酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

仙台与太郎物語 江戸川嵐宝 先輩

2011-06-21 10:14:31 | 落語の話?

落語の話を久しぶりに語ります。
私の二つ上の先輩方には、仙台学生落語会において、伝説となられるべき方々が多く存在しておりました。
私を落研に誘ってくれましたのは、中学校、高校時代の先輩「鯉乃弥舞」(こいのやまい)さんです。
この人、めったに高座にはあがりませんでしたが、一度上がったら最後。爆笑の渦に会場を包む、何とも不思議な魅力を持った方でした。
そういえば、全身ミックジャガー?的なところがありまして、学院大学落研の中では空気抵抗値は一番少ない人だったのかと、今でも信じております。

この「弥舞さん」と同級生には「山ちゃん」こと「山寺宏一さん」がおられまして、その飄々とした風体からは想像も付かない、噺振りだったわけです。
以前「くだまき」にもご紹介しております。
仙台与太郎物語 真打登場」です。
酔漢にとりまして「オッハーの山ちゃん」「声優の山ちゃん」よりは「文好さん」なのでした。
酔漢の高座名が「新海亭あん好」だったので、「文好さん」「あん好さん」(先輩は他校の後輩にはさんをつけておられました)と呼んで、呼ばれての間でございました。
尤も、酔漢が「酔漢」であることと、酔漢の本名などは知る由もない「山寺先輩」です。

話しが長くなって申し訳ありません。
実はこの学年、(弥舞さん、文好さんたちの学年)学院大学四天王と勝手に僕らがつけた先輩がおられるのです。
弥舞さん、文好さんはもちろんご紹介いたしましたが、他の二人はと申しますと。
「判亭勝利」(はんていしょうり)さん。(学院大学落研渉外部長でございました)そしてもう一人は「江戸川嵐宝」(えどがわらんぽう)さん。です。

学院大学落研の部室に何度かお邪魔したことがございます。
渉外部長「勝利さん」と一緒のときが多かったのですが、一年生は部室の椅子に座ることを許されておりませんでした。
当時、後の部長となられる「琴舎豊作」さん。「快亭視現」さん。仙台落語会のマドンナ的存在「織苑亭しおん」さんも立ったままミーティングを行うわけです。
そんな中、一人の先輩が座っておられました。個性豊かな学院大学落研の中にあって、少し体型的にまるい感じのふつうの学生でした。
ですが、暖かく、酔漢を迎えてくれました。
「江戸川嵐宝です。よろしく」と。

嵐宝先輩の真骨頂はなんといっても「与太郎!」
弥舞先輩は「あん好な!嵐宝は決して上手くない!(と、はっきり言うなぁぁ)だけど、高座に上がれば、その与太郎は人を笑わせることが出来る。なんでか分かるか?」
「弥舞先輩、何っしゃ?」
「そうだなぁ、お前に決定的に足りないものを嵐宝は持っているということさ」
「その答えって・・・・」
「四の五を言わず、高座を見ることだ」

そうなのです。決してテクニックがある先輩ではなかったけれど、嵐宝先輩の高座は、何とも会場を包み込む雰囲気が違っていたのです。

「あん好、分かったか?」
「・・・・・」
「笑わせようと思ったら、あんな噺は出来ないんだ。自分を素直に出すことも一つの武器になる。まぁそれが個性というものなんだけどな・・・」

それ以来、嵐宝先輩へは何度か、お話をさせていただきました。
先輩はいつも「俺のなんか見てたってしょうがないんだ。もっと上手い奴なんかいっぱいいるんだから」
とニコニコしながら話しておられました。

あの笑顔は忘れはしません。

その嵐宝さんは、今はいません。
酔漢も全く知りませんでした。
学院大学落研のOBでもなく、連絡もないことは当たり前なのかもしれませんが、もうお亡くなりになられて二十年も経っていたなんて想像もしておりませんでした。
「文好さん」(山寺宏一さん)のトークを、拝読して知った次第です。
山寺さんのお気持ちが十分すぎるほど伝わるメッセージです。
以下、リンクしてみてください。
">郵貯銀行 絆ストーリー 声優 山寺宏一さん
部長の「文好さん」(山寺さん)がいて、受付あたりで嵐宝さんのお姿を拝見いたしますと、安心して「日立ファミリーセンター」へ入りたくなるのでした。
山寺さんの姿を見ますと、一年生の僕らは(尤も、学年より年齢は近かったのですが)緊張するのですが、嵐宝さんを見るとホッとするのも、本音なのでした。

「くだまき」の中で、「落語の話し」を語りました。
何故あのとき、嵐宝先輩の事を思い出せなかったのか。

嵐宝先輩。遅くなりまして申し訳ございませんでした。
「落語の話」でトップバッターは「文好先輩」でした。
「大取り」は「江戸川嵐宝先輩」です。

あのとき、いただきました、ご指導、並びにご鞭撻。感謝いたしております。
先輩の高座の姿を覚えている者の一人として、再び先輩の事をご紹介したくなりました。

嵐宝先輩のプロフィールは塩竈にございます。
写真は以前公開しました「文好先輩」のもです。
今度並べて公開いたしますね。

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2 コメント

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運命・・ (ひー)
2011-06-23 20:57:32
作家の江戸川乱歩さんの本はかなり読んだ記憶がございます。
さておき、最近同級生が蜘蛛膜下出血で亡くなりました。
危篤を聞いてから数日後でした。
同級生は若いうちに亡くなった方も多くいます。
寿命・・??
運命??
想像や推測が出来ない世界です。
自分がなってもおかしくない年齢ですし気になるところです。
友人達とはお互いに気をつけようと云ってますが、こればかりは・・・・
自分も、再度家を建てる予定です。定年までに何とか支払いを終わらせ、老後を楽しみたいと考えては居ますがね。
しばらく贅沢は出来なくなりました。
まぁ、それも張り合いになると思いますが。


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ひー様へ (酔漢です)
2011-06-28 17:32:47
昨年の同窓会の話はいたしましたが、同期でもやはり亡くなった友人が数名おります。
ただ、僕らの学年で亡くなった友人はいずれも、酔漢が知っている人ばかりでした。
これには、少しショックでした。

こんな年になったのですね。
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