両津勘吉
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
ご存知、両さんなんだけど、始まったころは俺が中学校くらいか・・・?
ピンクレディだの太田裕美だのアグネスラムだのが漫画の中に登場してたもんな。
山止たつひこってペンネームだったな。がきデカの作者が山上たつひこって名前だったから
パロってたんだと思うけど・・・。
初版から持ってたけど今はもうないや。
初めのころの両さんは本当にダメ中年で、趣味は賭け事とピンク映画を見るくらい。
野球も知らないし、音楽も興味なし、流行ものなんか何一つ知らないって体だったんだけど、
今は、なんでも知ってるスーパーマン両さんになっちゃったね。流行ものはなんでも詳しいし、
オタク文化、サブカルチャーにも精通、果ては同人誌でマンガまで描いてる・・・みたいな話も
あったような・・・。
う~ん、面白いけど、なんか違うな。知ってる人は知ってるだろうけど、中川だって不良警察官
だったんだからね(笑)。「銃をぶっ放せるから警察官になった」って言ってるし、麗子も初登場
シーンは派出所にミニクーパーで突っ込んできた!戸塚なんかが「過激派か!?」って
驚いているところへ「アクセルとカーステレオのスイッチを間違えたわ」って言いながら車から
降りてくる(笑)。みんな不良警官で面白かったんだけどなあ。でも正義感だけは強くてね。
そんな「こち亀」ですが、みなさんご存知のように名作も数多いよね。ドラえもんや
クレヨンしんちゃんみたいに「この回が泣ける」って話も多いんだけど、個人的に
多分誰も話に上がらないであろうこの回が俺は好きだ。
第8巻の「アドリブ旅行・・・」の巻きなんだけど、これは一応3部作になっている。
まず「まごころ説教」でチンピラの松吉を更生するよう孤軍奮闘するが、あっけなく事故で死んでしまう。
次の「アドリブ旅行・・・」で、両親の元へ遺品を届けるため岩手まで行く。途中まで部長と一緒に
行くがこの間のドタバタが面白い。また、絵も精密でこだわりが凄い。
最後の「冬の旅・・・」で両親に遺品を届けるが、泣き崩れる母親と困った顔の両津が
なんとも映画の1シーンみたいでいいんだ。なんか高倉健が出てきそうなんだよな・・。
場所が東北の漁村ってのもいい味出してる。
前途したようにもっと泣ける話や感動的な話も両さんには多いのも知ってるけど、
このあまり目立たない3部作がなんか好きなんだな。
好きなマンガだったけどさすがに今は全然見ていない。世間を皮肉っているギャグは
相変わらず冴えてるだろうし好きだけどね。スーパーマンになっちゃったのがどうも
違和感が・・・。不器用で世間とズレてるのが良かったのに。そうそう、寅さんみたいな
感じだよね。寅さんがスマホとか詳しかったらイヤでしょう?(笑)