風の記憶

the answer is blowin' in the wind

ひこばえ

2006-11-06 | 田んぼ・平野



稲刈りを終え、今年一年の収穫を喜び、ほっと一息ついた頃、
庄内平野の田んぼは、稲刈り後の土色から一転して、草原のような薄緑色に変わります。

稲の「ひこばえ」です。

刈り取った稲の根株はまだ生きていて、そこからまた芽を萌えたたせるのです。

何という生命力でしょうか。
毎年、このひこばえの風景を見るたびに、生命の逞しさ、健気さ、そしてその儚さを感じてしまいます。

南の温かい地方では、このひこばえが成長し、また稲を実らせる事もあるのだそうですが、北国庄内はもうすぐ厳しい冬、このひこばえたちが育つことはありません。

稲たちは、その命の最後に、あの風薫る五月の風景を再現するかのように、束の間田んぼを緑色に輝かせて、冷たい風の中へと消えてゆくのです。




詩集 ひこばえ

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コメント (6)
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