下駄を鳴らして奴が来た！つい４日前の話

　仙台市立五橋中学校。当時は１学年10クラス。人数だけは、マンモス校並ですが、校庭は、市内の中学の中でも1.2を争う狭さです。体育館なんて、１学年がようやっと入るだけです。ですから卒業式はお決まりの体育館ではなく、県民会館を使って行っておりました。合唱コンクールも県民会館でした。（因みに家内のおりました八木山中学校では市民会館を使っておったそうです）
　今日の題名「４日前の話」です。ですから、酔漢の通う会社の話です。そういえば、会社での出来事を話すのは初めてですよね。

　11月はじめ。弊社、新聞を賑わすほどの人事異動がありました。酔漢の事業所も例外ではなく、小さな事業所のわりにはその三分の一が他の事業所への移動と退職者が出ました。４日前、ささやかながら送別会を催しました。大きな移動でしたので、酔漢とは別の部門の社員も参加しました。会が終わりに近づいた頃。一人のパート社員が僕の席の方へ移動して来ました。
「そういえば、酔漢さんって宮城なんだって？」
「そうですけど」
「宮城どこ？」
「実家は今塩竈にありますけど。どうして？」
「私、仙台にいたから」
「えっ、しらいさん仙台にいたんですか？仙台どの辺？」
「新幹線が仙台駅に入る頃『タキザワハム』の工場見えない？あのあたりにすんでたんだ」
「もしかして、中学校は。。。。五橋すか？」（その瞬間急に訛った酔漢です）
「そう、もう人は多いは、校庭は狭いは、大変よね」
「じゃあぁしらいさん先輩だっちゃ！」
「酔漢さん五橋？塩竈じゃないの？　あぁ越境組かぁ。いっぱいいたなぁ。私達の学年塩竈けっこういたよね。みんな成績よかったけど」
「成績の話されっと困んだけんどっしゃ。しらいさん、何年卒業っしゃ？」
「いれば昭和43年だけどね」
「いわゆる、五橋最強の頃でねぇすか？」
「わたしはあまり関係なかったな。卒業直前に白石に転校したし」
「何か、部活やってたのすか？」
「合唱部に入りたくて、試験受けたけど落ちた」
「試験あったのすか？俺達の頃はねかったなや」
「入部希望者多かったのと、あの頃全国常連だったからね。酔漢さんの頃にはどうなってたの？」
「全国にはいけなかったのっしゃ。東北大会で秋田南中とかが優勝してたような気がすんだけんど」
「酔漢さん校歌覚えてる？」
「忘れてはいないけど」
「歌ってみようか」
「ここですか？」
「いいんでないかい」
会話が長くなっております。ここまで相当呑んでいる酔漢ではありますが、しらいさんもそうとう呑んでいることには変わりなく、ほとんど酔漢状態（よっぱらい状態）です。
座ったまま（座敷です）二人で軽く打ち合わせです。混声二部のこの校歌ですから
僕が下のパートを受け持つことに。キーは下げて。
「せぇの　　　あーーーー（ラで調音中）」

「何してんだ。そこの席」「なんか二人で歌、歌うって！」「しらいさんと酔漢君？どういう組み合わせなの？」「合唱始めるらしい」「ほんとに？」
幹事が気を効かしてか「では、これからしらいさんと酔漢君による臨時２人の合唱団のよる合唱を始めます」
「みみ栓ある？」「ないない」そんな外野の冗談も飛んでいる最中、始めました。

　そのかみ清水　影清みて
　五つの橋の名も清く
　ここみちのくの　仙台に
　文化の泉　湧きいでし
　我が学び舎のあるところ
　あるところ

お互い覚えていたものです。
ものの見事にハモレました。
声量はしらいさんが、さすがに３年前まで「PTAコーラス」をやってだけあってかなりのものでした。
「きれいな校歌だね」若いスタッフも褒めてくれました。
調子こいた酔漢は「酔漢さんって高校応援団だったんだよね。その中学校の応援歌は？」と言われ、一人でもって「んでやっから」と。

　五つの橋の建つところ
　彼等五橋の健男児
　いだく胸に勝ち鬨の
　血潮は今や高鳴らん

とやってしまいました。

「やっぱり、覚えているもんだね」としらいさん。
「合唱コンクールも半端でねかったおんな。校歌も結構練習したなや」
「合唱部　　入りたかったなぁ」

横浜市内。ほんの小さな同窓会でした。
この日この後、お決まりの二次会、カラオケ。
酔漢は若者ぶって、「アクアタイム」の曲をセレクトしましたが。
見事にはずしました。
「無理だって、酔漢。いつものように『津軽恋女』しときゃいいのに」
口の悪い上司がそう言っておりました。

いろいろ書いておりましたら本日「下駄履きの御仁」が登場していないことに気づきました。この事はもちろん本人にはメールしております。
メールの返信はこうです
「校歌斉唱！　そのかみ清水影さして・・・・（以下３番まで）」ぎっしり書いてありました。