「酔漢さん、本当のベーコンでもってカリカリベーコンを作って、これで一杯やるのは、酒が旨いですぞ」
酒の話です。
お話されておりますのはもう定年を迎えてひさしい「伊藤ハム元役員」の方でございます。酔漢の従兄弟の細君のお父様。
関西の人ながら、塩竈そして宮城の自然。それと食べ物、お酒(日本酒も)大変気に入っておられました。
低価格のハム・ソーセージを大量に作り、販売しております「伊藤ハム」ではございますが、本物ののハム・ソーセージを作り出すノウハウはしっかり持っているのでした。
「日本人は、ベーコンの脂身が少ないのを選ぶけれども、ベーコンは、脂身が命なんだ。これを旨く生かさないと本当のベーコンじゃぁないんだ」と話しておられます。ちょうど、酔漢が「ハム・ソ-セージ」の担当。勉強をしている時期でした。
カリカリベーコンはベーコンをそのままフライパンで炒めるだけの単純な料理。
ですから、ベーコンの品質の良し悪しがそのまま料理の味となるわけでした。
下手な(安い)ベーコンだと、水分が多く、炒めてもこげるだけで、上手にカリカリには、ならないのでした。
さて、炒める事数分。ベーコンの面積が半分近くにまでなっております。
「出来ましたよ。どうぞ」
これは、これは恐れ多い。当時まだ役員でおらせられます。
「んで、いただくっちゃ」
酔漢、箸で一切れ摘みます。
なるほど、スモークされた脂身の風味が口いっぱいに広がり、歯ごたえも充分。
「酒のつまみに最適だっちゃ」と思わず口にいたしました。
「そうだ、そうだお酒まだでしたよね」
(忘れてました、ご自宅でのお話です)
本人が持ってまいりましたのが「マッカラン」でした。
(スペイサイドの逸品。何故か話題に出ておりませんでした。モルトの「ロールスロイス」と呼ばれております)
このお酒の素性は、別の機会にしっかりお話いたします。
そして、「マッカラン」との出会いも初めてなのでした。
口当たりがまろやかです。シェエリー樽での熟成の成せる技。ですが、複雑な風味を醸し出す、不思議なお酒です。下手なブレンディッドより謎かけの多いお酒です。
「おかずがチーパーだからね、お酒はいいのをと思ってね」
「ベーコンがこんなに旨いと思ったのは、初めてだっちゃ。そして、この酒には合うっちゃ」
「ベーコンはヨーロッパじゃ堕しの様にも使われていてね。ガチガチに乾燥させてスープに使うんだよ」
そして「良質な豚の脂肪を上手に使い切る工夫だよね」とも。
勉強になった一夜でした。
宮城県松山には「伊藤ハムデイリー」という、子会社の工場がございます。
この工場は20年近く前に出来ました。
「水と空気がいいところだから」との事で設立されました工場です。
この会社には、酔漢がここで語りました「元役員さん」の後輩の方が「社長」でおられました。(関東でお仕事をされていた時間の長かった人でしたので、酔漢は直接営業面でお世話になりました)
彼は「宮城は、空気もいい。水もいい。そして厳しいながらも、やさしい気候。食べ物を作るには最高のローケーションがそろっているね」と就任時、話されておりました。
一昨日からの報道を見ております。
「検査結果を一ヶ月放置していた」との記事が掲載され、それに対します批判が数多く寄せられているようです。
「物を作り出すこだわり」を強く持っている会社だと認識しておりましたので、対応のまずさが、やはり弱点ではなかったかと、推察いたします。
「伊藤ハム」の今後の消費者に対する対応を注目しております。
「雪印」の事件は記憶に新しいところです。
「アイスバイン」というドイツの伝統的な骨付きハムを唯一量販していたのが「雪印ハム」でした。「一般家庭にもドイツの家庭料理を」と言う事でした。
見事なできばえです。本場の味にも匹敵するようなハムでした。
それがあの事件で生産が中止になります。
非常に残念でなりません。
「食に対する認識が甘かった結果だと」厳しく受け止めていただきたいと存じます
さて、話はスコッチに戻りましょう。
「密造の時代」は「まがいもの」を多く出しました。ですが、それによりウィスキーの味が進化したのも事実です。
「泥炭の中に隠したらスモーキーで旨くなった」
「山奥に隠れたら水が非常に適していた」
などなど・・・・
ですが、現存する蒸留所は、「密造はしていたが(これは、全ての蒸留所に当てはまる事なのです)まがいものは、作らなかった」ところだけが残っているのです
キャンベルタウンモルトが良い例です。
現存する蒸留所は「スプリングバンク」一箇所だけです。嘗ては30~50もの蒸留所が存在しておりました。
もう一度ここで「くだまき」です。
コスト削減、原料高騰。食品を作り出すには、逆風だらけの環境になりました。
ですが、創業者の志、伝統と言うものを、忘れないで欲しいのです。
日本全部がこういう傾向に向いていないだろうか。
シングルモルトの氏素性を追いかけますと、最後には「真摯に」「まじめに」
酒作りに取り組んでいたところだけが残っているのです。
この事実をもう一度、認識しても良いのではなかろうか。
歴史から学ぶ事はやはりあると思うのです。
ひさびさにくだをまきました。 酔漢 拝
酒の話です。
お話されておりますのはもう定年を迎えてひさしい「伊藤ハム元役員」の方でございます。酔漢の従兄弟の細君のお父様。
関西の人ながら、塩竈そして宮城の自然。それと食べ物、お酒(日本酒も)大変気に入っておられました。
低価格のハム・ソーセージを大量に作り、販売しております「伊藤ハム」ではございますが、本物ののハム・ソーセージを作り出すノウハウはしっかり持っているのでした。
「日本人は、ベーコンの脂身が少ないのを選ぶけれども、ベーコンは、脂身が命なんだ。これを旨く生かさないと本当のベーコンじゃぁないんだ」と話しておられます。ちょうど、酔漢が「ハム・ソ-セージ」の担当。勉強をしている時期でした。
カリカリベーコンはベーコンをそのままフライパンで炒めるだけの単純な料理。
ですから、ベーコンの品質の良し悪しがそのまま料理の味となるわけでした。
下手な(安い)ベーコンだと、水分が多く、炒めてもこげるだけで、上手にカリカリには、ならないのでした。
さて、炒める事数分。ベーコンの面積が半分近くにまでなっております。
「出来ましたよ。どうぞ」
これは、これは恐れ多い。当時まだ役員でおらせられます。
「んで、いただくっちゃ」
酔漢、箸で一切れ摘みます。
なるほど、スモークされた脂身の風味が口いっぱいに広がり、歯ごたえも充分。
「酒のつまみに最適だっちゃ」と思わず口にいたしました。
「そうだ、そうだお酒まだでしたよね」
(忘れてました、ご自宅でのお話です)
本人が持ってまいりましたのが「マッカラン」でした。
(スペイサイドの逸品。何故か話題に出ておりませんでした。モルトの「ロールスロイス」と呼ばれております)
このお酒の素性は、別の機会にしっかりお話いたします。
そして、「マッカラン」との出会いも初めてなのでした。
口当たりがまろやかです。シェエリー樽での熟成の成せる技。ですが、複雑な風味を醸し出す、不思議なお酒です。下手なブレンディッドより謎かけの多いお酒です。
「おかずがチーパーだからね、お酒はいいのをと思ってね」
「ベーコンがこんなに旨いと思ったのは、初めてだっちゃ。そして、この酒には合うっちゃ」
「ベーコンはヨーロッパじゃ堕しの様にも使われていてね。ガチガチに乾燥させてスープに使うんだよ」
そして「良質な豚の脂肪を上手に使い切る工夫だよね」とも。
勉強になった一夜でした。
宮城県松山には「伊藤ハムデイリー」という、子会社の工場がございます。
この工場は20年近く前に出来ました。
「水と空気がいいところだから」との事で設立されました工場です。
この会社には、酔漢がここで語りました「元役員さん」の後輩の方が「社長」でおられました。(関東でお仕事をされていた時間の長かった人でしたので、酔漢は直接営業面でお世話になりました)
彼は「宮城は、空気もいい。水もいい。そして厳しいながらも、やさしい気候。食べ物を作るには最高のローケーションがそろっているね」と就任時、話されておりました。
一昨日からの報道を見ております。
「検査結果を一ヶ月放置していた」との記事が掲載され、それに対します批判が数多く寄せられているようです。
「物を作り出すこだわり」を強く持っている会社だと認識しておりましたので、対応のまずさが、やはり弱点ではなかったかと、推察いたします。
「伊藤ハム」の今後の消費者に対する対応を注目しております。
「雪印」の事件は記憶に新しいところです。
「アイスバイン」というドイツの伝統的な骨付きハムを唯一量販していたのが「雪印ハム」でした。「一般家庭にもドイツの家庭料理を」と言う事でした。
見事なできばえです。本場の味にも匹敵するようなハムでした。
それがあの事件で生産が中止になります。
非常に残念でなりません。
「食に対する認識が甘かった結果だと」厳しく受け止めていただきたいと存じます
さて、話はスコッチに戻りましょう。
「密造の時代」は「まがいもの」を多く出しました。ですが、それによりウィスキーの味が進化したのも事実です。
「泥炭の中に隠したらスモーキーで旨くなった」
「山奥に隠れたら水が非常に適していた」
などなど・・・・
ですが、現存する蒸留所は、「密造はしていたが(これは、全ての蒸留所に当てはまる事なのです)まがいものは、作らなかった」ところだけが残っているのです
キャンベルタウンモルトが良い例です。
現存する蒸留所は「スプリングバンク」一箇所だけです。嘗ては30~50もの蒸留所が存在しておりました。
もう一度ここで「くだまき」です。
コスト削減、原料高騰。食品を作り出すには、逆風だらけの環境になりました。
ですが、創業者の志、伝統と言うものを、忘れないで欲しいのです。
日本全部がこういう傾向に向いていないだろうか。
シングルモルトの氏素性を追いかけますと、最後には「真摯に」「まじめに」
酒作りに取り組んでいたところだけが残っているのです。
この事実をもう一度、認識しても良いのではなかろうか。
歴史から学ぶ事はやはりあると思うのです。
ひさびさにくだをまきました。 酔漢 拝
イメージ戦略で、商品のブランド化が食品にまで及んでおかしくなりましたね。
商品名に中身と関係ない名前が付くようになってから品質管理がなおざりにされてきたんじゃあないでしょうか?
味ではなくネーミングで勝負という風潮が悪いと思います。
例えば、
新鮮さや、産地を名前につけたもの
熟成、おいしい、生、○○仕立て、北海道(牛乳、チーズなど)
マスコミの大衆をあおるような報道や大げさなグルメ番組もどうかと思いますね。
こういうのが産地偽装や消費期限のごまかしにつながってきたんでしょうね。
うちは伊藤ハムのファンで、薄切りハムは伊藤ハムと決めていました。
マスコミがあおり、メーカーも小売業も乗って、消費者も全面支持してしまいました。
食品業界も含め、「安かろう悪かろう」に時代がシフトしてしまいました。
青果売り場が、一時中国産野菜だらけになった時期があります。
その危険性はいろいろと指摘されてはいたのですが、大半の消費者は耳を貸しませんでした。
ほうれん草もキャベツもみーんな100円!
元食品スーパー社員の私には、非常に恐ろしい値段でした。
野菜の顔をした工業品。しかも環境やモラルに配慮しない工場の生産品であることが、価格だけでも推測できます。
まっとうに、酔漢さんの言葉をお借りすれば、「真摯に」「まじめに」生産していたのでは、100円はどだい無理なのです。
でも、繰り返しますが、消費者は全面支持してしまったのです。
日本国内の農業は、これで完璧にやられました。たぶん、取り返しがつかないほどに。
中国のお金持ちのステータスは、車や家ではなく、「畑」だそうです。
自家用の「畑」で安全な野菜を栽培し、それだけを食べる。
申し訳ありませんが、カミさんの実家が農業を続けてもらえる限りは、私のステータスもなかなかです。
なにせ「井の頭公園のゾウの花子のふん」が堆肥なもんで・・・時々発酵して、煙が出てます。
どんな企業でも役所でも、失墜してしまった信用を取り戻すのは、容易な事ではありません。
生産者から末端の販売店もしくは、料亭やレストランまで、我が身を振り返って反省していただきたいものです。
真面目にやってる者が損をするのは、おかしな話しです。
帰ったらベーコン食べようっと!
昨今の食の情報を見聞きし、「こだわり」を捨てていない人が強い時代になるといいな、と感じています。
そしてその「こだわり」を見抜く消費者の目を持ちたいと思っています。
とはいえ、食品に限らず「コスト」の誘惑と戦うフツーの主婦なのです。
おっしゃる通りです。パンメーカーのへんてこな「和風ネーミング」が良い例です。
どこがどこだか解りません。
イメージが先行しているのだと思いますが。
「流行り廃り」の名前が横行している事実です
大学で講義をした際「日本語の全く通じない国へ行き、『コアラノマーチ』をどんな食べ物か中身を見せずに説明する」というシュミレーションを課題にしたことがございます。
水産売場へ参りますと、国内産の水産加工品がまったくないことに気づきます。
一度「中国産しめさば」が問題となりましたが、100%近く外国産です。
お話されておりましたが「野菜」はそうでした。中国産野菜が大量に買い付けられ、各量販ではこぞって「野菜の市」を開催してました。
あの状況を作り出したものは、なんだったのだろうか。今もその傷跡を残したままです。
お選び下さい。脂身がしっかりしているのがベストです。そのままフライパンで炒めてください。味付けも入りません。是非、お試しを。
この手の話題をすることのない、「くだまき」でありたいのですが、仕事柄反応してしまいました。
スーパーで買い物をするときに、産地とかをよくご覧になれば、お解かりいただけるかと存知ますが、「国内産」が少ない事がわかります。
特に「しいたけ」の売場に参りますと、「国産」が、ばか高くて「中国産」が、ばか安いのが解ります。
異常なことだと気づきます。
中国産がわるいのではないんです。きちんと作ってくだされば、なんら問題はないと思うのですが。選択できる目を持っていたいと考えてます。そして、きちんと情報を与えていかないとも思うのです(→仕事柄です)
とにかく安ければそれでいい、色ツヤのいい虫食いの野菜が欲しい・・・
いいものを手間ひまかけて作れば、それなりに高くなる。当然のことです(かといって生産者や流通業者がが暴利を貪っては困りますが)。虫食いのない色ツヤのいい野菜は、確かに見栄えがいいです。でも虫食いがないってことは、農薬を使って虫がつかないようにしてるってことです。たとえばの話が・・・魚にしても肉にしても、加工食品にしても推して知るべしです。
確かに食品生産、流通はシッチャカメッチャカになっています(酔漢さんの御心労、察するに余りあります)。でも業界がそのような行動を取るのは、考えようによっては消費者の需要があるから。消費者がそれを望んでいるから(少なくともある時期までは望んでいたから)ではないでしょうか。
農水大臣が「日本は消費者が口うるさい」と言って問題になりましたが、日本の消費者は「食の安全」ということに関して、もっともっと口うるさくならなくてはいけません。
私、肉も魚も野菜も、ある時期からは多少高くても国内産のものしか買わぬことにしております。とはいえ消費者の立場では「国内産」とレッテルが貼られておれば、それを信じるしかありません。
もっとも「食の偽装」が問題になるだけ、日本はまだまだ健全な部分も残っていると思います。この手の問題が表面化するのは、業界内部にそれを問題だと感じて内部告発する人がいるから。食の偽装が問題にすらならなくなる日が来るかと思うと、寒心に堪えません。
店頭に並んだ品物を、あれこれ考えずに安心して買える・・・そんな日が来ることを願って已みません。