社会の身体障碍者への根深い偏見を感じる記事が出回ってきました。
「歩けるのは公然の秘密や」芦屋市議会で“車いす市議”を巡る“実は歩ける疑惑”が紛糾 流出した動画と目撃談を徹底取材 | 文春オンライン (bunshun.jp)
文春さんが「疑惑」といいはる記事、証拠の動画を含め、すべて見ました。
私には、隠し撮りされた長谷氏は、重心に気を配りながらよたよた自販機まで往復しているように見えました。
次に、長谷氏のブログを掲載します。
私の両脚の装具たち! | 芦屋市議会議員 はせ基弘オフィシャルブログ「芦屋市情報活動日記」のブログ (ameblo.jp)
今の補装具はすごいですね。ズボンの下につけるタイプのやつもあるから、はた目からみてわからないようにもできます。
ご自身の障害のことを動画や写真を交えて、いろいろ書いておられます。
多少大げさなこともあるかもしれない。げれどこの方はまごうことなき身体障碍者だと、私は理解しました。
私は現時点では、長谷氏への「疑惑」というのは、ひどい人権侵害事件だと思います。
例え数メートル歩行可能であったとして、身体障碍であると医師が診断し認定機関が認めれば身体障碍者です。
しかも身体障碍者認定は物理的に行われます。もっぱら医師の主観による精神障害の認定とは格段に異なる厳格さがあります。
こんなことが「疑惑」になる社会。誰から見ても分かる重度の人でないと障害者と言えない社会なんて、嫌です。
私だって、うつ病とASDで障碍者手帳持ってますが、いつも希死念慮があるわけではありません。いつもあったら精神科病院入院になります。やめてくれ、そんなひどい病態を強要するのは。
そんな、誰が見てもうつ病の人とは、精神病院に入院レベルの人です。
入院している人も、軽くなればやがては退院すると思います。〈とはいえ我が国の精神科病院退院率が低いこと。在院日数が国際比較で極端に長いことが問題になってますね。〉
ただ、周りの福祉職の私への対応を見るとやはり。左右に大きくぶれる印象があります。健常者と変わらないと言われた同じ口で、就職不可能とか。
知識のない人が勝手に障害認定、判断するのは本当に困ります。
素人判断でいろいろされるのは本当に困ります。
私は支援職として、500メートル歩ける方について車椅子に乗って移動していただいたこともあります。
その方は医師からあまり歩かせないよう指示もありましたし、1キロ近く歩いてもらっての様子観察などの結果、当時働いていた職場の判断として、50メートル以上の歩行が必要な場合は車椅子に乗ってもらっていました。
数メートル、あるいは数百メートル歩けても、身体障碍者手帳があれば身体障碍者です。
車椅子ユーザーで社民党幹部・伊是名氏のJRへの攻撃には憤りましたが、伊是名氏が2.3歩く動画を見ただけで「歩行可能だ」「詐欺だ」と書き立てる人たちにも、憤りを感じました。
長谷氏についても伊是名氏についても、私はネットで疑惑を掻き立てる人たちではなく、診断した医師と身体障碍者更生相談所〈身体障碍者手帳審査機関〉、役所の認定審査会などの決定を信頼しています。
長谷氏については身体障碍者1種2級。数メートルは歩行可能。数々の補装具。
文春の動画を見ても私は「おかしい」とは思いませんでした。
これを疑惑というのは、レイプ後の伊藤詩織さんが股を痛がって歩いている動画を見て「すたすた歩いている」と言っているに等しいと思います。
確かに、ご本人発信には多少の誇張はあるかもしれない。とも感じていますが。
法務局への人権救済申し立てを「刑事告訴」と文春は書いてるのかな?
これ、誇張記事じゃないか?
と思いました。
車から歩いて自販機まで行ったからといって「車椅子不要であるにもかかわらず使っている人」「疑惑の人」「詐欺師」だと私は思いません。
ひどい報道だと思いました。
まだ続きがあると思います。この事件にはこだわりをもって見守ります。