旭川市女子中学生いじめ凍死事件。
非常に多く聞かれるのが、学校の対応があり得ない。ということ。
担任の先生は、当初から放置。緊急連絡よりデートを優先。取材にはお役所対応。
校長・教頭以下、他の教師たちも、官僚答弁のみ。隠蔽姿勢のみ、熱心に示す。
学校当局者、加害者関係者、だれも遺族を訪れず。
と、文春の記事では書かれていたと思う。
ここで思い出したのが、30年ほど前の西尾市でのいじめ自殺事件
先日記事を書いているうちに、
親からの緊急電への対応を嫌がりデートに出かけた北星中学担任と、
事件直後から取材に応じ涙を流しながら何が足らなかったのかと途方に暮れる姿をさらした西尾市いじめ事件の女性担任教師のことを思い出し、
意識の差を感じた。
どちらも20代の若手女性教員。
西尾の先生は理科の先生。
旭川の先生は音楽の先生。状況からおそらく専門は声楽だと思う。
音大出の公立学校の先生から合唱指導を受けたことが、私にはある。
その先生は学校就職後、ボランティアで私たちアマチュアを指導してくれていた。
時々、生徒指導で練習指導ができないことがあった。
学校の先生がボランティアで指導してくれていて、学校の緊急事態を優先することは当然で、誰一人、指導を受けられなかったことに文句を垂れる人はいなかった。
芸大系出身だから生徒指導に無気力で、理系だから熱血。ということは決して断じて、ない。
旭川の担任の方はひたすら無気力。ことが起きたら官僚的で逃げの一手。
西尾の担任の方は、小学校から異動したばかりで中学では生徒からからかわれ、学級崩壊していた先生。
それでも被害児の変動に気づき、学校で教員集団に展開し協力を求め、かつ私的に母校に相談し、家族親族にも組織的に働きかけ、被害児にソーシャルネットワークを形成して何とかしようと熱心に動いていた。
自殺直後2週間程度で顔を出し、みじめな姿だったが対応を説明し、残念無念な思いを全身から出していた。
西尾の事件も、当初学校側は隠蔽を図ったようだが、遺書で詳細に犯行が書かれていた。全国的に大々的に報道されたこともあってか、学校は方向転換して、1週間もたたないうちに加害児と共に被害家庭を訪れ、謝罪している。
おそらく、担任がすでにある程度把握して学校外にまで対策を拡大して動いていたから隠しようがなく、担任は幼い顔をしていたが熱い思いを持つ先生で、内側から隠蔽できない状態だったのだと思う。
被害者を責める一大勢力がPTA内にあったのは西尾もどこも同じだったが、
西尾市の学校は謝罪し取材に応じ説明し、自分のできることはやった。という感じを周りに残した。
厳正に調査され、それほど長期の間を置かず、学校関係者は処分され、加害児たちも裁判の末、矯正施設に送られた。
西尾の事件で、担任の先生は当時、幼くつたなかったが、それでも一生懸命教員としての責務を果たそうと努力していたから、事件勃発後しっかりとした対応が引き出せたのかもしれないと、私は思う。
仕事の厳しさを知らぬ若かりし頃の自分はこの若い女性の無能を厳しく批判したが、対人援助の厳しさと支援の無能感を知る今の私なら、いじめ自殺を防げず悲しいね。悔しいね。と同情したと思う。
当時若かった西尾の先生は存命であれば現在還暦に近いと思う。旭川の事件をどう思っているのだろうか?
旭川のいじめ凍死事件の方は、すでに自殺強要・児童ポルノという刑事事件が起きていて、犯行にかかる物的証拠が非常に多くあるにもかかわらず、警察の動きはなぜか緩く、遅く、加害児たちはただの厳重注意で終わっている。
凍死事件のほうが自殺ではなく他殺〈自殺に見せかけた他殺だという説がネットで流れている〉でない限り、警察はこれ以上動かないだろう。
北星中学は未だに「いじめ」の存在そのものを否定、または調査中としている。あれほどの証拠があり、刑事事件になっているにもかかわらず。
旭川のいじめ事件は、自殺強要からすでに3年、死亡から1年経とうとしているが、死亡事故であるにもかかわらず誰一人処分されていない。
旭川の方は、加害側〈不作為に徹する学校関係者を含む〉関係者によほどの権力者がいるだと思ってしまう。
それだけではなく、若い女性担任とはいえ、熱がなく、ムラの空気を読むことにのみ敏で、解決に動く気配のなかった〈強要事件後、被害児の学校復帰の方策を話し合った程度〉人物が担当していたがため、学校の「空気」が支配し、今日に至る隠蔽姿勢が続いているのだと思う。
こんな調子だから、すでにこの担任には子供たちや保護者からの信頼関係はなく、休職していると聞く。
北星中学では令和タケちゃんが大人気だとも聞いている。
現地の子供たちは、何とか立ち回ろうとしている。
北星中学の教員たちの未来を暗示する事件を思い出した。
中野富士見中学いじめ自殺事件の顛末だ。
人気を博する令和タケちゃんは、北星中学全教員の辞職を声高に叫んでいる。
個人的見解だが、
北星中学の当時担任の先生には、休職明け後も戻らず、公立学校教師以外の別の人生もあるよと言いたい。人の命や未来を預かる仕事は、荷が重いと思う。
教頭先生は、どんなに差し引いてもなお、少なくとも管理職としては無理があるように感じる。
どこかのいじめ事件の総括人事で、全教員が異動させられた事例があるような気がする。
全教員に辞職しろと叫ぶ令和タケちゃんの動画が生徒に視聴され、人気者になってしまうようでは、学級経営は困難を極めていると思う。
令和タケちゃんが旭川に出張しないで済む日が来ることを、祈っている。