死ぬほどの恐怖感を味わうことは滅多にないし恐怖感も人それぞれだと思う。
これは私の「死ぬかもしれない」と思った恐怖感のひとつです。
20年以上も前のことですが、自分が独りで運転する車と共に味わった恐怖感です。
当時地方都市に住んでおり、休日に見知らぬ道をドライブするのが好きでした。
丁度今頃の季節だったと思いますが、大まかな道路地図を持って秋の道路を独り走っておりました。
山間に入っていく道があり誘われるようにその田舎道をのぼりはじめました。
簡単な地図しかありませんでしたが、その山間の道を越えてまた国道に行き着くなと思って進んでおりました。
ところが道は登るにつれてどんどん細くなる。
対向車が来たら大変なことになるなと気にしながら進みますが、対向車どころか人っ子一人通りません。
更に道は細くなる。
危険を感じ始めました。元の場所に戻るにはバックで戻るしかない状況に追い込まれてしまったのです。しかしバックするには距離が長すぎる。
Uターン可能な場所を見つけるまで進むしかありません。
「あった」
もう車が通れないほどに道は狭くなっておりましたが、何とかUターンできそうな場所が見つかりました。
私の運転の腕で可能なのか、車を降りてしばし検証しました。
もし不可能ならば、車を置いて何キロも助けを求めて歩かなければならない。
しかも道の左側は切り立った崖になっているではありませんか。
決心しました。
やるっきゃない。
何度も何度も慎重にハンドルを切りなおしながら、やっとの思いで90度車の方向を変えました。
あと少しというときに、「ズルッ」と右の後輪が崖に向かって落ち込んでしまいました。ブレーキを思い切り踏んでいました。
このまま崖を車と転がり落ちて遥か下の岩場に打ち付けられて死ぬのかと思いました。
恐怖で頭はパニクッており真っ白です。
何とかそのまま止まってくれました。
しばし茫然としてサイドブレーキも思い切りひいてじっとしておりました。
暫くしてそろそろとドアを開けて降り立ち、とりあえず大きな石を探して前輪の後にかませました。
右側後輪は半分崖からずり落ちています。
暫く座り込んで考え込みました。
日も翳ってきている。なんという心細さ。
絶対に脱出できる確信が得られるまで暫く時間がかかりました。
その車は前輪駆動車でした。従ってずり落ちた後輪を引き上げる馬力はあるだろう。重いエンジンは前部にあるしブレーキが外れてもこれ以上左の後輪も落ちたとしても転がり落ちることは無いだろうと勝手に確信を持ちました。
そして脱出を試みることにしたのです。
ローギアでエンジンをふかしながら、サイドブレーキを徐々に外して無事後輪を引き上げ方向転換できたのです。
2度と味わいたくない死の恐怖の体験でした。
今でもその時の感じを思い出すとゾ~ッとします。
絶体絶命の窮地に陥った時に、独りで決断しなければならないというのもつらいですね。
もし女房が一緒だったら、彼女は即座に助けを求めに麓まで走って行っただろうと思う。
これは私の「死ぬかもしれない」と思った恐怖感のひとつです。
20年以上も前のことですが、自分が独りで運転する車と共に味わった恐怖感です。
当時地方都市に住んでおり、休日に見知らぬ道をドライブするのが好きでした。
丁度今頃の季節だったと思いますが、大まかな道路地図を持って秋の道路を独り走っておりました。
山間に入っていく道があり誘われるようにその田舎道をのぼりはじめました。
簡単な地図しかありませんでしたが、その山間の道を越えてまた国道に行き着くなと思って進んでおりました。
ところが道は登るにつれてどんどん細くなる。
対向車が来たら大変なことになるなと気にしながら進みますが、対向車どころか人っ子一人通りません。
更に道は細くなる。
危険を感じ始めました。元の場所に戻るにはバックで戻るしかない状況に追い込まれてしまったのです。しかしバックするには距離が長すぎる。
Uターン可能な場所を見つけるまで進むしかありません。
「あった」
もう車が通れないほどに道は狭くなっておりましたが、何とかUターンできそうな場所が見つかりました。
私の運転の腕で可能なのか、車を降りてしばし検証しました。
もし不可能ならば、車を置いて何キロも助けを求めて歩かなければならない。
しかも道の左側は切り立った崖になっているではありませんか。
決心しました。
やるっきゃない。
何度も何度も慎重にハンドルを切りなおしながら、やっとの思いで90度車の方向を変えました。
あと少しというときに、「ズルッ」と右の後輪が崖に向かって落ち込んでしまいました。ブレーキを思い切り踏んでいました。
このまま崖を車と転がり落ちて遥か下の岩場に打ち付けられて死ぬのかと思いました。
恐怖で頭はパニクッており真っ白です。
何とかそのまま止まってくれました。
しばし茫然としてサイドブレーキも思い切りひいてじっとしておりました。
暫くしてそろそろとドアを開けて降り立ち、とりあえず大きな石を探して前輪の後にかませました。
右側後輪は半分崖からずり落ちています。
暫く座り込んで考え込みました。
日も翳ってきている。なんという心細さ。
絶対に脱出できる確信が得られるまで暫く時間がかかりました。
その車は前輪駆動車でした。従ってずり落ちた後輪を引き上げる馬力はあるだろう。重いエンジンは前部にあるしブレーキが外れてもこれ以上左の後輪も落ちたとしても転がり落ちることは無いだろうと勝手に確信を持ちました。
そして脱出を試みることにしたのです。
ローギアでエンジンをふかしながら、サイドブレーキを徐々に外して無事後輪を引き上げ方向転換できたのです。
2度と味わいたくない死の恐怖の体験でした。
今でもその時の感じを思い出すとゾ~ッとします。
絶体絶命の窮地に陥った時に、独りで決断しなければならないというのもつらいですね。
もし女房が一緒だったら、彼女は即座に助けを求めに麓まで走って行っただろうと思う。