自分も十代の頃からライブハウスには出ていて、大概がブッキングライブなんだけど、
当然いくつかの対バンがいて、楽屋も一緒で、普通にリハして普通に本番やって、
帰ってくるわけなんだけど、その際に仲良くなるバンドもいればそうでもないバンドも
いるよね。
で、どちらというと自分たちは打ち上げ命でもなかったし、積極的に他のバンドさんと
仲良くなろうと言う意識もあまりなかったので、他のアーティストさんにはあまり興味が
ないというか、うちらに害さえ与えなければ大体なんでもいい、気にしないって感じ
だった。楽屋を占拠されても、出番前に一言、”鏡の前でメイクをしたいからそこを
使わせてください”って言えば、問題なかったし、さすがにあまりにひどいパンクバンド
みたいなのとは一緒にはならなかったので、今まで特に困ったことはなかったと思う。
大体、そんなに期待していなかったからね、対バンに(笑)。何を期待しろって言うんだ?
もちろん仲良くなったバンドもいる。お互いに観にいったりしてね。
基本的に他のバンドやアーティストは眼中にないというか、”その日のライブハウス内で
一番印象に残るのが自分たち”を目標にしていたから、他は別にどうだっていいんだよね。
リハのときに多少のチェックはするけど、それを見てこっちのパフォーマンスを変えても
意味がないし、不可能だしね。
自分たちの精一杯のステージをやるだけだ。
モチベーションが高いアーティストさんとあたれば刺激にもなり、お客さんの目も
肥えているかも知れないのでとてもラッキーだし、逆にショボいバンドやアーティストと
対バンになれば、それはそれで自分たちの引き立て役ご苦労さんってことで、それは
それでいい。
ごくまれに対バンとか他のアーティストのことをとやかく言うアーティストさんもたまに
いるんだけど、よっぽど害を与えたとか、暴力でも振るわれたのならともかく、
そうでもない場合は、まあ、仕方ないかもなあ。
自分たちのときもそりゃブルースバンドとの対バンよりはロック、それもアメリカン
ハードロック系のバンドと一緒にやりたかったけど、そうそう思うようにはならないよね。
でも全然気にならなかったな。あまり深く考えていなかったってのが正解だろうけど。
結局自己中だからさ、自分たちさえ良ければ他はどうでもいいんだ。
対バンがお客さんに嫌われるようなパフォーマンスをしようがしまいがどうでもよくて、
自分たちがかっこよく見えるステージをして、お客さんに”さっきのはひどかったけど
今度のはかななかいいじゃん”って思ってもらえればそれでいい。
よくみんな他のバンドやアーティストのことを気にかけているなあと思うよ。
”あいつが気に食わない”とか”あいつはヘタなクセにうまいと思って偉そうにして気に
いらない”とか”素人くさくてイヤだ”とか思うみたいだけど、よく観察しているなあと思う。
自分のときは自分たちで精一杯で人のことまで気にかけていられなかったな。
ステージ終わったらヘトヘトで打ち上げどころか、早く帰って休みたかったよ。
全力投球しちゃうからねえ。知らない人と打ち上げに行って気を使ってる余裕は
なくて、地元に帰ってバンドメンバーだけで食べるラーメンが最高にうまかった。
ライブのことを振り返りながらの焼肉もうまかったな。内弁慶なんだな、きっと。