「生涯引きこもり」と宣言された私の、超豪華オプション生活

 登校拒否となり、生涯ひきこもりであろうと決めつけられて四半世紀。社会人として生きる記録。#発達障害 #自閉症 #ニート

あすなろ福祉会による不妊手術条件提示の件について

2022-12-20 21:26:32 | 日記

私はかつて、知的障害福祉にそれこそ職員として命を懸けてきた。
知的障碍者と家族同然に過ごした数年間もあった。
だから語らずにはいられない。

この国では障碍者の性や家族形成の問題に支援者が真摯に向き合うと、ものすごいハレーションをこうむることになる。

七尾養護学校での性教育もやり玉に挙げられ、糾弾された。
そして結婚支援の条件として不妊手術を提示したあすなろ福祉会も、左翼論壇から「驚かれ」、一部から非難されている。

私のかつての勤務先の大半は、知的障碍者利用者たちの恋愛は禁止だった。
四半世紀前にも知的障碍者のカップリング、結婚、そして子育てを実践される法人はあった。専門誌で読んで知ってはいたが、そういう当事者と私は出会ったことがないと思っていたが、思い出すと、通所利用者の数名には、配偶者がいたことを思い出した。
私の担当ではなかったので記憶が薄いが、彼らは周りの家族や関係者と持ちつ持たれつ関係で生きておられ、子供も育っていたことを思い出した。

とはいえ、知的障害系は特に、障害福祉では「恋愛禁止ルール」がごく当たり前。
そんな業界の雰囲気で、あすなろ福祉会の経営方針として、結婚支援をするということが打ち出された。
福祉会組織内や家族からの抵抗への補償として、「結婚して利用継続なら不妊手術を条件とする」ということになったのだと、私は勝手に想像している。
とはいえ、外科手術を利用継続の条件にするのは、エキセントリックな印象もある。が、そこまでしないと内部の了解が得られないのだと、私は思う。

そんな施設は嫌だ。ということであれば、施設から出ることになる。
別に、福祉団体は全国あまたある。
中には前述の通り、稀なことだが、子育て支援まで持ち出しでやっている施設もある。

同じ北海道の某福祉施設では、恋愛も結婚も禁止せず、当然にカップルからは子供が生まれ、子供たちはグループホームの利用者仲間や幹部職員・職員家族、主治医・主治医家族たちから公私にわたり支えられつつ、成長していく姿を映像で見たことがある。近年次々に成人しているという報告があったことを思い出した。
支援側の覚悟と、公私混同と彼らが表現している公私にわたる幾重もの柔軟な支援組織体系があれば、入退院を繰り返すような重度障碍者でも結婚と子育て、家族経営は可能と、彼らは証明して見せた。
(彼らとは、浦川べてるの家のことである)

しかしそれを、あすなろ福祉会を含め全国の福祉団体に強制できるのか?
あすなろ福祉会の現実には、不妊手術を条件とする理由があるのだと、私は思う。
多少、エキセントリックなところもあるが、あすなろ福祉会さんの福祉実践は偉大だと、現時点でも私は思う。なにせ「恋愛禁止」が、この国の福祉ではスタンダード。なのだから。

左翼論壇は今回もまた、「驚いた」で終わりだと思う。
実行されたら北朝鮮のようになるのなら、口だけで終わってほしい。

あすなろ福祉会の提示条件については、道庁や国からの指導があると思う。
あすなろ福祉会の福祉は国制度として行っているのであれば、国のルールにしたがって当然。ましてや公益性と引き換えに特別な優遇措置を与えられている社会福祉法人なのだから、公に従うのは当然のこと。
行政指導に注目したい。

それ以上に、おそらくかなわないとは思うが、
恋愛禁止にすることがごく普通であるなど、閉鎖空間で社会性に乏しくなりがちな施設福祉の課題や、
障碍者の結婚や子育てに関する可能性や困難について、注目が集まってほしいと、少しは期待している。

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