“冷静に自分を見つめる沢田研二へ・・・”
この本が出る頃、沢田研二は恒例の夏のツアーに入っている。沢田研二にとって重要な仕事のひとつだ。
「ツアーに出てしまうと、他の仕事はあまりしないから、それに熱中できます。特に去年からは、LPの曲を中心に構成したステージなんです。ですから今回も“G.S.I LOVE YOU”と“ストリッパー”の中の曲を中心に歌います。かつてのヒット曲は、もしアンコールがあったときに聴いてもらおうかと・・・。でもむつかしいですね。ヒット曲を聴きたいというお客さんも大勢いますし。でもそれだけやっていたのでは、いつまでたったも同じことになってしまうわけですから。コンサートっていうのは売れているころは子供のお客さんが増えるんです。でも、最近はやや減りぎみだった・・・。男の人が少し増えたかな。」
夏のこのツアーと並んで沢田の大きな仕事のひとつに、年に一本の映画がある。今年は「魔界転生」
「あれは40日間だったかな、撮影期間が。楽しいですね。気分転換になりますし・・・。シングルレコードが年3枚のペースなら、スケジュール的には年一本の映画も出演できます。もうしレコードが売れて忙しくなったら、それはそれで気分の問題だからやってしまうということになるんだと思うんですがね。欲張りな僕のことだから・・。」
それにしても長いキャリアで、相変わらず第一線である。「渚のラブレター」が32枚目のシングルレコード。それが堂々のベストテン入りだ。こうなったら、あとは海外に出て世界のという地位を狙ってみるというのも、当然考えられないことではあるまい。もちろん今までにもトライは重ねているわけだけれど。
「中途半端にやったんじゃダメなんですね。やるなら、3ヶ月なら3ヶ月、ずっと現地に住んで、そこできちんとプロモーションもやるということでなければ、とてもダメでしょう。そしてそうしたところでうまくいくというという確立は決して高くないはずです。だいたい日本でやっているだけで、アップアップしているくらいですから。それに、日本でちゃんとやっていてしかも外国でもということでこそ、意味があるわけですから。そして、それはしょせんは賭けなんです。でも、今、日本を切り捨ててまでという勇気はないんですよね。」
ヘンな言い方になるかもしれないが、沢田研二は、会うたびに“大人”になっているという気がする。常識的に言うと、カドがとれたということになるのだろうが、それとも違う。それよりも自分を見つめる目が、年々冷静になり、シビアになってきているといったほうが近いだろう。フケたというのでもない。本人はテレながら“若くない”とは言うけれど、そんなことはない。むしろ年々、冷静な目を身につけてきているのだ。
つまり、沢田研二は、経験をきちんと自分の栄養にして生きている。実は沢田研二に期待するのは、そのポイントが一番大きい。
つまり彼がこれから先、長い人生を送っていくなかでの経験が、すべて彼自身のものになるだろうし、そうなったとき、沢田研二は、真に国民的な歌手になり得るはずである。沢田研二には、ゆったりと自分のペースで進んでいって欲しいし、こちらも、そのペースにあわせて、じっくり待っていようかと思う。
実はこのインタビューを転載しようと思ったのは、この伊藤さんの最後の文章を書きたかったからである。伊藤強さんは、見事にジュリーの本質を言い当てていると思う。今も元気でいらっしゃると思うが、ジュリーのドームに関心を寄せていただいてると思う。ジュリーはあなたの言うように国民的歌手になったでしょう?
ジュリーファンは誇らしいですよね。
この本が出る頃、沢田研二は恒例の夏のツアーに入っている。沢田研二にとって重要な仕事のひとつだ。
「ツアーに出てしまうと、他の仕事はあまりしないから、それに熱中できます。特に去年からは、LPの曲を中心に構成したステージなんです。ですから今回も“G.S.I LOVE YOU”と“ストリッパー”の中の曲を中心に歌います。かつてのヒット曲は、もしアンコールがあったときに聴いてもらおうかと・・・。でもむつかしいですね。ヒット曲を聴きたいというお客さんも大勢いますし。でもそれだけやっていたのでは、いつまでたったも同じことになってしまうわけですから。コンサートっていうのは売れているころは子供のお客さんが増えるんです。でも、最近はやや減りぎみだった・・・。男の人が少し増えたかな。」
夏のこのツアーと並んで沢田の大きな仕事のひとつに、年に一本の映画がある。今年は「魔界転生」
「あれは40日間だったかな、撮影期間が。楽しいですね。気分転換になりますし・・・。シングルレコードが年3枚のペースなら、スケジュール的には年一本の映画も出演できます。もうしレコードが売れて忙しくなったら、それはそれで気分の問題だからやってしまうということになるんだと思うんですがね。欲張りな僕のことだから・・。」
それにしても長いキャリアで、相変わらず第一線である。「渚のラブレター」が32枚目のシングルレコード。それが堂々のベストテン入りだ。こうなったら、あとは海外に出て世界のという地位を狙ってみるというのも、当然考えられないことではあるまい。もちろん今までにもトライは重ねているわけだけれど。
「中途半端にやったんじゃダメなんですね。やるなら、3ヶ月なら3ヶ月、ずっと現地に住んで、そこできちんとプロモーションもやるということでなければ、とてもダメでしょう。そしてそうしたところでうまくいくというという確立は決して高くないはずです。だいたい日本でやっているだけで、アップアップしているくらいですから。それに、日本でちゃんとやっていてしかも外国でもということでこそ、意味があるわけですから。そして、それはしょせんは賭けなんです。でも、今、日本を切り捨ててまでという勇気はないんですよね。」
ヘンな言い方になるかもしれないが、沢田研二は、会うたびに“大人”になっているという気がする。常識的に言うと、カドがとれたということになるのだろうが、それとも違う。それよりも自分を見つめる目が、年々冷静になり、シビアになってきているといったほうが近いだろう。フケたというのでもない。本人はテレながら“若くない”とは言うけれど、そんなことはない。むしろ年々、冷静な目を身につけてきているのだ。
つまり、沢田研二は、経験をきちんと自分の栄養にして生きている。実は沢田研二に期待するのは、そのポイントが一番大きい。
つまり彼がこれから先、長い人生を送っていくなかでの経験が、すべて彼自身のものになるだろうし、そうなったとき、沢田研二は、真に国民的な歌手になり得るはずである。沢田研二には、ゆったりと自分のペースで進んでいって欲しいし、こちらも、そのペースにあわせて、じっくり待っていようかと思う。
実はこのインタビューを転載しようと思ったのは、この伊藤さんの最後の文章を書きたかったからである。伊藤強さんは、見事にジュリーの本質を言い当てていると思う。今も元気でいらっしゃると思うが、ジュリーのドームに関心を寄せていただいてると思う。ジュリーはあなたの言うように国民的歌手になったでしょう?
ジュリーファンは誇らしいですよね。