教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

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小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

菊一文字則宗&FenderJazzBass'72

2012-05-26 | 音楽的アドバイス

新選組1番組組長、沖田総司の愛刀として有名な菊一文字則宗(のりむね)とFenderJazzBassとの

関係はまったくないのですが(笑)、新撰組が活躍した頃も武士は良い刀を常に探していて、

特にこの頃も名刀、古くからある刀を欲していたようである。つまり今の楽器におけるオールドと

言われる物と考え方は同じようだね。玩物趣味とでも言おうか。3番組組長の斉藤一などは

相当の目利きだったらしい。

実際は沖田は菊一文字は大事にしまって、もっぱら相州無銘の刀を使っていたようだが、

菊一文字は虎徹などと同じく名刀中の名刀らしい。

命にかかわるものと楽器を一緒に考えるのもなんだが、楽器界にも好きな人には垂涎の竿も

ある。一千万円近いものもあるので、それはさすがにどうかと思うけど、フェンダーの70年代の

ジャズベースと言われる物は大体18万円から35万円くらいまでの間で色々あるようである。

残念ながら自分が生まれた年のやつは100万円超える・・(苦笑

で、じゃあ、現行品と何が違うのかと言うと、なかなか言葉で言い表すのも難しいし、

実際イマイチなオールドもあるにはある。第一、当然古いので、演奏するにあたって、

不具合がおきている場合もある。弾きやすさ、扱いやすさで選ぶなら圧倒的に現行品のほうが

いい。でもなんとも言えない音の魅力はどう逆立ちしても現行品には出せない。

オールドが良い要因のひとつとしては年数が経っているので、木と金属、プラスティック、

接着剤、塗料などが年数変化によりくっついてきてよりいい鳴りになる・・とか、ピックアップが

いい具合にヘタレてきていい具合になるとか・・木が乾いて来ていい鳴りになる・・とか、元々

その頃のほうがつくりがよかったとか、木材がいいとか・・色々あるけど・・イマイチ決定的な

要因はわからない。でも傾向としては、芯の部分が強くて、バンドの音の中で生き残る音が多い。

現行品は派手な音色で、かなりの低域から高域までバッチリ出ているけど、バンドの中で

ややにじんで見えにくくなる場合も多い。倍音が多く出すぎていてボワっとしてる感じ・・かな。

ま、個人的にそういう傾向があるように思えるって、俺が勝手に思ってるだけよ。

もちろん現行品で素晴らしい物もたくさんあって、むしろその方が多いんだけど、

結局ベース一本でベースアンプの前で聞いたときは素晴らしい音だけど、実践の中で

生き残ってこなければやっぱり難しいんだよね。

刀の話に戻るけど、あまりよくない刀は実践の際にすぐ切れなくなるとか、曲がるとか、

折れるとか、それこそ命にかかわる。よく切れて、耐久性のいい刀を所有したいのは

当然だろう。

楽器もねえ・・何年もやってるとだんだん「綺麗な音」とか「派手な音」とか「個性的な音」も

いいんだけど、なにより実践で生き残る普遍的なベースらしい普通の音が欲しくなってくるみたい。

なんて言っておいて12弦ベースみたいなアバンギャルドな音も好きだけど(笑)