったやつかな、これはやっぱりいい音するわ」と言ったら、日本から持っていったものだったりしてね(笑)。なんとなく音の出方が違うということで、すごくノっちゃったし、モニターのスピーカーから出てくる音を聞いて「わあ、こんなにうまかったかな」という感じがしたりね。
バンドが今のメンバーになってはじめての仕事だったけど、不安も消えて「これはいけるんじゃないか」という感じになってね(笑)。」
つづく[E:upwardright]