木賊刈図鐔 安親


木賊刈図鐔 安親
謡曲木賊刈に題を得た作品。この図は、安親が好んで描いており、複数の作がある。木賊刈の老父を主題に大きく採った作もあるが、ここでは山水の構成を借り、雲間に出てきた月を眺め、かどわかされた我が子を思う様子を鄙びた風情として彫り描いている。夕闇の迫る頃、月明かりに浮かび上がる木賊と鎌を手に佇む老父。子細に観察すると、状況描写がすこぶる丁寧で、川の流れ、岩場、遠く闇に沈んでいる山並みなどが的確。この鐔は、農村を題に得ている図柄では際立つ存在感を放っている。


木賊刈図鐔 安親
謡曲木賊刈に題を得た作品。この図は、安親が好んで描いており、複数の作がある。木賊刈の老父を主題に大きく採った作もあるが、ここでは山水の構成を借り、雲間に出てきた月を眺め、かどわかされた我が子を思う様子を鄙びた風情として彫り描いている。夕闇の迫る頃、月明かりに浮かび上がる木賊と鎌を手に佇む老父。子細に観察すると、状況描写がすこぶる丁寧で、川の流れ、岩場、遠く闇に沈んでいる山並みなどが的確。この鐔は、農村を題に得ている図柄では際立つ存在感を放っている。