風の記憶

the answer is blowin' in the wind

杭掛けの風景

2012-11-12 | 田んぼ・平野








子どもの頃、田んぼの手伝いをよくやらされたものでした。
その頃は、機械化はあまり進んでおらず、田植えも稲刈りも田んぼ仕事は家族や親戚総出の大仕事でした。
大勢でわいわいがやがややる仕事は、子どもの私にとっては割と楽しいもので、お昼になるとみんなでおにぎりを食べるのも楽しみでした。そういえば、その頃は田んぼの用水路の水で手を洗っておにぎりを食べていましたが、今思うとかなり不衛生ですよね。(^^;)たま~に砂がついて、口の中がガリッとしたりして・・・。ワイルドでしょ~♪(^^;)

稲刈りは、朝早くからみんな大勢で行うのですが、刈り取った稲を乾燥させるために杭に掛ける杭掛けはその家のものがやる仕事だったように記憶しています。
我が家は、父と母、小学生の私と幼稚園の弟しかいませんでしたので、杭掛けは私と父親の二人の仕事です。秋晴れの下でわいわいやるときに比べて、夕方に二人で行う杭掛けは寂しく、風も肌寒くなり疲れてきて仕事に身が入らず、父親に叱られながらのつらい仕事です。半べそをかきながら嫌々こなす仕事のなんと切ないことか。
“ 秋の日はつるべ落とし ”秋は日が暮れるのも早く、子どもには何となく怖い時間帯の仕事でもありました。

最近は杭掛けのある田んぼをあまり見ることが無くなってしまいましたが、たまに見かけると、あの稲刈りの時のことを在り在りと思い出します。
そして、思い出すのはいつも、みんなで楽しくやっている場面ではなく、父と二人きりの寂しい杭掛けの風景なのです。

秋の西日に目を細めながら、寡黙に次々と仕事をこなしていく父。
そのどことなく寂しげな後ろ姿は、記憶の奥に切なく染みついた、私の心の風景なのです。


























撮影DATA
Nikon D300s
Nikkor AF-S DX 17-55mm F2.8G
撮影地
酒田市黒川 (旧八幡町)


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コメント (2)
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