酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

噂はかねがね・・お目にかかれて光栄です

2008-11-06 18:14:18 | スコッチウィスキーの話
キリンシティーの中です。当然最初はビールを呑んでます。
「こうしてみると、『ブラウマイスター』もなかなかだっちゃ」
「酔漢さんはビールも飲むんですよね?」
「そりゃな。ビールはビールで好きだっちゃ。御社だと『仙台工場』と『横浜工場』この2箇所でビールば呑んでっちゃ。微妙に味が違ってんだおんな」
とビールを飲みながら話しております。
しばらくは「ビール談義」が続いております。
「酔漢さんは『ビールよりウィスキーに詳しいって』前任から聞きました」
「んなことねぇっちゃ。ただ好きなだけだべ」
キリンシーグラムです。シーグラムスコッチシングルモルトと言えば「ストラスアイラ」です。
このお酒のお話をする時に出てきます「ブルームヒル池の妖精」です。
馬の姿をして、旅人を背中に乗せたと思うや否や、池の中に落としてしまう。そんな恐い妖精です。ストラスアイラの隠し味がそれら「旅人の魂」とも言われております。
当然、キリンシティーの中のメニューにございます。
「流石に、ストラスアイラ妖精の話は知っておられましたか」
「この酒見る度に(友人と飲みに行きましてメニューとかにありましたら)この話ばすんのっしゃ。結構うける話だすぺ」
でも、ここではビールばかり呑んでおります。
「当然、シーバスリーガルの核モルトだってことは、ご存知だと思いますが、シーバスの核モルトの中で、大事な原酒がもう一つあるんです。そして今このスペイサイドモルトが大変注目を集めているんですよ」
「シーバスの原酒と言えば『ストラスアイラ』『グレン・キース』『グレン・リベット』が有名だっちゃ。んでも、この3つしか俺もしらねぇなや」
「『ベンリアック』です」
「聞いたことはあんだけんど。シーグラムが手放した蒸留所でねかったすか?」
「オーナーが変わったんです。そして2004年からシングルモルトをかなりデビューさせているんですよ。これ結構旨いんです。スペイサイドでは日本人の口にかなり合う部類でないかなとも思うんですよね。スペイサイドでは気骨のある方、例えば『グレン・ファークラス』や『ザ・グレンリベット』より、飲んだ後、口の中に残る香りは見事です。そしてスペイサイド特有の甘さやフルーティーさもしっかり残しているんです」
「『ロングモーン』は飲んだことあんのすか?あれも強烈な印象を持つ酒だすぺ。
オフィシャルは逸品だっちゃ。あれもスペイサイドを表現しているモルトだと思う最も地元では『ロングモーンのグラントブラザース』として『グレンファークラス』の『グラントブラザース』と区別してっちゃ」
「そうですよね『ロングモーン』は流石にスコッチトップドレッシングモルト(マッカラン・グレンリベットそしてロングモーン)と呼ばれることはありますが。この『ベンリアック』は、最近手に入りやすくなったせいか、ブレイクしそうなんですよ。酔漢さんがノーマークでしたか。ますます紹介したくなりました」

会話が長く続いております。
そうなんです名前を知っていながら「ベンリアック」は、ノーマークでした。
結果、彼は律儀にも「べンリアック12年43度Heredotus Fumosus 」を持って来たのでした。では、この後の話に戻ります。
「こいずが『ベンリアック』すか。ところで『Heredotus Fumosus 』ってなんだすぺ?フィニッシュに使った樽のことすか?」
「そうなんですよ。スモーキーシェリーっていうらしいです。ペドロヒメネス製シェリー酒樽で熟成させているものらしいです。では一杯飲んで見ますか」
場所は、仕事終了後の事務所内(これも仕事?)です。グラスに注ぎます。香がほのかに立ち込めてまいりました。
酔漢ノージング。なんと、甘さの中にスモーキーさが残った上品な香り。
もうそこで降参です。前回「ザ・マッカラン」を語りましたとき、この期待していた香(嘗てはあったのです)がなかったのと逆です。
そして、口に含みました。
フルーティーな甘さはスペイサイドのもの。(シェリー酒樽フィニッシュは、マッカランからの伝統)ですが、スモーキーさも残しつつ、腰の強さも確かにある。あるんだこれが。あるんですよぉ。
「酔漢さん。どうされました?」
「お・おれはいまモーレツに感動しているぅぅ」
大げさではないんです。本当に感動しました。
「ですが、酔漢さん。これだけで驚かないでくださいね。12年には3種類存在するんです。今飲んだ『HEREDOTUS FUMOSUS PEATED MALT』と『IMPORTANTICUS UMOSUS PEATED MALT』(ピートを効かせたことでしょうか。ピーティッドモルトとでも言いましょうか。ボルト古酒樽で熟成させているのでした)そして『ARUMATICUS FUMOSUS PEATED MALT』(ラム古酒樽熟成でしょうか。そしてピーティーッドでもあります)です。私もまだ後の2種類は飲んだことがないんです」
恐るべし。12年熟成に、これほどまでこだわるのか。これも驚きです。
一言です。ベンリアック蒸留所HPには日本語がありません。読みながら、何とか日本語にしております。
ビリーウォーカー氏が、シーグラムから蒸留所を買収したのが2004年。それ以来、もともと原酒としての評価の高かった同酒を、シングルモルトとして生まれ変わらせたのでした。
「灰色に萌えた山」でしょうかゲール語です。

いつものようには語れません。本当に最近の事なので、勉強不足でした。
ですが、今後「シングルカシス」であるとか将来30年物とか出てきそうです。
何にもまして「樽熟樽→フィニッシュに使う熟成樽」をこれほどまで見事にコントロールできる蒸留所ですから。出てくるお酒も想像つきます。

「クラガンモア」「グレン・ファークラス」「ロングモーン」「ザ・マッカラン」
(過去に飲んだ方)これまで酔漢が好きになりましたスペイサイドモルトです。
(これだけではありません。飲んだスペイサイドモルトは全て評価しております。
やはりそれぞれ個性豊かに話かけてくれます)
ですが。
「ベンリアック」です。スペイサイドでなければ出来ないお酒だとも思うのです。
現存する蒸留所で最もスペイサイドらしいモルトではないかと思うのです。

これ程、このお酒を誉めていいのでしょうか。ですが、本当にそう思います。
先ほど、スタンダードモデル「ベンリアック ハート オブ スペイサイド」を買い求めました。一番安い「ベンリアック」です。ですが「スペイサイドの心」と名づけられたこのお酒の自信を計りたくなりました。
そして、これから晩酌を始めます。

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12 コメント

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キリンさんお世話様でした (クロンシュタット)
2008-11-08 06:05:12
前の会社のイベントで、夏休みに親子で食品関連の工場を見学し、遊園地で遊びまくる、というバスツアーがあります。
イベント主催の部署に所属していた時期、私も「添乗」の主力メンバーでした。
役得で、20コースぐらいの中から「添乗」先を優先的に選べるのですが、当然といいますか、キリンビバレッジのビール工場を選択しました。
見学の後は、昼食を兼ねての試飲となるわけですが、むちゃくちゃ気を使っていただきまして、私の席には専用ピッチャーが4~5本並んでいます。
部長さんと工場長さんのお酌攻撃も鋭く、その後のバスの車内の尿意との戦いは、果てしのないものがありました。

その時期の私の直属の上司が、今は社長を勤めておりまして、思わず笑ってしまいます。
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ビール工場 (おばらあつひろ)
2008-11-09 11:21:54
小学校の頃、修学旅行でキリンビールの工場へ行った覚えがあります。
当時、一番搾りが出始めた頃だったと思います。
(無論、未成年なので、呑めるはずもなく…)

やがて成人し、社員旅行で某社(あえて名前は伏せます)のビール工場へ。

…ひたすら呑んでおりました。

今度こそキリン。
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いやいや (ひー)
2008-11-09 17:22:26
この記事読むのに、仕事しながらで2時間もかかりました。それは、いいのですが、片っ端からカタカナの文字の記憶が失って行きます。
脳みそはオーバーヒート起こしてます。あの横文字はゲール語と言うやつですか?
再度、帰ったら読み直しますよ。www
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Unknown (ぐずら)
2008-11-09 23:51:07
スペイ川流域行ってみてぇ~

酔漢さんのスコッチ夜話(勝手にこう呼ばせていただきます。)読んでると、蒸留所に寄りながらスペイ川をボートで下りたくなります。
ああそれに、島巡りもね♪
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仕事続きで・・ (酔漢です )
2008-11-13 17:22:22
クロンシュタット様
大変ご無沙汰でございました。
大森にアサヒの工場がありました時分、よく見学に行きました。
キリンは仙台工場、横浜工場。
当然、サッポロ名取工場と、お話しておりますが、ニッカ宮城峡と・・・「浦霞」と「わしが国」「蔵王」「一ノ蔵」と近所は行ってまいりました。
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水沢の銀河高原 (酔漢です )
2008-11-13 17:25:00
おばらあつひろ様
忘れておりました。水沢にありました「銀河高原ビール」にも出かけておりました。
ここのピルスナーは美味しいと思いました。
銀座9丁目に「銀河高原」の居酒屋がありまして、良く出かけました。
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ゲール語のような英語のような (酔漢です )
2008-11-13 17:28:49
ひー様へ
何とかかんとか翻訳いたしました。
ところが、専門用語がかなりございまして、難儀いたしました。これがドイツ語でしたら、「丹治先生」へお願いするところなのですが。
「ベンリアック」の代理店がどこなのかは調べてみます。ここのところネットで購入しております。気の利いた「スコッチバー」仙台ですと駅前の「K‘Sバー」にはあると思います。
ここは行ったことはないのですが、丹治氏が得意です。調べてみます。
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アイラに是非 (酔漢です )
2008-11-13 17:31:31
ぐずら様
妹がスコットランドへは行っておりますが、何せ学生でしたので、お酒には興味がなかったと申しております。(とは言うもののしっかり外資系ドイツワインの会社におりました)
そうですね。アイラ島へ行って旨い牡蠣を食いながら、アイラモルトを頂きたいです。夢ですけど。行って見たいデスネ!
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銀河高原 (おばらあつひろ)
2008-11-13 23:41:43
アタシも好きです。銀河高原ビール。

あれはカラ酒より、料理とあわせて呑むのがよろしい…と。

肉の類よりは魚。しかも川魚。ゆでた山菜の酢醤油和えとあわせると…問答無用で、おかわり。

地ビールは土地の料理とあわせて、一杯。
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窓際生活は (クロンシュタット)
2008-11-14 06:05:59
皆様、仕事が忙しそうで、ご同情申し上げます。
私は体を壊して転職したため、なるだけハードワークに追い込まれないように、立ち回っています。
要は、確信犯的窓際化みたいな・・・
昇進昇級は、まったくありませんが、なんとか家族の暮らしは、ボチボチやっておれています。
全国の親父たち。無理にでも、「手を抜き」ましょうよ。
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