佐渡島程の広さを持ちます「アイラ島」です。ですから、水や気候など、ほとんどの蒸留所が同じ条件にあると言えます。が、7ケ所の蒸留所(現存しております数)が、それぞれに個性を主張し合い、その個性が「アイラモルト」として世界のウィスキーファンを虜にしているのでした。これも不思議な事なのですが「スペイサイドファン」とか「ハイランドファン」など一部にはおられるのでしょうが、「アイラファン」はもう徹底して「アイラモルトしか呑まない」方が大勢おられます。それだけ、「アイラモルト」が強烈な個性を放っている証拠だと思うのです
「ボウモア」はハッキリいいまして「あまりアイラ臭く」はありません。ボウモアでもってアイラを感じるには、ニートで持って少しばかり水を垂らします。そうする事で表面のアルコールと一緒に香が蒸発します。この香を鼻に入れますと、ほのかにピート臭とわずかな汐の香がいたします。ボウモアは、眠っている「アイラの空気」を呼び覚ます必要があるのです。ですが、これが「ボウモア」のいいところです!
「気の抜けたコーラにヨードチンキを垂らしたような味」再三再四お話いたしております。これは、酔漢の後輩に初めて「ラフロイグ」を飲ませました際の本人の感想です。そしてイギリス人「ジョン・グリ」は「泥炭の香」と話していました。ですが、「ラフロイグ」ほど「アイラ」を真摯に表現しているお酒はないと感じております。
「広大な入り江の美しい窪地」ゲール語では、こう訳されています。
ドナルド・ジョンストンさんとアレックス・ジョンストンさん。二人の兄弟がアイラ島に渡りましたのが1811年。
やはり、課税を免れての本国離れでした。
「あんちゃん蒸留所さぁ作ぺし」
「んだ、やっぱし、もう一編作っちゃ」
(何故か、蒸留所の起源をたどりますと兄弟に行き着く場合が多いのです。バーボンでも一緒でした)
1815年。現在の位置に蒸留所を建設いたします。
最早、密造全盛の時代に入っております。このラフロイグの前世は密造酒なのでした。ですが、その製法は、伝統に即しております。いい加減な作りではありません
イギリス本土まで、「嵐の中。小船を操って樽を運んだ」との逸話も残っております。(紀伊国屋文左衛門とほぼ同時期。みかん舟かい!)
蒸留所の運営はあらかた順調。(密造で稼いでおられます)
ですがドナルドさんに突然の不幸が訪れます。
1847年。発酵槽の状況を見ていたドナルドさん。誤って発酵槽に転落します。
彼の突然の死。大黒柱を失ったラフロイグ。ブレンディッド原酒(バランタインにもブレンドされております)として、細々とモルト原酒を作っていたのでした。
この頃は当然「シングルモルト」としての販売はされておりません。
このドナルドさん死去から百年の時を経て、ある人物が「ラフロイグ」を根本から変えていくのでした。
「ベッシー・ウィリアムソン女史」その人です。
この女性所長がおりませんでしたら、現在の「ラフロイグ」の名声はございません
現在の蒸留所も彼女の発案。回収工事の陣頭指揮を任されます。
ポットスティルは7基。最初の蒸留はストレートヘッドのもの。これが4基。再留用のランタンヘッドが3基。発芽を促す「フロア」は広くその部屋を用意いたします。「ボウモア」同様。フロアモルティング製法です。(広い床一面にモルトを敷き詰め、発芽させます。時間はかなり掛かりますが、モルト君には非常にやさしい発芽製法です)そして、使用するピート。このお酒の命と言っても過言ではございません。これ自前です。しかも、このピートが超曲者。ヨードの成分が非常に多いのでした。このピートでの乾燥を行います。あまり炎が出ないように、細かいピートの細粉を投げ入れながら、煙を調節しております。
これらのレシピもすでに、「ジョンストン兄弟」から受け継がれてきた製法でした
そして、熟成樽。バーボン樽の一番樽のみ使用します。ターキー熟成後、ラフロイグを熟成させるわけです。
樽のやり取りが面白いでしょ。
仕込み水は「サーネイグ川」のものだけ使用。周辺の山も買い取ります。森林保存を目的として、その水質が変わらないように気を配っております。
すべて「ラフロイグ」の品質にたいするこだわりの現れです。
この仕組みも全て「ベッシーさん」に寄る所が大きいのです。
「ラフロイグのファーストレディー」
女性所長として、酒造りに生涯を捧げたスコッチの偉人の一人だと思います。
「夏子の酒」的な女性です。
チャールズ皇太子。ラフロイグを愛飲しております。彼とラフロイグがどこでどう知り合ったかは、酔漢も知りません。ですが、彼は「シングルモルトはこれしか飲まない」事実がございます。バッキンガム宮殿ですよね。ですから彼は「ザ・ロイヤルハウスホールド」は呑んでいるわけです。
「今日は何を呑もうかなぁぁ」と考えている皇太子の顔は想像できます。
(いいなぁ。パパラッチさえいなければ・・・・)
再び、国分会議室です。
試飲会のアンケート。
「ラフロイグ」をおいしいと思った方は、3割位しかおりません。
中身は?と申しますと。
「イソジンを呑んでるみたい」
「くさい!」
「病院の空気をそのままお酒にしたような味」
「かつおぶしのだしとヨードチンキとをあわせたような匂い」
どうですか?「旨そうだから」って思えます?
ですが、酔漢を含めて3割の人間は「旨い」との感想です。
「ボウモア」もそうなのですが「はっきり『海の味』がするのです」
酔漢、これだけで故郷へ意識が飛びます。(塩竈へ)
「酔漢さん『海鞘』(ほや)食べられます?」
「俺のソウルフードだすぺ。剥いたらそのままいただくっちゃ」
隣におりました、研修参加者です。休憩中に話をしました。三陸を旅したことがあるそうです。
「私はダメでした。夏の陸中に行くと、行った先々で『海鞘』出されるんで、さすがにイヤになりました」
「俺も子供の頃は得意でなかったっちゃ。んだども、ある日突然『海鞘うめぇ』って感じたのっしゃ」
「このお酒、『海鞘』が食べられる人は好きなんじゃないかな」
そうか、どうか解りませんが、「なるほど」そうかもしれません。
「海臭さ」「汐臭さ」が好きな方は、「ラフロイグ」は呑めるかも知れません。
私の場合
「ピート臭さとヨード臭さ」は「スコットランドの土の香」
「汐臭さ」は「スコットランドの海の香」
そして、作り手の気持ちもストレートに頑固に伝わってくる。
万人には決してこびる事のないこのお酒の味は、尊敬に値すると思うのです。
「ラフロイグ15年43度」このお酒は(高いのですが)一度ショットで呑んでみてください。(ボトルを買うには、お味が気に入ってからの方がいいかと存じます)
来年夏。「ラフロイグと海鞘」を是非試してみようと考えています。
(牡蠣には、相性抜群です→ボウモア同様です)
「気の抜けたコーラにヨードチンキ(イソジン)を垂らしたような味」
この個性が「アイラ」なのです。そして、「おいら」の酒なのでした。
「ボウモア」はハッキリいいまして「あまりアイラ臭く」はありません。ボウモアでもってアイラを感じるには、ニートで持って少しばかり水を垂らします。そうする事で表面のアルコールと一緒に香が蒸発します。この香を鼻に入れますと、ほのかにピート臭とわずかな汐の香がいたします。ボウモアは、眠っている「アイラの空気」を呼び覚ます必要があるのです。ですが、これが「ボウモア」のいいところです!
「気の抜けたコーラにヨードチンキを垂らしたような味」再三再四お話いたしております。これは、酔漢の後輩に初めて「ラフロイグ」を飲ませました際の本人の感想です。そしてイギリス人「ジョン・グリ」は「泥炭の香」と話していました。ですが、「ラフロイグ」ほど「アイラ」を真摯に表現しているお酒はないと感じております。
「広大な入り江の美しい窪地」ゲール語では、こう訳されています。
ドナルド・ジョンストンさんとアレックス・ジョンストンさん。二人の兄弟がアイラ島に渡りましたのが1811年。
やはり、課税を免れての本国離れでした。
「あんちゃん蒸留所さぁ作ぺし」
「んだ、やっぱし、もう一編作っちゃ」
(何故か、蒸留所の起源をたどりますと兄弟に行き着く場合が多いのです。バーボンでも一緒でした)
1815年。現在の位置に蒸留所を建設いたします。
最早、密造全盛の時代に入っております。このラフロイグの前世は密造酒なのでした。ですが、その製法は、伝統に即しております。いい加減な作りではありません
イギリス本土まで、「嵐の中。小船を操って樽を運んだ」との逸話も残っております。(紀伊国屋文左衛門とほぼ同時期。みかん舟かい!)
蒸留所の運営はあらかた順調。(密造で稼いでおられます)
ですがドナルドさんに突然の不幸が訪れます。
1847年。発酵槽の状況を見ていたドナルドさん。誤って発酵槽に転落します。
彼の突然の死。大黒柱を失ったラフロイグ。ブレンディッド原酒(バランタインにもブレンドされております)として、細々とモルト原酒を作っていたのでした。
この頃は当然「シングルモルト」としての販売はされておりません。
このドナルドさん死去から百年の時を経て、ある人物が「ラフロイグ」を根本から変えていくのでした。
「ベッシー・ウィリアムソン女史」その人です。
この女性所長がおりませんでしたら、現在の「ラフロイグ」の名声はございません
現在の蒸留所も彼女の発案。回収工事の陣頭指揮を任されます。
ポットスティルは7基。最初の蒸留はストレートヘッドのもの。これが4基。再留用のランタンヘッドが3基。発芽を促す「フロア」は広くその部屋を用意いたします。「ボウモア」同様。フロアモルティング製法です。(広い床一面にモルトを敷き詰め、発芽させます。時間はかなり掛かりますが、モルト君には非常にやさしい発芽製法です)そして、使用するピート。このお酒の命と言っても過言ではございません。これ自前です。しかも、このピートが超曲者。ヨードの成分が非常に多いのでした。このピートでの乾燥を行います。あまり炎が出ないように、細かいピートの細粉を投げ入れながら、煙を調節しております。
これらのレシピもすでに、「ジョンストン兄弟」から受け継がれてきた製法でした
そして、熟成樽。バーボン樽の一番樽のみ使用します。ターキー熟成後、ラフロイグを熟成させるわけです。
樽のやり取りが面白いでしょ。
仕込み水は「サーネイグ川」のものだけ使用。周辺の山も買い取ります。森林保存を目的として、その水質が変わらないように気を配っております。
すべて「ラフロイグ」の品質にたいするこだわりの現れです。
この仕組みも全て「ベッシーさん」に寄る所が大きいのです。
「ラフロイグのファーストレディー」
女性所長として、酒造りに生涯を捧げたスコッチの偉人の一人だと思います。
「夏子の酒」的な女性です。
チャールズ皇太子。ラフロイグを愛飲しております。彼とラフロイグがどこでどう知り合ったかは、酔漢も知りません。ですが、彼は「シングルモルトはこれしか飲まない」事実がございます。バッキンガム宮殿ですよね。ですから彼は「ザ・ロイヤルハウスホールド」は呑んでいるわけです。
「今日は何を呑もうかなぁぁ」と考えている皇太子の顔は想像できます。
(いいなぁ。パパラッチさえいなければ・・・・)
再び、国分会議室です。
試飲会のアンケート。
「ラフロイグ」をおいしいと思った方は、3割位しかおりません。
中身は?と申しますと。
「イソジンを呑んでるみたい」
「くさい!」
「病院の空気をそのままお酒にしたような味」
「かつおぶしのだしとヨードチンキとをあわせたような匂い」
どうですか?「旨そうだから」って思えます?
ですが、酔漢を含めて3割の人間は「旨い」との感想です。
「ボウモア」もそうなのですが「はっきり『海の味』がするのです」
酔漢、これだけで故郷へ意識が飛びます。(塩竈へ)
「酔漢さん『海鞘』(ほや)食べられます?」
「俺のソウルフードだすぺ。剥いたらそのままいただくっちゃ」
隣におりました、研修参加者です。休憩中に話をしました。三陸を旅したことがあるそうです。
「私はダメでした。夏の陸中に行くと、行った先々で『海鞘』出されるんで、さすがにイヤになりました」
「俺も子供の頃は得意でなかったっちゃ。んだども、ある日突然『海鞘うめぇ』って感じたのっしゃ」
「このお酒、『海鞘』が食べられる人は好きなんじゃないかな」
そうか、どうか解りませんが、「なるほど」そうかもしれません。
「海臭さ」「汐臭さ」が好きな方は、「ラフロイグ」は呑めるかも知れません。
私の場合
「ピート臭さとヨード臭さ」は「スコットランドの土の香」
「汐臭さ」は「スコットランドの海の香」
そして、作り手の気持ちもストレートに頑固に伝わってくる。
万人には決してこびる事のないこのお酒の味は、尊敬に値すると思うのです。
「ラフロイグ15年43度」このお酒は(高いのですが)一度ショットで呑んでみてください。(ボトルを買うには、お味が気に入ってからの方がいいかと存じます)
来年夏。「ラフロイグと海鞘」を是非試してみようと考えています。
(牡蠣には、相性抜群です→ボウモア同様です)
「気の抜けたコーラにヨードチンキ(イソジン)を垂らしたような味」
この個性が「アイラ」なのです。そして、「おいら」の酒なのでした。
小学校の頃、毎年5月末になると女川あたりから天然モノを行商に来るオンチャンがいて、この人が持ってくる天然ホヤだけは別格!
今どきの養殖モノとは、まったく別物だったネ♪
ずいぶん前に5~6回程、ホヤを食べに行ったことがあります。
「ホヤさえ食べれればいい」という気持ちでしたので、味のほうは忘れました。
東京のスーパーで、剥き身のパックで売っているホヤは、たまったものではありませんよね。
元は自分で販売していたのですが。
ホヤもナマコも田舎にいたときは見るもおぞましかったのですが、今は、酔漢さんのおかげで禁断症状が・・・
今では、そんな感じで食べます。
養殖場まで船で、捕れたてをその場でナイフで裂いて、海で身を洗い、そのまま口にほおばります。調味料なんて入りません。
「海の香が口の中で広がります」
さて、主題の「アイラモルト」も、やはり
「海の香が口の中で広がります」
同じです。新鮮なほやは、こちらでは食べられませんね。ですが夏には必ず店頭には並びますね。「どんな人が買うんだろう」
買っていった人に聞きたくなったりいたします。
最初から立ち上げました。
時間かかった・・・
次のにコメします。
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時間かかった・・・
次のにコメします。