風を超えて
2005-11-17 | 空
秋も終わりに近づくと、徐々に風が強く吹くようになる。
風は木々から枯れ葉をもぎ取り、上空では大きな雨雲をぐんぐん流してゆく。
ザーッと急に雨が降ったかと思うとすぐに止み、風に流されてゆく巨大な雲々の彼方には、吸い込まれるぐらいに真っ青な空が顔をのぞかせる。
陽の光はぶ厚い雲の固まりに遮られ、四方に放射するライトのようにめまぐるしく回りの風景を変えてゆく。
人々は、そんな光景に急き立てられるように、冬の準備に取りかかる。
陽の光を見つけて飛び出してきたように飛ぶ鳥が、一羽。
残り少ない光を目差して風を超える鳥の姿が、秋の終焉を告げている。