一審に引き続き、二審も無期懲役判決。まことに妥当な判断である。
検察側鑑定医は国立病院機構東尾張病院長の舟橋龍秀医師。犯罪を犯した精神障碍者が措置入院させられる、重い精神障害に携わる愛知県唯一の国立精神科病院の医師。毎日裁判所が心神耗弱と判断して県知事が措置入院させる患者を診察している医師は「障害は軽度。完全責任能力あり」という。いつも診ている患者さんのレベルと比較されていると思うので、社会の現状に照らし正しい鑑定だと思う。
対する、無罪を主張する弁護側鑑定医は、現時点で把握している範囲では、
一審鑑定医は長尾医師。東三河方面で児童精神科クリニックを開業する、県内の発達ギョーカイでは名の通る医師。
「自分のところに中学生の段階で来てくれれば、すべての犯罪を防げた」
とのたまう。
デイケアもするような先生だから、治そうとする医師なのかもしれない(自分の得ている直接情報ではあまりかんばしくない情報しかないが)。もしかしたら、防げたかもしれない。ただし、刑事責任能力はないという判断は、通らなかった。
二審鑑定医は京都大医学部の十一元三(といちもとみ)教授(児童青年期精神医学)。発達障害研究の権威。自閉症10%説を唱えている先生と記憶している。比較的明るいことを発信する方と記憶している一方で、患者サイドの風説からは浜松医大杉山先生への風評とは異なり、かんばしい治療効果が聞こえてこないことが残念。
「重い精神障害により犯罪を自制できなかった」
という十一先生の主張を裁判所は採用しなかった。
ギョーカイの判断は社会では通らない。これはギョーカイの言うことを聞いて「家事をする引きこもり」や「旧帝大歯学部出た歯科医師が特例子会社福祉就労」「トヨタの金でMIT出て社会の理解が完全になるまでB型就労」という選択をしようが、一般就職して二次障害で苦しむことを通って社会で生きてい行こうが、どういう選択をしようが厳然たる真実。