蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

デカルトは間違ってたノダ(進クン) 1

2009年10月16日 | 小説
利根川進博士といえば文化勲章、ノーベル医学賞(87年)受賞者。MIT教授であり理化研センター長を兼務するなど日本人最高の英知の一人とも言える大先生です。しかし本日の基調講演記事(ノーベル賞受賞者を囲むフォーラム21世紀の創造、読売新聞10月16日(09年)朝刊から)を読んで全く驚いた。
何を驚いたかと言うと「「デカルトは間違っている」のだそうだ。こんな大先生が断定するのだから、私も「デカルトは間違っているかもしれない」と訳分からずに同意してしまうけど、どこが間違っているかと読むと「身体と心は別で心はどんな自然科学者が研究してもわからない」とデカルトが言った(そうだ)。しかし最近ではクリック博士(この方もDNA2重螺旋の解析でノーベル賞)の研究成果は「喜び悲しみは脳細胞の働きを表している」に過ぎないと。
だから脳細胞の構造を研究すれば(自然科学者でも)心の働きを解明できるノダ!と先生がのたまったのです。
利根川博士が免疫学から脳構造の解析に移ったのは知らなかったし、どのような論文・成果を上げているのも知らない。ましてクリック先生のDNA以後の業績に全く無頓着なので知らない。だから両博士の成果をどうのと言える立場ではないが、利根川大先生のこの断定には困ってしまった。
なぜなら今HPに上梓している作品が「心と肉体」の2元世界を描いている、心の奥底=霊であり、霊の実体は不可知、しかし人の心の奥に潜む宇宙精神なのだーとまあ宗教みたいな信念で書いているのです。それも3部作1500枚がほぼ校了。
しかし大先生から「そんなありもしない話を書くな、悲しみとは(たとえば海馬あたりの)脳細胞が引きつけると起こるので、そういう描写に変えろ」と一喝されそうだ。
でも今さら方針変更できないしで、初心に戻り霊と肉の2元に至った(私の)経路と心を科学者がいじくり回す危険を次回に。
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