1981年のインタビューだが、以前にアップした「Player」と同じ時期で、ロンドンレコーディングの話しから始まっていたので、はしょろうかと思って読んでいたら、思いのほか、興味深いインタビューだったので全文転載決定(笑)
インタビュアー 伊藤 強 (音楽評論家)
“ねらい打ちのロンドン録音!!”
沢田研二がロンドン録音のアルバム『ストリッパー』を完成した。全体に軽いロックンロールだ。
何故イギリス録音なのだろう?
「外国録音は4回めです。ほかにドイツ、フランスでシングルをだすためにやりましたけれど、アメリカが全然ないですねぇ。ぼくの場合、ウエストコースとふうじゃないし、さりとてニューヨークまで行くことはないだろうという感じがあって・・・。ロンドンはビートルズの国だからというのかな、けっしてカラッとしていない。どこか屈折している感じが好きなんですねぇ。」
「外国で録音することの意味を考えますと、本当は向こうで出すためだと思うんです。だからぼくもここしばらくは行ってなかったのですよ。ただ、今度ロンドンに行ったのは、ぼくが「ストレイキャッツ」や「ロックパイロット」などのグループが好きで、この2組のLPジャケットを見ていたら、両方とも同じ「エデン・スタジオ」で、ミキサーも同じ「アルド・ポッカ」という人がやっている。これはおもしろいと思いましてね。同じスタジオ、同じミキサーでやるのなら、また気分が変わるかもしれないと考えて、スケジュールを調べてもらったら、スタジオもミキサーもOK。こうなったら行かなきゃしょうがないと。ですから、当初から狙いはロンドン・ロカビリーふうというようにはっきりしていた。これがよかったんだと思うんです。」
「バンドも日本でやっているメンバーです。外国のミュージシャンにしますと、日本に帰ってきてから、それをコピーすることになるわけでしょう、それなら最初からみんなで行ってね・・・。たまにはカブれてこようかということだったんです。
確かにミキサーによって違うんですね。今回の収穫でした。しかもねらって行ったでしょう?こちらで指名させてもらったわけで、おしきせのコーディネーションでなかったことが良かったんでしょうね。日本ではいつも吉野金次さんに最後のトラック・ダウンはお願いしているんですけれど、もうこの人とも長くてね。「許されない愛」のあとに出た「あなただけでいい」以来ですよ。こっちが何か注文出しても、“いや、ぼくはずっと沢田君を見てるのだからこれでいいんだ”と言われてね。説得力があるんですよ、これが。」
「ミキサーという人たちはおもしろいんですよね。日本ではまだ少ないけれど、外国ではものすごく専門化していて、たとえば今度のアルド・ポッカなんて人は、自分はロックンロールしかやっていないっていうんです。だから途中でブラスを入れたいんだけどと言ったら、自信がないなあ、大丈夫かなあ、って言うんですよ。それとミキサーはそれぞれに自分で開発した機械の組み合わせを持っているんでしょうね。そのノウハウは他人には教えない。吉野さんなんかも一応録音が終わってからトラック・ダウンにかかると、サアこれからがこっちの出番だって顔をしますもんね。いずれにしても、今回は、やや凝った感じのロックンロールをやることで、日本のロックンロールが見えてくるかもしれないと思っていたんですよね。まずは、うまくいったんじゃないかな。」
明日に続きます~。^^
インタビュアー 伊藤 強 (音楽評論家)
“ねらい打ちのロンドン録音!!”
沢田研二がロンドン録音のアルバム『ストリッパー』を完成した。全体に軽いロックンロールだ。
何故イギリス録音なのだろう?
「外国録音は4回めです。ほかにドイツ、フランスでシングルをだすためにやりましたけれど、アメリカが全然ないですねぇ。ぼくの場合、ウエストコースとふうじゃないし、さりとてニューヨークまで行くことはないだろうという感じがあって・・・。ロンドンはビートルズの国だからというのかな、けっしてカラッとしていない。どこか屈折している感じが好きなんですねぇ。」
「外国で録音することの意味を考えますと、本当は向こうで出すためだと思うんです。だからぼくもここしばらくは行ってなかったのですよ。ただ、今度ロンドンに行ったのは、ぼくが「ストレイキャッツ」や「ロックパイロット」などのグループが好きで、この2組のLPジャケットを見ていたら、両方とも同じ「エデン・スタジオ」で、ミキサーも同じ「アルド・ポッカ」という人がやっている。これはおもしろいと思いましてね。同じスタジオ、同じミキサーでやるのなら、また気分が変わるかもしれないと考えて、スケジュールを調べてもらったら、スタジオもミキサーもOK。こうなったら行かなきゃしょうがないと。ですから、当初から狙いはロンドン・ロカビリーふうというようにはっきりしていた。これがよかったんだと思うんです。」
「バンドも日本でやっているメンバーです。外国のミュージシャンにしますと、日本に帰ってきてから、それをコピーすることになるわけでしょう、それなら最初からみんなで行ってね・・・。たまにはカブれてこようかということだったんです。
確かにミキサーによって違うんですね。今回の収穫でした。しかもねらって行ったでしょう?こちらで指名させてもらったわけで、おしきせのコーディネーションでなかったことが良かったんでしょうね。日本ではいつも吉野金次さんに最後のトラック・ダウンはお願いしているんですけれど、もうこの人とも長くてね。「許されない愛」のあとに出た「あなただけでいい」以来ですよ。こっちが何か注文出しても、“いや、ぼくはずっと沢田君を見てるのだからこれでいいんだ”と言われてね。説得力があるんですよ、これが。」
「ミキサーという人たちはおもしろいんですよね。日本ではまだ少ないけれど、外国ではものすごく専門化していて、たとえば今度のアルド・ポッカなんて人は、自分はロックンロールしかやっていないっていうんです。だから途中でブラスを入れたいんだけどと言ったら、自信がないなあ、大丈夫かなあ、って言うんですよ。それとミキサーはそれぞれに自分で開発した機械の組み合わせを持っているんでしょうね。そのノウハウは他人には教えない。吉野さんなんかも一応録音が終わってからトラック・ダウンにかかると、サアこれからがこっちの出番だって顔をしますもんね。いずれにしても、今回は、やや凝った感じのロックンロールをやることで、日本のロックンロールが見えてくるかもしれないと思っていたんですよね。まずは、うまくいったんじゃないかな。」
明日に続きます~。^^