風の記憶

the answer is blowin' in the wind

田の神、鳥海山3

2008-05-23 | 田んぼ・平野

Nikon D200  TAMRON 17-50□□
山形県酒田市大豊田星川□□




庄内地方を含めて「米どころ」と言われる地域は東北地方や新潟に多く、米は寒い地域で採れるものと思われがちですが、そもそも米は熱帯地方が原産地の植物です。
では何故この地域に米どころが集中するかというと、それは品種改良などの人々の努力と、豊富な「水」なのです。

東北地方や新潟は、大きな川の下流に大きな平野が広がり、冬は雪がたくさん降り、山々に積もった膨大な雪が春から秋にかけてとけて川に流れこみ、一年中平野を潤すので水不足の心配がありません。
それに、夏の暑さも実は南の地域に負けないぐらい高くなり(しかも夜は涼しくなる)米の生育に適しているのです。

庄内平野には現在、約4万ヘクタールの水田があり、減反などで作付けを制限されている分を引いた、およそ3万ヘクタールに稲が植えられています。
この田んぼに10センチの深さに水を張ったとして、庄内全体3万ヘクタールでは、3,000万トンの水が必要になります。
しかも水は1回張っただけではなく、1年間で何回も水を入れ換えするわけですし、加えて土の中にしみ込んでいる分も考え合わせると、庄内だけで数億トンは必要です。
それを不足無く供給してくれるのが、雪を湛えながら田んぼを見守る鳥海山や月山です。
(鳥海山や月山には万年雪があり、特に鳥海山には小さいながらも氷河もあるのです。)

多くの水を与えてくれる山を、農民は古から崇拝し、山の神は田の神になると伝えてきたのです。


庄内平野はまるで、山の神が降りてきて「ここで米をつくりなさい」と言われたような地域です。








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コメント (6)
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