猫写真家君の高校時代の先輩に「まちこさん」という方がおりました。
スラリとした長身で、どことなく、アンニュイな雰囲気も持ち合わせており、「不思議なひとだなやぁ」との第一印象です。
別に、彼女との出会いが事の最初ではないのですが、学生食堂でのある会話が始まりでした。
「酔漢、文化祭って何かやるか?」
「まぁ、落研のカレーショップ(毎年のこと)は毎度のことだし、演劇部は休部(キャンパス内でのパフォーマンスは次の年から)花山ボラスクは後輩がやるっていってっし・・」
「じゃぁさぁ。ラジオステーション!」
「ラジオステーション?何っしゃ?」
会話の主は「ねもと君」
彼は大学一年次のゼミナールで出会いました。
一年生でありながら、「三人の親父達」と渾名をつけられた一人です。(ちなみに、酔漢、ねもと君、まるた君→お酒の話しで登場済み)
「今さぁ、ミニFM局作る準備をしていて、機材も揃った。あとは番組の構成と・・・DJ経験者が必要なんだけど・・お前ならでできそうだなって・・」
「おれすか?まぁできねぇことはねけんど」
「じゃぁ文化祭でデビューということで!」
「ね!ねもと!ちょっと待ってけさいん!」
酔漢の話しを聞くまでもなく彼は第二食堂から足早に去って行きました。
準備会議というものに参加させられまして・・・。
スタッフは7人。
当然ねもと君は主宰。
先にお話しいたしました「まちこさん」もおりまして。
「酔漢君、芝居やるんだよね!『猫写真家』知ってる?」
「猫写真家すか!俺とおんなし塩竈人だべ」
「高校の後輩なんだよね。大学でも心理学では一緒なんだ」
ちょっとまってくれよ。という事は・・・(この人一体何歳なんだ?)という疑問。
本当にきれいな(お顔立ちというよりは・・プロポーションの方が・・・)方でしたので。
やはり女性にお年をお尋ねすることはご遠慮しておいた方が・・。
「じゃぁ。各自持ち寄った番組の提案。提出して!酔漢は?」
「おらいが先すか!まあこいずでやっぺかと・・」
「どれ、見せてもらおうか・・」
と、酔漢のレポートを読んでいる「ねもと君」。
「あれ?お前の事だから、てっきりロックかと思ったら・・ジャズなのか?」
「ジャズって言ってもっしゃ。少し軽めの方で・・・」
「フュージョンか?」
「そのカテゴリーの言い方があんまし好きではねくてっしゃ・・」
「でも、常に、『プログレッシブロック』『ブリィテッシュ』『キングクリムゾン』とか話しているじゃん」
「今回はモントレージャズフェスティバルの話題と『ウェザーリポート』の曲を中心にして・・」
「まぁ、トレーナー(スタッフ用。写真のやつ)もデザインが南の島のイメージだからな。『バードランド』はあってるかもな」
と言うわけで、企画が通りました。
場所は、東北福祉大学第二食堂(当時)脇のフリースペース。
機材を持ち込み、ちょっとしたスタジオが出来上がりました。
当日午前9時から午後6時までの放送。
事前にポスターやらビラだとかは配布。
酔漢の番です。
「みなさぁん。コンニチハ!こちらはレディオステーション『UP&UP』(アップ!アップ!)仙台は北山。福祉大キャンパスから78.8メガヘルツで放送中です。今お話ししております私。この番組のアンカーマン『あん好』です」
落語の高座名をそのまま使いました。
「さて、海の向こうアメリカでは今や世界最大のジャズフェスとされてます『モントレージャズフェスティバル』が開催されておりますが、昨年のこのフェスで、信じられないようなコラボレーションがありましたぁぁぁ!もう、これはしんじられなぁぁぁぃぃ!と言いますか、絶対にありえないロケーションです。それは一体なんだったのか。まずはこの曲から始めます。ウエェザーリポート。天才『ジャコパストリアス』!脅威の管理人キーボード奏者『ジョー・ザビヌル』!あんな指使いがどうしてできるんだ人間業ではないゾ!ギター『ジョン・マクラフリン』!。サックスの異才『ウェイン・ショーター』!理屈なんて飛んでしまぇぇぇって!ええぃ!いけぇぇ『バードランド』だぁ!」
Weather Report - Birdland
これはおそらく、初期のウエザー・リポート。ジャコ・パストリアスのアップが多い映像です。彼の指使いがこれだけ映し出されているのは大変珍しいとも思います。
「酔漢、落語の乗りとは全く違う!別人だぁぁ」
と金魚鉢からねもと君の声が聞こえてきます。
「あんな事できたのかぁ・・・」とはまちこさん。
そうなんです。自分で言うのも何なんですが、「こげな自分もあったのすか?」というのが本音でした。
曲が終わって再び。
「実はですね。このウェザーのバードランドが終わった後、観客(10万人)が総立ちになりまして、アンコールが沸き起こったんですね!ところがウェザーのメンバーは、アンコールをなかなか始めなかったわけです。観客からはブーイングの嵐。ようやくやっとアンコールの準備が来上がったようで、ザビヌルからサインが出されましてですねぇ。イントロが開始。それがな・なぁーーんと再び『バードランド』。『おーーい、一回聴いたやつをまたやんのかよぉぉぉ』との声・こえ!ですが!ですがですよ!舞台の袖から登場したのが『マンハッタン・トランスファー』だったからもうこれはスゴイ!いいですか。ウェザーの演奏でマントラが歌う!こんな!こんな!コラボレーションがあっていいのかよぉぉぉぉ!というわけで、この番組。再び『バードランド』おいおい『また同じだってぇぇ』何をおっしゃいますか!マンハッタン・トランスファーだい!聞きやがれ!」
Manhattan Transfer with Weather Report - "Birdland"
本文で語ってます1982年モントレーの映像です。マントラのメンバー登場の場面からです。
「いあやぁ、スゴイ!ぶっつけ本番!リファーサル一切なし。よく最後一発で終われたもんだ!でもなぁ。このとき『ジャコパス』がいないのは残念でしょうがない!なんてったってリズム楽器のベースをメロディー楽器に仕上げて演奏したんだから。天才だよなぁぁ。左手の指だけで弦をはじいてメロディーにしちまうんだぜ!ああジャコパス君は今どこにいるんだぁぁ」
「酔漢って・・・あんな過激な奴だったか?」
「別人・・・って?」
「芝居の時って、いつもしかめっ面してるよ?」
再び金魚鉢から声が聞こえます。
くだまきにしては珍しく「You Tubu」からのご紹介。
これがその場面です。
お聞き、もとい見て頂ければお分かりかと思いますが、「ティム・ハウザー」が「ザビヌル」とサインを交わしながら演奏しているのが解ります。
「おい!このアドリブ何回やるんだ?」
「あと3回ってとこさ!」
こんな感じです。
さて、このミニFM局ですが、すぐに解散。
ですが、一瞬でしたが、楽しい時間を過ごしました。
聞こえた範囲?殆ど大学キャンパス周辺でした。
「聴いて奴いた?」
これは・・と言いますと「いなかった」のが結論。
塩釜ジャスコがあったとき、買い物に行きまして・・。
「あたらしい洗剤ですよぉぉぉ」と聞きなれた声。
「あれ?まちこさん?」
「酔漢君?」
「何してんのすか?」
「洗剤売ってる!見ての通り」
「マネキンすか!」
「そうだよ。そうそうUP!UP!面白かった・・酔漢君過激だったよね」
「覚えてんのすか?おしょすいごだぁぁ」
ジャスコの売り場で二人して笑い転げておりました。
「『問答無用!理屈抜き!これだぁぁ!聞きやがれぇぇぇ』って名セリフ?」
と、最後の彼女の言葉でした。
仙台電力ホール。
「マンハッタン・トランスファー仙台公演」
オープニングがこの「バードランド」でした。
最初から立ちっぱなしの酔漢でした。
スラリとした長身で、どことなく、アンニュイな雰囲気も持ち合わせており、「不思議なひとだなやぁ」との第一印象です。
別に、彼女との出会いが事の最初ではないのですが、学生食堂でのある会話が始まりでした。
「酔漢、文化祭って何かやるか?」
「まぁ、落研のカレーショップ(毎年のこと)は毎度のことだし、演劇部は休部(キャンパス内でのパフォーマンスは次の年から)花山ボラスクは後輩がやるっていってっし・・」
「じゃぁさぁ。ラジオステーション!」
「ラジオステーション?何っしゃ?」
会話の主は「ねもと君」
彼は大学一年次のゼミナールで出会いました。
一年生でありながら、「三人の親父達」と渾名をつけられた一人です。(ちなみに、酔漢、ねもと君、まるた君→お酒の話しで登場済み)
「今さぁ、ミニFM局作る準備をしていて、機材も揃った。あとは番組の構成と・・・DJ経験者が必要なんだけど・・お前ならでできそうだなって・・」
「おれすか?まぁできねぇことはねけんど」
「じゃぁ文化祭でデビューということで!」
「ね!ねもと!ちょっと待ってけさいん!」
酔漢の話しを聞くまでもなく彼は第二食堂から足早に去って行きました。
準備会議というものに参加させられまして・・・。
スタッフは7人。
当然ねもと君は主宰。
先にお話しいたしました「まちこさん」もおりまして。
「酔漢君、芝居やるんだよね!『猫写真家』知ってる?」
「猫写真家すか!俺とおんなし塩竈人だべ」
「高校の後輩なんだよね。大学でも心理学では一緒なんだ」
ちょっとまってくれよ。という事は・・・(この人一体何歳なんだ?)という疑問。
本当にきれいな(お顔立ちというよりは・・プロポーションの方が・・・)方でしたので。
やはり女性にお年をお尋ねすることはご遠慮しておいた方が・・。
「じゃぁ。各自持ち寄った番組の提案。提出して!酔漢は?」
「おらいが先すか!まあこいずでやっぺかと・・」
「どれ、見せてもらおうか・・」
と、酔漢のレポートを読んでいる「ねもと君」。
「あれ?お前の事だから、てっきりロックかと思ったら・・ジャズなのか?」
「ジャズって言ってもっしゃ。少し軽めの方で・・・」
「フュージョンか?」
「そのカテゴリーの言い方があんまし好きではねくてっしゃ・・」
「でも、常に、『プログレッシブロック』『ブリィテッシュ』『キングクリムゾン』とか話しているじゃん」
「今回はモントレージャズフェスティバルの話題と『ウェザーリポート』の曲を中心にして・・」
「まぁ、トレーナー(スタッフ用。写真のやつ)もデザインが南の島のイメージだからな。『バードランド』はあってるかもな」
と言うわけで、企画が通りました。
場所は、東北福祉大学第二食堂(当時)脇のフリースペース。
機材を持ち込み、ちょっとしたスタジオが出来上がりました。
当日午前9時から午後6時までの放送。
事前にポスターやらビラだとかは配布。
酔漢の番です。
「みなさぁん。コンニチハ!こちらはレディオステーション『UP&UP』(アップ!アップ!)仙台は北山。福祉大キャンパスから78.8メガヘルツで放送中です。今お話ししております私。この番組のアンカーマン『あん好』です」
落語の高座名をそのまま使いました。
「さて、海の向こうアメリカでは今や世界最大のジャズフェスとされてます『モントレージャズフェスティバル』が開催されておりますが、昨年のこのフェスで、信じられないようなコラボレーションがありましたぁぁぁ!もう、これはしんじられなぁぁぁぃぃ!と言いますか、絶対にありえないロケーションです。それは一体なんだったのか。まずはこの曲から始めます。ウエェザーリポート。天才『ジャコパストリアス』!脅威の管理人キーボード奏者『ジョー・ザビヌル』!あんな指使いがどうしてできるんだ人間業ではないゾ!ギター『ジョン・マクラフリン』!。サックスの異才『ウェイン・ショーター』!理屈なんて飛んでしまぇぇぇって!ええぃ!いけぇぇ『バードランド』だぁ!」
Weather Report - Birdland
これはおそらく、初期のウエザー・リポート。ジャコ・パストリアスのアップが多い映像です。彼の指使いがこれだけ映し出されているのは大変珍しいとも思います。
「酔漢、落語の乗りとは全く違う!別人だぁぁ」
と金魚鉢からねもと君の声が聞こえてきます。
「あんな事できたのかぁ・・・」とはまちこさん。
そうなんです。自分で言うのも何なんですが、「こげな自分もあったのすか?」というのが本音でした。
曲が終わって再び。
「実はですね。このウェザーのバードランドが終わった後、観客(10万人)が総立ちになりまして、アンコールが沸き起こったんですね!ところがウェザーのメンバーは、アンコールをなかなか始めなかったわけです。観客からはブーイングの嵐。ようやくやっとアンコールの準備が来上がったようで、ザビヌルからサインが出されましてですねぇ。イントロが開始。それがな・なぁーーんと再び『バードランド』。『おーーい、一回聴いたやつをまたやんのかよぉぉぉ』との声・こえ!ですが!ですがですよ!舞台の袖から登場したのが『マンハッタン・トランスファー』だったからもうこれはスゴイ!いいですか。ウェザーの演奏でマントラが歌う!こんな!こんな!コラボレーションがあっていいのかよぉぉぉぉ!というわけで、この番組。再び『バードランド』おいおい『また同じだってぇぇ』何をおっしゃいますか!マンハッタン・トランスファーだい!聞きやがれ!」
Manhattan Transfer with Weather Report - "Birdland"
本文で語ってます1982年モントレーの映像です。マントラのメンバー登場の場面からです。
「いあやぁ、スゴイ!ぶっつけ本番!リファーサル一切なし。よく最後一発で終われたもんだ!でもなぁ。このとき『ジャコパス』がいないのは残念でしょうがない!なんてったってリズム楽器のベースをメロディー楽器に仕上げて演奏したんだから。天才だよなぁぁ。左手の指だけで弦をはじいてメロディーにしちまうんだぜ!ああジャコパス君は今どこにいるんだぁぁ」
「酔漢って・・・あんな過激な奴だったか?」
「別人・・・って?」
「芝居の時って、いつもしかめっ面してるよ?」
再び金魚鉢から声が聞こえます。
くだまきにしては珍しく「You Tubu」からのご紹介。
これがその場面です。
お聞き、もとい見て頂ければお分かりかと思いますが、「ティム・ハウザー」が「ザビヌル」とサインを交わしながら演奏しているのが解ります。
「おい!このアドリブ何回やるんだ?」
「あと3回ってとこさ!」
こんな感じです。
さて、このミニFM局ですが、すぐに解散。
ですが、一瞬でしたが、楽しい時間を過ごしました。
聞こえた範囲?殆ど大学キャンパス周辺でした。
「聴いて奴いた?」
これは・・と言いますと「いなかった」のが結論。
塩釜ジャスコがあったとき、買い物に行きまして・・。
「あたらしい洗剤ですよぉぉぉ」と聞きなれた声。
「あれ?まちこさん?」
「酔漢君?」
「何してんのすか?」
「洗剤売ってる!見ての通り」
「マネキンすか!」
「そうだよ。そうそうUP!UP!面白かった・・酔漢君過激だったよね」
「覚えてんのすか?おしょすいごだぁぁ」
ジャスコの売り場で二人して笑い転げておりました。
「『問答無用!理屈抜き!これだぁぁ!聞きやがれぇぇぇ』って名セリフ?」
と、最後の彼女の言葉でした。
仙台電力ホール。
「マンハッタン・トランスファー仙台公演」
オープニングがこの「バードランド」でした。
最初から立ちっぱなしの酔漢でした。
「猫写真家」を今度「歩くプレイガイド」と変更しようかなぁぁ。
君がチケットを一生懸命売ってくれたおかげなんだね。ロコちゃん、みずま君の売り上げ成績は知ってましたが、水面下での君の努力が報われた公演だったのかと、感謝です。DJは、文化祭前後1か月位でした。楽しい時間を過ごしました。君と同じ、「良い大学に通い、良い仲間達に恵まれて幸せだった」と思います。基礎ゼミの江尻先生が今教授で、先生とは、まだ連絡を取り合っているんですよ。講師として大学に誘ってくれたのは青柳先生ですし。素晴らしい師にも恵まれました。
携帯です。 携帯にはスマホも含めラジオが聞ける機種もあります。
若しくは、YouTubeにも携帯の画像をすぐにUPできます。
使いようによっては色々な可能性がありますね。
FM曲は設備さへあれば誰でも申請できますよね。
その当時にしては画期的なアイディアですね。
楽しめましたが、実際聞いていた人がいたかどうかは定かではないのです。
ですから、「どうせ聞いてやしないんだから」との安心感から、あんな過激な?言葉が出るわけです。
今の方が情報を発信しやすいですよね。
本文中の「マンハッタン・トランスファーとウェザーリポートのコラボ」ですが、ジャズ雑誌での情報しか当時なくて、まして映像があったなんて、最近知ったばかりなのです。
ネットの社会は凄いです。
感心ばかりもしておられませんが・・。
二十五年経って初めて見た映像でした。