コミュニケルーム通信 あののFU

講演・執筆活動中のカウンセラー&仏教者・米沢豊穂が送る四季報のIN版です。

すっかり葉桜に ・・・

2016-04-12 | Weblog
明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは

この春は爛漫の桜も見ずに終わりそうです。
そのうちに夜桜でもと思っていた丸岡城の桜も、春の嵐に散ってしまいました。今さらながらこの歌を思い出しています。いつも、そのうちに・そのうちになんて思っているうちに、時は過ぎて行ってしまいます。そのうちなんて時(日)は来ないものなんですね。何度同じ過ちを繰り返してきたことか・・・。

すっかり葉桜になりました。(4月23日正午撮影)







明日ありと 思うこころの仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは
この和歌は親鸞聖人が詠まれたと言われております。
聖人は9歳で東山・青連院にて院主・慈円(慈鎮和尚、後に天台座主になられた)のもとで得度をされました。
その日はもう夜になってしまったので、慈円は「今日はもう遅いので明朝にしよう」と言われました。
しかし、聖人は「今日のうちに」と言われ、この和歌を詠まれたということです。
9歳の少年の歌とも思えませんが、その心はまさしく親鸞の気持ちだったと思います。
祇園から四条東山を北に行くと知恩院がありますが、その北側に青連院があります。私も上洛の折々に訪ねます。
慈円は38歳で第62代(65、69、71代と4度)の天台座主になられています。和歌にも歴史にも秀でた方でした。百人一首に選ばれた慈円の和歌に「おほけなくうき世の民におほふかな わがたつ杣に墨染の袖」があります。以前 「一隅を照らす」 (クリックで閲覧出来ます)にも記しましたが、私が講師委嘱状を頂いた山田恵諦師は第253代座主を20年間務められました。慈円師といい、恵諦師といい、天台のお座主様には思いも一入の私です。
見損ねた桜から、つい天台座主の話に。それではまた。