SFアドベンチャー 1984年 7月号
表紙
本誌には、小説「真幻魔大戦」のイメージアルバムがリリースされた後に、
平井和正氏と難波弘之氏が対談を行った記事が掲載されています。
掲載頁は、
112頁から136頁までと、
かなり読み応えがあります。
両者による対談の企画が持ち上がった背景として、
難波弘之氏が、イメージアルバムの制作者である事はもちろんですが、
SF小説家としての顔も持っていたという事が、
一番の理由かと思われます。
平井和正氏は、映画「幻魔大戦」のパンフレット上で、
楽曲、「光の天使」を評価しているわけですが、
それ以外は、特にキースに対する思い入れはなかったと推定しています。
一方、難波弘之氏が、EL&Pやキースを敬愛している事は、
このブログでも、時々綴ってきましたように、
あまりにも知られすぎている事であります。
本対談においては、
難波弘之氏が「真幻魔大戦」の作品から想像した音楽が、
話材の1つになっています。
それを語る上で、特に映画「幻魔大戦」のサントラの音楽が、
引き合いに出されたりはしていませんが、
平井和正氏が、
難波氏の創造した「真幻魔大戦」の音世界を、
とても気に入った様子が、
伝わってくる対談内容になっていますね。
平井和正氏
「難波さんが今までに出した三枚のアルバムを聴きました。今度の「真幻魔大戦」と聴き比べると、「真幻魔大戦」は明らかにスケールが大きく出ていますね」
115頁
また、126頁に書かれている内容として、
平井和正氏は、「幻魔大戦」の執筆をイージー・リスニングをBGMにして行っていたわけですが、
その理由として、「幻魔大戦」を書いていると、怪異現象が続々と起こるので、
静寂がすごく怖いという事があったようです。
心を静めるために、ご自身で6時間のBGMのテープを作り、オープンリールでまわしていたとの事。
イージー・リスニングは、ごく低い音量でかけているのですが、
聴いているうちに、何か引っかかってくると、大きい音で聴きたい曲が出てきて、
それは名曲と呼ばれているものだそうです。
難波さんの「真幻魔大戦」も、繰り返し聴いているうちに、ボリュームの位置がだんだんと上がってくることになり、「真幻魔大戦」は名曲であると受けとめたようです。
ご自身の「幻魔大戦」とかかわりがあるから、褒めるとかいう事ではなく、
平井和正氏自身のなかにごく自然におきた出来事のようでした。
時系列的には、
原作を元にした映画用の脚本とラフスケッチに基づいた、
幻魔大戦のサントラが、
1983年にリリースされており、
キースの方が、幻魔大戦世界の音楽に先に関わった事になるわけですが、
映画「幻魔大戦」は「平井和正の幻魔宇宙」とは、
異なっているものなので、
「平井和正の幻魔宇宙」を音楽で表現したわけではありません。
その後、小説「真幻魔大戦」のイメージアルバムを難波弘之氏が、
制作する事になって、「平井和正の幻魔宇宙」が、初めて音楽で表現されたわけです。
キースが担当した映画「幻魔大戦」のサントラには、
直接的には全く関係のない対談と言えますが、
キースが作ったサントラのタイトル曲を評価した平井和正氏と、
キースを敬愛する難波弘之氏が対談をした、
興味深い記録とも言えるものです。
ちなみに、
本号には、巽孝之先生による筒井康隆氏の「虚航船団」の評論も掲載されています。
以上。
EL&Pを愛し続けてまいりましょう。
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表紙
本誌には、小説「真幻魔大戦」のイメージアルバムがリリースされた後に、
平井和正氏と難波弘之氏が対談を行った記事が掲載されています。
掲載頁は、
112頁から136頁までと、
かなり読み応えがあります。
両者による対談の企画が持ち上がった背景として、
難波弘之氏が、イメージアルバムの制作者である事はもちろんですが、
SF小説家としての顔も持っていたという事が、
一番の理由かと思われます。
平井和正氏は、映画「幻魔大戦」のパンフレット上で、
楽曲、「光の天使」を評価しているわけですが、
それ以外は、特にキースに対する思い入れはなかったと推定しています。
一方、難波弘之氏が、EL&Pやキースを敬愛している事は、
このブログでも、時々綴ってきましたように、
あまりにも知られすぎている事であります。
本対談においては、
難波弘之氏が「真幻魔大戦」の作品から想像した音楽が、
話材の1つになっています。
それを語る上で、特に映画「幻魔大戦」のサントラの音楽が、
引き合いに出されたりはしていませんが、
平井和正氏が、
難波氏の創造した「真幻魔大戦」の音世界を、
とても気に入った様子が、
伝わってくる対談内容になっていますね。
平井和正氏
「難波さんが今までに出した三枚のアルバムを聴きました。今度の「真幻魔大戦」と聴き比べると、「真幻魔大戦」は明らかにスケールが大きく出ていますね」
115頁
また、126頁に書かれている内容として、
平井和正氏は、「幻魔大戦」の執筆をイージー・リスニングをBGMにして行っていたわけですが、
その理由として、「幻魔大戦」を書いていると、怪異現象が続々と起こるので、
静寂がすごく怖いという事があったようです。
心を静めるために、ご自身で6時間のBGMのテープを作り、オープンリールでまわしていたとの事。
イージー・リスニングは、ごく低い音量でかけているのですが、
聴いているうちに、何か引っかかってくると、大きい音で聴きたい曲が出てきて、
それは名曲と呼ばれているものだそうです。
難波さんの「真幻魔大戦」も、繰り返し聴いているうちに、ボリュームの位置がだんだんと上がってくることになり、「真幻魔大戦」は名曲であると受けとめたようです。
ご自身の「幻魔大戦」とかかわりがあるから、褒めるとかいう事ではなく、
平井和正氏自身のなかにごく自然におきた出来事のようでした。
時系列的には、
原作を元にした映画用の脚本とラフスケッチに基づいた、
幻魔大戦のサントラが、
1983年にリリースされており、
キースの方が、幻魔大戦世界の音楽に先に関わった事になるわけですが、
映画「幻魔大戦」は「平井和正の幻魔宇宙」とは、
異なっているものなので、
「平井和正の幻魔宇宙」を音楽で表現したわけではありません。
その後、小説「真幻魔大戦」のイメージアルバムを難波弘之氏が、
制作する事になって、「平井和正の幻魔宇宙」が、初めて音楽で表現されたわけです。
キースが担当した映画「幻魔大戦」のサントラには、
直接的には全く関係のない対談と言えますが、
キースが作ったサントラのタイトル曲を評価した平井和正氏と、
キースを敬愛する難波弘之氏が対談をした、
興味深い記録とも言えるものです。
ちなみに、
本号には、巽孝之先生による筒井康隆氏の「虚航船団」の評論も掲載されています。
以上。
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