世界自閉症啓発デーに合わせたNHKの番組で取り上げられた子供さんで、5歳で九九ができて算数にこだわりのある子を特別支援学校に入れた、という選択をした親子が取り上げられました。
私はジェイク少年を称賛するような人間なので、ジェイク君やグランディン博士の親御さんとは正反対の(たぶん村上先生の親御さんの選択とも正反対の)選択をした、この子の選択を、福祉の専門家としては尊重するべきですが、個人としては悲しく思いました。
「無理をさせない人生」が本当に二次障害や三次障害から解放される人生なのか。某著名経済評論家の私と尾内年の自閉の息子さんは児童精神科大御所の患者さんなのですが、子供のころからつながっている大御所の患者さんは強度行動障害化して行動援護の対象。方や私は基本は同じ自閉でその度合いも同じようだと経済評論家様の本を読んで思うのですが、自分は行動援護事業所のサービス提供責任者資格を持つ支援する側にいます。
無理をさせない、チャレンジさせない、というのも相当なストレスだと思いますよ。フランクル先生に至ってはそういうのを「根拠のない、尊厳を無視した専門家の信念」「医原性精神病」「還元主義」などと呼んで批判しています。自分もその側にいます。
某経済評論家の息子さんが自分のクライアントになったら、自分は一生懸命介護するでしょうが、その生き方に賛同できないです。その方の自己決定が最大限尊重されなければならないのですが、私の旨とする生き方とは相当異なるなあと。そういうば、そういうクライエントさんは今もいくらでもいるかなあと。
悲しいな。幼稚園で九九のできる子が高等部になってようやく自分の字をひらがなで書ける子たちと同じステージに立つなんて。