酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

樽の話

2008-05-16 04:14:43 | スコッチウィスキーの話
昨年、野球の話を結構いたしておりました。仙台は、「ロッテオリオンズ」のフランチャイズでございましたので、酔漢も「ロッテ」ファンでした。以前、当時の背番号15「近藤重雄」さんのお話をしましたが、その近藤さんをして「スゴイ!」と言わしめた投手が「木樽正明」投手でした。優勝時のロッテエースでした。ご活躍ぶりは、今の「ダルビッシュ」君に匹敵すると思います。
「まてよ!『樽』に『ダル』だべ!」
名投手には「タルが付く!」と気づいた酔漢でした。
(また、友達を失ってしまった・・・・)

その「樽」でございますが、ウィスキーが「樽」に入っていることは、皆さんよくご存知のことと思います。先だって、六花様のブログで、六花様がお出かけになりました「ニッカ宮城峡」のご紹介写真が掲載されておりますが、(当ブログのご紹介ありがとうございました)所々で「樽」が見受けられます。
蒸留所にとりまして、「樽」と「ポットスチル」はその象徴とも言うべき道具なのです。
ここで簡単に、ウィスキー製造過程をお話しましょう。
モルトを作る→(大麦を発酵させる過程)→麦ジュース状態から発酵させる→蒸留(これがウィスキー独特の製法。ワインやビールとの決定的な違い)→熟成(加水され樽詰めに、そして長い眠りにつきます)
本当に簡単にお話いたしました。その、それぞれの過程において、複雑なストーリーが多々ございます。ついでに、と言っては、何ですが、いわゆる「シングルモルト」とは「一つの蒸留所で作られたモルトウィスキー」のことです。一つの樽だけに限定されたものは「シングル・カスク」または「シングル・バレル」と呼ばれております。
この熟成過程で使われます「樽」ですが、まぁ、「結構いい加減」な偶然とか、「計算されつくした味」とかを作り出す、まさしく「神の手」的な職人なのです。
「トリスウィスキー」といえば、あのマンガのキャラ「アンクルトリス」
その誕生のきっかけはと申しますと・・
サントリーの「鳥井信治朗」氏が、古いワイン樽に入っておった、リキュールをさりげに飲みましたところ。「旨い!」となったわけです。
(「こいつを売れば!」との発想がまたすごい)
ですから「トリス」は「だれかが、適当にあいてる樽に入れたリキュール」が原点なのでした。
「トリスを飲んでもハワイには行けなかった、我が親父様でした・」

樽の基本は「ホワイトオーク」。新品の場合と再利用の場合があります。ですが「スコッチ」「アイリッシュ」は、新樽は使いません。全て再利用です。(ですから、計算づくされた『いい加減』が産まれます・・でもこれが魅力!)以前「グレンモーレンジ」を紹介しました。その特徴として「熟成樽にケンタッキー産バーボン樽を使用している」とお話しましたが、熟成樽へのこだわりが強く見られます。
他にも「シェリー酒樽」「マデイラ酒樽」「ポルトワイン樽」などいろいろあります。もし、ウィスキーのラベル表示に「・・・Wood」とありましたら、使われた「熟成樽」の表記です。
そして、その大きさ。
ガソリン価格のニュースに「1バレルあたり・・」とありますが、これ「樽の大きさ」です。「樽の大きさ」を表した単位です。少し整理いたしますと
大きさ順で
「バレル」→直径約65cm 長さ約86cm 容量約180L
「ボックスヘッド」→直径約72cm 長さ約82cm 容量230L
「パンチョン」→直径約96cm 長さ約107cm 容量480L
「シェリーバット」→直径約89cm 長さ約128cm 容量480L
です。お酒の方が「ガソリン」より出来たのは先ですから、おそらく、酒樽に入れておったのでしょう。お酒の単位とガソリンの単位が同じというのも、面白いですよね。
蒸留したては「透明」でありアルコール度数も80度を越えます。それに水を加えて熟成に適した度数に調整し、長い年月をかけて眠らせる。
「天使の分け前」なるCMがございました。「ホワイトオーク」(樽の材料はこの木しか使われません)が呼吸をしながら中のウィスキーを少しづつ呑んでる?科学で証明される以前の知恵が、まろやかなおいしいさを、まさしく「醸し出す」のでした。
今日は、話が長くなりました。さて、お薦めです。
「ストラスアイラ」です。名前に「アイラ」と付いてはございますが、「アイラモルト」ではなく、列記とした「スペイサイドモルト」です。このお酒の話、少しホラーです。
スペイサイドで最も古い蒸留所「ストラスアイラ」。仕込み水は「ブルームヒル池」から引いております。なんでも、この池には、人を惑わす妖精がいるらしく、池に近づいた旅人を池の中に引きずり込むのだとか。これが「ストラスアイラ」の旨さの秘密なのだそう。(わぁーこえぇ)
「シーバスリーガル」に使われます。
「シーバス」を飲みますと、「ストラスアイラ」が香るのが解ります。(それだけメインに使われています)12年以上のものしか出されておりません。
フルーティーさが強調される味わいです。この手のお酒は、ハードボイルド的ではなくて、リラックスタイムにいいよ。そして、女性にも。そうそう「チョコレート」と一緒なんていうのもいいかもね。
でも、その隠し味の秘密を知ってしまいますと。    キャー  

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7 コメント

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六花様 (ひげ親爺)
2008-05-27 20:40:07
ありがとう、体験塾があるとは知りませんでした。
10年後どうなっているのかわかりませんが(10年後のウィスキーの味ではなく、自分の身体が?)、是非参加したいです。
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六花様へコメント御礼 (酔漢です)
2008-05-22 22:12:07
「いろんな企画」があるんですねぇ。
「マイウィスキー塾」
これに参加すれば、「バレル樽で遊べる!」わけですね!
うーーん、どうやって時間を取りましょう?
10年熟成。これで、ホワイトオークの出所がわかるわけです。そして、樽の出所も・・。
「待ってろ!宮城峡!  真実はひとつ!」
(コナンの見すぎだっちゃ)
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ひげ親爺様コメント御礼です (酔漢です)
2008-05-22 22:07:58
実は酔漢も製樽の場所を見ることは出来ませんでした
「宮城峡シングルモルト」の香りは、(おそらくニッカはそうでしょうが)新樽ではないのであろうと考えておりますが。実際はどうでしょうか。
「グレーン」(これは、お呑みになられているのですよね)と、共に、酔漢が「宮城峡」で知りたかったものでした。
ひげ親爺様同様、「見学コースではない」と、断られました。
やはり23年前のお話です。
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ひげ親爺様 (六花)
2008-05-22 00:42:31
はじめまして。先日初めて行った宮城峡に感動してるウイスキービギナーの私が、ひげ親爺様にお答えするのはお恥ずかしいのですが…
パンプを見ると2日間のマイウイスキー塾というのがあって製樽工場で各自寄せ書きした樽にウイスキーを詰める体験などができるようです(10年後プレゼント)ですので製樽工場はあるみたいです。ご存知だったらすみません…!
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芝楽です (ひげ親爺)
2008-05-20 21:13:40
宮城峡では今でも樽を造っているのでしょうか?去年11月に行ったとき確認し損ねました。以前、製樽の場所を見学したいとニッカの営業にお願いして見たけど、見学コースに入ってないので駄目です、と言うことでした。(20年位前の話です)
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六花様へコメント御礼 (酔漢です)
2008-05-20 20:36:54
酔漢のグラスを紹介いたします。
以前、三浦征史先生の「切込焼」の器を紹介いたしました。
「オールドファッショングラス」的に使っております
このタイプ。ストレートやロック、水割りまで使えます。グラスの底に3本指を引っ掛ける窪みがあるのがありますが、どちらかと言えば男性的なグラスのイメージがあります。
「ショットグラス」はかわいいのですが、本来ストレート(くだまきではスコットランド同様「ニート」と表現しております)で飲むためのグラスですから、氷をいれますと、少し、飲みにくいかもしれません。
でも、仙台で(確か藤崎で)見ました「カガミクリスタル」は、欲しくなる逸品でした。
グラスを眺めているのもいいですよネ!
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樽と蒸留酒 (六花)
2008-05-20 16:16:14
「ストラスアイラ」ですね。私専用に買ってみようかな♪
でもバレルとは樽からきてるんですね~天使の分け前はロマンティック。工場限定販売のシングルカスクのことも見学で初めて聞きましたが、そこにいくにはまだまだ勉強不足なので…まずグラスを別に買いなおそうかと思ってマス。
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