教えて!TOSHIさん:ブログ版

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小田急相模原ライブハウス <T☆ROCKS>のオーナー「TOSHI」です。 音楽の話、音楽以外の話・・などなど色々!HPの 「教えて!TOSHIさん」も更新中! t-rocks@jcom.home.ne.jp

実録・新選組

2015-03-20 | 日記

はい、すいません、そっちのお話なんで興味ない人には「?」で

面白くない話かも知れないです。

 

曲をカバーすることを頼まれたんで、CDをレンタルしに行って、ついでにこんなのを見つけた

んで、ちょっと借りてみました。

Vシネマ系の映画なのかな。

 

「実録・新撰組」

 

ま、これだけでもいかにもVシネマにありがちな顔ぶれがわかると思います。

 

「実録」ってついている割には、細かいところはあまり実録ではない。

作品が何十年も前で、史実がまだ今と違って認識されていた頃ならいざ知らず、

2006年なんで、まあ、脚本でわざとこのようにしたのだろう。

また、ナレーションが徳川家茂(いえもち)を「いえしげ」と間違って呼んでいる。

ウキペディアに書いてあった。確かに「そんなのいたっけ?」って思ったんだよね。

 

実録でないと言った部分は(マニアにしかわからないと思うけど)、

・鴨暗殺の際に近藤勇が参加している。

・藤堂平助が腰抜けで、まるで実践で役に立たない。

・斉藤一が「こんな家業(人斬り)は長く続けるもんじゃねえ、これからは知識人が天下を

取る」などと平助に助言する。

伊東 甲子太郎暗殺を近藤勇が一人で行う。

・伊藤なきあとの残りの御陵衛士(高台寺党)を油小路で襲う際に、近藤勇が

参加している。

 

等々、ちょっと詳しい人なら「それは違う」と言う部分が結構ある。

ま、近藤勇を活躍させたいのはまあ、わかるんだけどね。

一番やめて欲しかったのは、やはり藤堂平助を弱い隊士に描いたことかな。

史実では実際に強く勇敢だったとなっていて、新撰組四天王の一人と言われた

くらいだから、この映画のイメージはちょっといただけない。

 

ただ、実は結構面白かった。

何がよかったかって、新撰組って最強の人斬り集団とか、最後の武士とか、色々

言われているけど、もうひとつ粛清の上に成り立っていたような集団で、あまり

ここに焦点をあててる作品はないように思うんだけど、結構この部分もしっかり

描かれていて、リアリティがあってなかなかに迫力ある。

確かにここに焦点をあてちゃうと殺伐とした感じになっちゃうし、実際、この作品も

かなり荒っぽく殺伐としている。

で、やっぱり凄いなと思ったのは、Vシネの俳優さん(?)と言うか、ちゃんとした

俳優さん(?)だけあって、当たり前だけど演技がうまい、迫力が凄い。

最近のアイドルくずれの方の軽い演技と違って、命かけてる感が凄く伝わって

きて、なかなか引き込まれました。

ま、土方が寺島進だしね、そりゃ、迫力あるでしょうよ(笑)。歳は随分あってないけど。

他も芹沢鴨の白竜、坂本竜馬の哀川翔もよかったし、伊藤甲子太郎役の

人も凄い迫力でよかった。

また珍しく、 岡田以蔵とか、大石 鍬次郎なんかも登場して面白かった。

 

 

で、山南も当然描かれているんだけど、このエピソードはいまだに誰も納得の出来る

脱走の理由を突き止めていないんだけど、この解釈もなかなかよいと思った。

山南は小説家によっては、あまり賢い描かれ方をしない場合も多いんだけど、

ここでは立派に描かれている。

 

沖田は珍しくちょっとひねくれた意地悪な人物として描かれている。

いつもの、剣の達人でありながら純真無垢で真っ直ぐな性格よりはもうちょっと

偏屈な感じになってて少し違和感が。

岡田以蔵と絡む場面があるけど、実際に会っていたかどうかは眉唾だよね。

斉藤一は随分、やさしくて物分りがよくて、これまたちょっと違和感。

永倉は実はそんなに活躍しない。原田は背が高くハンサムでイメージは合ってる

だろうね。かんしゃく持ちの部分はそんなに描かれていない。

井上源三郎に至ってはいなかったような気がする。

 

まあ、どうしても新撰組の話はエピソードも多いし、隊士も多いし、また後半は

刀槍の時代から銃や大砲の戦争に近い戦いになってくるし、全部描くのは

ちょっと大変だよね。

ここでも大急ぎで土方の戦死まで描いているけど、案の定、きちんと時間を割いて

描いているのは伊藤甲子太郎暗殺くらいまでかな。あとはさらに大急ぎでまとめた感じ。

沖田にいたっては気が触れて死んでゆくというちょっと残念な死に方。

有名な黒猫のエピソードはどうした?


時間が限られているから、各隊士はあまり丁寧に描かれないのが残念。

新撰組を知らない人はまず全然わからない。誰がだれだかさっぱりわからない

だろうね。やくざまがいの連中が抗争に明け暮れているように見えるかもしれない(笑)。


ただ、前途したように、俳優さんの存在感が凄く良いので、大物の人物が本当に大物に

見えるんだよね。これが重さをだしていてよいんだよね。大げさに言うと例えば、

ロバート・デ・ニーロが出てくると一気に作品が引き締まって重厚になるみたいな感じ。


それにしてもあの有名な隊服の色がなぜこの色?