鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

山水人物図鐔 Aizu-Shoami Tsuba

2011-08-30 | 鍔の歴史
山水人物図鐔 (鐔の歴史)


山水人物図鐔 会津正阿弥

 江戸時代中期から後期にかけての会津には、山水図を得意とする正阿弥派の金工が活躍している。過去にも紹介したことのある、牛若丸図鐔、東天紅図鐔、山羊図鐔なども山水を背景としており、会津正阿弥派の特徴を良く示している。
 この鐔も、佇む人物を主題とした山水図で、金家の風合いを手本としていることは明白。遠見の松や水面などの描法は正阿弥派の布目象嵌、芦は赤銅象嵌の手法を採っており、高彫部分も鋤彫少なく、地面の鎚目も穏やかに、金家のような古画を見る風合いではなく、風合いは独特のものがある。82ミリ。