蕃神義雄 部族民通信

レヴィストロース著作悲しき熱帯、神話学4部作を紹介している。

フランス語はやっぱりアクサン 読み切り

2022年02月16日 | 小説
(2022年2月16日)親族の基本構造、アンドレ・ヴェイユの解析の投稿を終えたのが昨年12月。以来、GooBlogには出稿していませんでした。理由は過去作成文章のフランス語引用文節にアクサンを振る作業に取り掛かっていたためです。
部族民蕃神はフランス語原文を引用して、その直訳と意訳を試みるなど、皆様のご批判を仰いでいるのですが、仏文に肝心のアクサンが落ちていた。理由はそれを振る仕掛けを知らなかったからです。昨年(2021年)9月14日に「フランス語キーボードに挑戦」を投稿してなんとかモノにして、以来、過去に作成した文章にアクサンを振り始めました。
そのやり方を;
そもそものフランス語パソコン導入から始めると、Win窓(左下)を右クリック。設定を選び時刻と言語を選び、言語を選び、言語追加をルックダウンしてフランス語(本国)を選んで導入する。元の原稿(ワード)を開いて使用言語をウィンキー+スペースキーでFrançais clavier(フランス語キーボード)を選択する。元原稿は言語を英語にして打ち込んでいるので、アクサン無しの似非フランス語。画面上のリボンからRévision、Rédactionを選択する。誤りが50も100も出てくる。スペルチャックが始めると赤の下線の誤り語を出しては止まって、正解をルックダウンで幾つか提示して選ぶ。これを繰り返す。この時、そもそも打ち込みが英語だったのでAnglais(英語)でチェックが開始する。Anglais にカーソルを当て左クリックして言語メニューをだしFrançaisを選ぶ。Définir par défautの窓を選び、Office を再起動すればフランス語スペルチェックが第一選択になる。
チェックは二通りあって1がスペルの校正(Orthographe)2に文法上のミス(Grammaire)。A(a)には動詞avoirの3人称と場所の前置詞àの可能性があり、チェック側が前置詞であるはずの構文でaを見つけても、スペルチェックでは見落としとなるが、文法で引っかかる。正しいフランス語にした後ホームサイト(www.tribesman.net)の然るべく頁に貼り付け直す。
ホームサイトを開設したのが2019年5月、初稿は悲しき熱帯の紹介。2021年12月まで61の原稿を校正し、貼り付け直した。
またBlogは出稿原稿がBlogサイトに残っているので2019年12月から1原稿づつ開けて手作業で直した(ワードで効くスペルチェックはGooサイトでは無効)。
これで、
例えば;l’idealisme absolu comme a la lois de la pensee et du reel, qui, progressant par negations successives (affirmation ou these, negation ou antithese) resout les contradictions en accedant a des unifications (ou, selon un vocabulaire desuet et peu precis, Synthees)似非フランス語が
l’idéalisme absolu comme à la lois de la pensée et du réel, qui, progressant par négations successives (affirmation ou thèse, négation ou antithèse) résout les contradictions en accédant à des unifications (ou, selon un vocabulaire désuet et peu précis, Synthèses)正しいフランス語に変身します。(引用文はNathan哲学辞典から)
訳;実態を思索するに絶対思弁を用いるとしたら、提題、反提題の否定過程の連続で、統合に昇華する。かつてはそれを止揚なる曖昧な語で表されていた。

このおおよその作業が昨日2月15日に終わりました。

追記:2022年の視点で2019年に書き込んだ原稿を読むとヌケ、見落としが散見される。例えばBororo族(南米マトグロッソ)神話とArapaho 族(北米プレーリー)神話を読み比べると、罪と罰に共通性が見られる。罪とは行為でなく状態、罰とはそれを犯した個人にではなく集合体への災苦として。現代法では罪は個が責を負う、罰は個に覚知させて個に下す。新大陸先住民を南北とも一括にして、彼らの罪と罰の意識は、近代人と比べて大きく異なるようだ、ここに気づいた。
もう一点、


Arapahoのオキャンが月の神に誘拐されて、お煎餅を食わされた。娘いわく「噛み付くわよ~」前歯を丸出し見せつけて「ポロリポロポロ」と齧って、月の神の嫁に貰われた。太陽神が推薦したカエルはお煎餅を「グチャグッチャ」と舐めるだけ、参列の皆から野蛮な食べ方とバカにされた。天上食べ方コンクールで娘が勝利したから、人とカエルの宇宙序列が固定した。
現代のパリで人がカエルを食らう主従関係はArapahoのオキャンが決めてくれた。逆になっていたら(西洋式食事では煎餅沢庵をコリコリ噛み音、ソバでもすすり音を出したら礼儀違反)娘が追い出され、カエルが太陽嫁になっていた。今頃のパリでカエルが人を食らう、こんなおふざけが大手を振ってまかり通るはずだった。


パリでは人がカエル(cuisses de grenouille) を食らう。天上の食事作法はポリポリ音をたてるが上品だったから。


こんな処をぼちぼち出稿します。了

コメント
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