吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

木の吹出ガラリが結露?

2010-08-12 12:55:00 | Weblog
設計していた豪邸の竣工検査が昨日行われた
僕らは金がかかるので呼ばれていない
突然 アトリエの担当者から電話

”外調機の吹き出し口の羽根が結露してるんですが、どうかなりますか?”
 
”えッ なんだって 木のガラリが結露するわけないですよ”

”それが羽根が濡れてるんですよ”

そんなアホな 木のガラリが結露するなら、世の大半の吹出口はアルミなのに それで結露がないのに な~ぜ

で 電話受けながらひらめいた

”ガラリは十分大きいので上から三分の一位をふさいでみて”

今日連絡があった ”確かにそれをしたら止まっているようです、もう少し様子をみてみます”

理屈はこうだ
吹出口の前に大きな箱があるのだが たぶん吹出のダクトがガラリのすぐ直上で開放されている この時点での風速は6m/sくらい ガラリの風速は0.5m/s(静粛を保つため)
であった
ところがガラリの開口が十分大きいために そのダクトの開口風速の6mにつられて前面ガラリの上部で負圧が発生しむしろ吹出口のBOXの中に部屋の空気が逆流していて、部屋の冷房が十分でないときに、湿気を含んだ高温の空気がガラリに接触し冷気と暖気が交錯して結露が発生していたものと断定した。

結果的には やや反省する点は 吹出口の風速を小さくする場合は、接続ダクトの風速もそれに比例して下げておくべきである ということだ

今後、静粛を特に要求される豪邸や音楽ホールなどは気をつけないと 原因不明の騒音や結露に悩まされることになる
さっそく社員を集めて クイズ形式でこの症状の解決法を出してみたが まだまだ デリカシー不足で(当然 古手のおっさんでも気がつかないのが普通) 修業の余地があるかな
コメント
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