「生涯引きこもり」と宣言された私の、超豪華オプション生活

 登校拒否となり、生涯ひきこもりであろうと決めつけられて四半世紀。社会人として生きる記録。#発達障害 #自閉症 #ニート

好きなことをやり、普通の生活が送れるようにすること。ただそれだけ

2015-06-26 13:11:59 | 生活と療養の工夫
「ぼくは数式で宇宙の美しさを伝えたい」
最も印象に残る一節

"わたしの行動指針はただ二つ、ジェイクが好きなことがやれるようにすることと、ふつうの子どもらしい生活を送れるようにすること、それだけです。"
この本は、多くの教訓をもたらしてくれました。
最も大事なことは、この本で書かれているジェイコブ(ジェイク)君の才能と、物理学や天文学へのこだわりと強い意思です。
最初の診断では「生涯言葉を発することなく、靴のひもも結べない」ことになっていましたが、後年の検査では、天才的知能指数と記憶能力と視空間認知、それに数学・物理学・天文学などへの集中力が明らかとなりました。
 
そして、その才能と意欲を観察し活用し、時に学校と闘った、著者であるクリスティン・バーネット氏の確固たる信念と智恵。それを支えた家族・友人たちです。
ほとんどの専門家がジェイクへの普通の教育は無価値であると言い放ち、特殊教育の押し売り以外の行動に関心がない中、しっかりと本人の意欲や能力を観察して見極め、わずかな理解のある専門家の手助けを借りながら、客観的情報を集め、ジェイク少年への配慮を勝ち取っていきました。
 
自閉症診断後のはじめてのコミュニケーションは、PECS使用によってもたらされました。アルファベットの教材に関心を持つことを見過ごさず、取り上げることを勧告した特殊学級を即座に退学する決断をしたのは見事でした。
アメリカの障害児療育は濃厚で、子供が普通に遊ぶ暇がないほど大変充実していているようですが、大変画一的かつ権威的で、ジェイク君の事例ではむしろ発達の足を引っ張っていました。
 
ジェイク少年は天体観測によって自閉傾向から救われ、数学や物理学でコミュニケーションスキルを獲得しました。ジェイク少年は応用行動分析によって外からコントロールされる必要もなく、SSTで局限された場でしか使えない社交辞令を覚える必要もありませんでした。自己コントロールは普通に、興味のあることの人間関係などによって健全に培われました。
 
彼は自閉症でなくなったわけではなく、主に身体機能面や感覚過敏や誤認知について日々克服しつづけているのですが、本人は自分が変わっていることを苦にしていないようです。この強いセルフエスチームは天文学によってもたらされたものであり、心理学的手法や行動分析学者によってもたらされたものではないのです。
 
医学モデルから福祉モデルへ移行しているはずなのですが、残念ながらいまだに「障害だから何もできない。」「できないことの克服(強みの強化はなく、それだけ)をしましょう」という概念が非常につよいです。
 
どうしたら、楽しく快適に生きていけるか、考えていきたいと思いました。
コメント
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