酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

ハゼの穴釣り?僕らが最初かな

2007-08-16 07:20:56 | 塩竈小学校の頃の話
「穴釣り」と言えば、氷の張った湖沼でワカサギを釣る事ですが、ハゼ釣りにも穴釣りが存在したのです。いえ存在させました。ではどうしてでしょうか。これから先の話です。

「先生、急に腹痛ぐなったのっしゃ」としんどう君が音楽の時間に言い出しました。
「しんどうの奴、上手くやってけっかや?」
「大丈夫だべ。あいづ芝居うめぇからっしゃ」
そうです、彼はちゃんとした?仮病です。今日は、放課後ハゼ釣りに行く約束でしたので、エサ取り当番が必要だったのでした。彼は、じゃんけんで負けたのでした
(その日の朝、じゃんけんで負けた者がエサ調達係りになります。買ったエサでは少ない事が多いので、小遣いじゃたりないから、エサを捕りに行くわけです。エサも採取禁止なのですが、午前中であれば、見つかることはありませんでした。場所は東塩釜より先、陸前浜田までの間の岩場です。潮たまりにゴカイがおりました)
エツジの授業だと、完璧にバレますので。音楽の先生(女性でした)の時間をねらいました。
「それじゃ、しんどう君は保健室へ行ってなさい。授業を続けます」
しんどう君は無事に学校脱出に成功したのでした。
午後3時、観光桟橋待合所前集合です。

酔漢は、自転車に釣竿を括り付けて、少し早く待合所に着きました。しんどう君は先に着いてました。
「エサ、なんじょだった?」
「今日は引き潮の時間にあたったからっしゃ、これだけあっちゃ」
バケツの中には水ゴカイが結構おりました。
「買った分(みんなで割り勘)と合わせっと、今日はエサは多いほうだべ。みなとやで買って来たっちゃ」
こうしているうちにいつものメンバーがそろいました。(「ソ連貨物船が来た」参照下さい)
釣り場は観光桟橋より先の岸壁です。
ハゼ釣りですから、仕掛けに凝るなんて事はいたしません。短めの投げ竿に小型のスピニングリール、道糸は適当(3~4号太めかもしれませんが、根掛りをよくしますのでこのくらいでした)小田原天秤に5~8号のおもり。針は流線(ハゼ針)か丸セイゴ3~5号位を使っておりました。みんな準備が出来たようです。釣りの開始です。9月の半ばですからまだ夕方までは時間が取れる時期ですし、たいがい上げ潮時間にぶつかる時が多かったのでした。一人あたり2時間で15~20尾位の釣果がありました。
酔漢、今日はまだ6尾でした。
「そっちはなんじょだべ?」
「あんまし、よくねぇっちゃ」
「今日、潮、よかったんでねかったっけ?」
「んだってば、あんまし釣れてねぇおん」
「あれっつ、ふみひこは?」
「あいつ、真ん中で何してんだべ?」
「ふみひこぉ、何してんだぁ」
「見ればわかっちゃ、釣りしてんだべ」
「海はこっちだっちゃ。そこ岸壁の真ん中でねぇか」
ぼくらは一旦竿を上げ、ふみひこ君が何かしている所へ行ってみました。
ふみひこ君は、岸壁の空気噴出し穴へ釣竿を垂らしているのでした。
「とうちゃんが『この下は場荒れしてないから、きっと魚がいる』って行ってたのっしゃ」
「ふみひこのとうちゃんって高校の生物の先生だべ、本当の事でねぇかや」
「俺達もやってみっぺ」
みんなで、ハゼの穴釣りが始まりました。気づけば、いいポイントだったのでした
岸壁のへりよりよく釣れました。ただ、穴より小さい魚でないと当然上がりませんし、ハゼも強引に引き上げると穴を通る途中で魚体に傷がつくこともしょっちゅうでした。でも最大の欠点は景色がおもしろくない!ってことでした。
「やっぱしぃ、船とか見ながら釣りした方がおもせぇべや」
「んだな。コンクリート眺めていてもおもせぐねぇっちゃ」
でも、釣れることは事実なのです。
次の釣りのとき、こうき君は短い竿を一本余計に持って来ました。
「こいっちゃ、鈴つけて穴釣り用にすんのっしゃ。ほしたら、魚掛かったらわかっぺっちゃ」
みんなは、なるほどと関心しました。(さすが、学級委員長ぶりです)
で、もっとおもしろいのはしょうじ君でした。
「酔漢、そのジュース早く飲んでけらいん。飲んだらっしゃ、その空き缶、おらいさぁけさいん」
「何しさぁ使うのっしゃ?」
「まぁ見てけらいん」
しょうじ君は仕掛けのセットをその空き缶に巻きつけたのでした。そして岸壁の空気穴に仕掛けを垂らしたのでした。
「この前、こうやってた人いたのっしゃ。まんず頭いいちゃなや」
「俺、初めて見た」
「俺もっしゃ」
みんな、しょうじ君の方に集まりました。こうき君も自分の竿をそのままにしたまましょうじ君の方に来ました。
「空き缶が倒れる(音がデカイ)と魚が掛かったのが分かるわけだっちゃ」
これ、はやりました。
ぼくらは、船を眺めながら釣竿を岸壁の渕に垂らしながら、岸壁の真ん中に空き缶の「穴釣りわな用空き缶」を置いていたのでした。(自分のマークを入れておかないと分からなくなります。こうき君は音も違えて聞こえるように、少し砂を入れていたりしました)
カアァァーーンと空き缶が倒れると、みんな自分のかなと振り返ります。自分のだと分かると、釣竿を置いて、空き缶のところまで走るわけです。
これ、有効な手段です。釣ったハゼは、てんぷらがおいしいですが、仙台の雑煮は「ハゼのだし」だもんね、それにはらこを載せていただきます。話はそれますが、雑煮に具材を外に出して霜らせるのがコツだそうです。大根の甘みが増すのだそうです(酔漢のお袋談)
この漁法?ですが、何度かテレビのニュースとして取上げられ、それからは、空き缶だけでハゼ釣りをする人も現れました。
僕らが初めてとは行きませんでしたが、秋の声が聞こえる頃、ハゼ釣りをして遊んだ事が思い出されます。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« コマーシャルタイムって?(... | トップ | かなり ほらーな話 大学の頃 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

塩竈小学校の頃の話」カテゴリの最新記事