風の記憶

the answer is blowin' in the wind

冬の気配がした日

2010-10-26 | 季節




秋も盛りを過ぎた頃、気が付くと少し肌寒い風が西の空から吹いてきます。

雲の合間から射す太陽の光はさかんに空気を暖めようとしますが、風に攫われて気温は上がろうとはしません。

あれほど勢力を誇った夏草たちはいつのまにか姿を消し、秋の草花たちも役割を終えたものから順に我が身を枯らして土に還る準備をはじめています。

初めは穏やかだった西風はやがて轟々と梢を鳴らすほどになり、厚い雲の塊が驚くほどの速さでグングンと北東の空に流れて行きました。

鳥海山には初冠雪、冬の使者 白鳥たちの第一陣はすでに刈ったばかりの田んぼで落ち穂拾いに余念がありません。

冬の気配を感じさせる日。

こんな日が徐々に多くなり、やがて庄内に本当の冬がやってきます。





















冬の使者 白鳥たちの第一陣はすでに飛来していますが、日中は田んぼで落ち穂拾いです。
ここスワンパークには夕方帰っています。





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6 コメント

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風の棲む町 (明楽)
2010-10-26 18:54:46
冬生まれのせいか庄内の雪を迎える前の緊張感は、嫌いではありませんでした。

酒田大火も今頃でしたね。部活を終え酒商から自宅へ帰る時にサイレンの音を聞きました。小中学校の多くの友人が罹災しました。
我が家にも火の粉が降りそそぎ、ミゾレまじりの雨が降っていなければ焼失だったでしょう。
私は翌朝、新井田川に沿って消防車が直上放水して水の壁を作り延焼を防ぐ処を、中の口橋近くで見ていました。

休日の今日、伊藤さんの新井田川の写真を見ていてハッとしました。酒田大火の被害をくい止めた新井田川、その真正面で鳥海山の大物忌神が大火を見つめていたのか…。

映画館からの出火で多大な被害を被った風の棲む酒田市が、アカデミー賞映画「おくりびと」で脚光を浴びる。
大きな貸しの一つが帰ってきたのかも知れません。

新井田川、中の口橋から眺める鳥海山の光景。私の心の宝です。(^^)
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Unknown (伊藤)
2010-10-27 18:55:47
明楽さん、こんにちは。(^^)

私も12月生まれで、暑いのは苦手でして、冬の方がずっと好きです。それに、冬こそ庄内らしいと感じますね。

酒田大火、今でもありありと思い出します。
私は高校に入学した年でした。酒田駅から酒田商業へ向かうときに焼け野原の中を足をガクガクさせて興奮しながら歩いたことは忘れられません。
学校に着いたら、焼け出された中心市内の同級生達が着の身着のままで登校しており、泣いていたのも忘れられません。
年月というのはむごいもので、すごかった酒田大火も、今の若い子達に聞いても知らないそうです。(^^;)

>新井田川、中の口橋から眺める鳥海山の光景。私の心の宝です。(^^)

そうですよね。
私でさえ、酒田商業と酒田東高校の間にある新井田橋から見る鳥海山は、生まれ育った遊佐から見る鳥海とはまた違って格別の宝物です。
(^^)/
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Unknown (文太郎)
2010-10-28 11:42:58
移りゆく季節の情景。見事ですね。
一瞬の描写の筈なのに、まるで丹念なタッチで緻密に描かれた絵画のようです。
文章も素敵です。
昼間なのに、思いっきり感動しました。
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Unknown (伊藤)
2010-10-28 20:13:44
文太郎さん、こんばんは。(^^)

季節が移りゆく姿って、何か好きなんですよね~♪(^^ゞ
特に、その季節の始まりを表すような現象が起きると良いですね。
この日も庄内の冬の特徴的な風、偏西風が強くて、それによって雲がグングン流れていく様はちょっと感動的ですね。
おおっ!良い雲だ、と思ってカメラをバッグから取り出している間に、その雲はすでに流れていってしまう様な感じで、でも、またすぐ次の厚い雲が流れてきます。

文太郎さんにお褒めいただいて光栄です。
私もRYUさんに負けないくらい褒められるとやる気が出る方ですので。(^^)/
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Unknown (sunkyu)
2010-11-06 17:49:52
私は東北の冬を知りませんが、「冬の方がずっと好きです。それに、冬こそ庄内らしいと感じますね。」という言葉に感動します。厳しい季節だからこそ身が引き締まり、人間の本来の姿を取り戻す事が出来るんだろうなぁ、と想像んです。

また、雲という存在も何か心を刺激するものですね。雲が有るのとないのでは全く印象が違い、風景がガラッと変わったものになりますね。
様々な雲の姿にある時は夢を見たり、絶望を感じたり、望郷に心震わせたりと心を投影する対象になっているのが不思議な感じがします。
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Unknown (伊藤)
2010-11-09 13:07:00
sunkyuさん、こんにちは。(^^)

実は若い頃はこの冬が大嫌いだったのですが、歳を重ねる毎に冬の意味が分かってきたんですね。今でも命が萌えあがる春や良い風が吹く夏、見事な彩りを見せる秋、それぞれに好きですが、この全てを支えてくれるのが冬という厳しさだと知ったんです。
冬があるから春の命が輝くのだし、冬があるから夏になっても絶えることなく水が湧いてくるのだし、冬があるから秋の彩りが美しいのです。
それに、軽薄な飾りを受け付けない厳しい冬。地吹雪に身をこごめる姿こそ庄内の冬、そんな厳しさが庄内人の心の優しさを作っているのです。
そう思うと、冬こそ本当の庄内だと感じます。

雲は風景にとってとっても重要ですね。写真の用語で「雲が演技する」と言うくらい重要な要素です。
良い写真はきまって雲が良い味を出していますよね。
私も風景写真ではいつも雲を意識しています。
でも、なかなか良い感じには演技してくれません。そこが風景写真の難しいところですね~。
(^^)/
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