先日予告したイザベラは空を飛んだのHP掲載開始しました。
全体で500枚を越すので、今だに読み直し校正中です、1回で30枚程度にして週に1-2回の掲載であればそれほど負担ではないので、連載を開始しました。12-3回の掲載、6-7週あれば完載できます。こういう計算は何時も上手く行きませんが、よろしくHPにブラウザしてください。
以下は今回分のさわりです。
その夜、北條リサは身体の火照りに悩ませれ、寝付かれず夜半すぎて寝息も整う頃に、現(うつつ)混じりの心地にさまよったのか、奇妙な夢を見た。
=中略=
中世のある日がリサの夢に迷い込んでいるのだ。以前に中世風俗の絵巻物などをどこかでかいま見て、その記憶が夢に再現してきたのだ。きっとその絵巻物には、リサが自分自身に擬せる「少女」が描かれていたのだろう。その少女も街道を一人で歩いていたのだ。
しかしリサがその夢のなかで試みた解釈はこれとは異なる。彼女の夢とは、
「遠い昔の記憶なのです。私はこの光景を見た、この光景の中で生きていた。実際に体験したこの景色、街道、人々を心にしまっていた私がいる。
別の生に生きた私が、その時の思い出と共にここに再生してきた。この夢は私の前世なのです」
人は自身の夢を見る。他者を主人公となす夢を見る人はいない。夢は必ず一人称で睡眠者に語りかける。夢とは自分自身を複刻することである。
「私、街道をとぼとぼと歩くこの少女が夢のヒロインなの。私はこの時代、中世に生きて、何かしらを体験してその思い出を記憶に持った。
だからずいぶんと前だけれど、この景色と人々を目撃している」と確信できた。デジャビューが夢に出現したのだ。
夢の舞台が変わった。少年が目の前にいた。
「イサラ、お前に与えた力をこの生(せい)で使おうとするな。この生で使うとは、儂の力を疑い、御利益と試そうとする疑い心を持つからだ。
疑いとは不信心である、神と仏の御利益を試そうとする。試したら御利益などもう現れない。お前イサナ、信心を持て、そして別の生でお前に与えた力を出すのだ」
少女の名がイサナ、リサの前世の名はイサナだった。イサナは問う、
「聖(ひじり)様、別の生とはいつのことでしょうか。その生で妾(わらわ)はどうのようにして、この生で賜りました力を出せるのですか」
=後略=
全体で30枚になるので全てを掲載できません。全文を読みたい方(時間と勇気が必須ですね)左のブックマークで部族民通信のHPに入って下さい。
全体で500枚を越すので、今だに読み直し校正中です、1回で30枚程度にして週に1-2回の掲載であればそれほど負担ではないので、連載を開始しました。12-3回の掲載、6-7週あれば完載できます。こういう計算は何時も上手く行きませんが、よろしくHPにブラウザしてください。
以下は今回分のさわりです。
その夜、北條リサは身体の火照りに悩ませれ、寝付かれず夜半すぎて寝息も整う頃に、現(うつつ)混じりの心地にさまよったのか、奇妙な夢を見た。
=中略=
中世のある日がリサの夢に迷い込んでいるのだ。以前に中世風俗の絵巻物などをどこかでかいま見て、その記憶が夢に再現してきたのだ。きっとその絵巻物には、リサが自分自身に擬せる「少女」が描かれていたのだろう。その少女も街道を一人で歩いていたのだ。
しかしリサがその夢のなかで試みた解釈はこれとは異なる。彼女の夢とは、
「遠い昔の記憶なのです。私はこの光景を見た、この光景の中で生きていた。実際に体験したこの景色、街道、人々を心にしまっていた私がいる。
別の生に生きた私が、その時の思い出と共にここに再生してきた。この夢は私の前世なのです」
人は自身の夢を見る。他者を主人公となす夢を見る人はいない。夢は必ず一人称で睡眠者に語りかける。夢とは自分自身を複刻することである。
「私、街道をとぼとぼと歩くこの少女が夢のヒロインなの。私はこの時代、中世に生きて、何かしらを体験してその思い出を記憶に持った。
だからずいぶんと前だけれど、この景色と人々を目撃している」と確信できた。デジャビューが夢に出現したのだ。
夢の舞台が変わった。少年が目の前にいた。
「イサラ、お前に与えた力をこの生(せい)で使おうとするな。この生で使うとは、儂の力を疑い、御利益と試そうとする疑い心を持つからだ。
疑いとは不信心である、神と仏の御利益を試そうとする。試したら御利益などもう現れない。お前イサナ、信心を持て、そして別の生でお前に与えた力を出すのだ」
少女の名がイサナ、リサの前世の名はイサナだった。イサナは問う、
「聖(ひじり)様、別の生とはいつのことでしょうか。その生で妾(わらわ)はどうのようにして、この生で賜りました力を出せるのですか」
=後略=
全体で30枚になるので全てを掲載できません。全文を読みたい方(時間と勇気が必須ですね)左のブックマークで部族民通信のHPに入って下さい。