吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

EM菌 その②

2010-08-23 20:12:30 | Weblog
先日の続きで
EM菌による転機であるが
実はこのころ我社は市役所の仕事や大きな取引のある相手先を
断ったりしていて(業態の革新もやっていた)この年、仕事が大変少なく
ピンチの年があった。10年ほど前のことである
ある人がうちに電話してきて
”市内の大手といわれる設計事務所が いいとこないかな
と探しているので紹介したいがどうですか?” 
 
”え そりゃいいけど 大手は僕みたいなタイプは好まないのでは?”

”いえ それが ・・・ 所長が どういう人?と聞いたので EM菌の
話をしたら 目がキラキラする人ですよ。 といったら
よし すぐ連れてこい!と言ったんですよ”


”え ほんとに ?不思議 大手の所長がそんなことを?”

その話で僕の心に火が点いてしまったのだ

その所長といっぺん仕事がしてみたい

それで2~3日後に挨拶に伺ったのだが
もうそこで多くを語ることはなかった すでに相思相愛状態になって
いたからだ
そのときは 全国大手の環境設計に対する批判やらをぶちかまし
所長と意気投合して いまでもうちにとっては最大の売上先となって
いる
EM菌が結んでくれた縁であったのだ
その所長 いきなり 60億のプロジェクトの設備を僕に任せてくれたのだ
お互いに理解し合えたことが大きかったのだろう
たぶん EM菌で一度は夢みた人間どうし 現状を変えたいという
思いは共通だったのである
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EM菌①

2010-08-21 14:36:21 | Weblog
先日、浄化槽工事をを生業とする友人というか協力業者というか・・・
その社長のFさんが築地のすし屋のランチがうまかったから、一緒にどうだというので
打合せが終わってから
1000円の定食を御馳走になった。結構お腹いっぱいになり・・
何故か昔の思いで話になって
”僕って嫌われるよね”
”いやでも鶴さんの性格を理解している人はむしろ逆なんじゃないかな”
”そういえば昔、EM菌の話であんたと言争いになったね、覚えている?”
14~5年前のことではあるが
パチンコ屋の人がオーナーで本社ビルの計画をしていたときだ
環境に配慮した建物にしたい と当時としてはめずらしい要望がでていた
のだが
当時”地球を救う・・・”という本がベストセラー的になっていて、要はEM菌が万能で消毒剤や、浄化槽は悪でEMを使えば理想の水質浄化が出来るは、飲めば健康に
なるは、ご飯に混ぜればおいしくなるは・・ ということが書かれていた
僕の周囲にもご飯に入れるひとがいたり、拭き掃除に使ったりと
それでこのEM菌の本を読んでうかつにもハマッてしまったようなのである
それでこのビルは汚水を全て地下に貯めて。EM菌で浄化し再利用しようと
計画したのだ。 現在の官僚の決めた方法や浄水場の考え方は誤りでもっと自然に水は
綺麗になるのだ 的ないわゆる水処理行政やり玉にあげつらって・・
で当時僕がかなり技術的に信頼を寄せていたFさんに
この計画を説明した。僕一人熱くなって その水処理計画の全貌を
説明していたところ、(僕は一緒にこの業界に殴りこみや~とかいう気持ち)
しら~っと、突然 ”これは責任持てんですよ”
”責任は僕がとるから、施工だけはしてよ”
”いやそんな責任とれん仕事は出来んですよ”
が~~ん   頭の固い奴や  いいやこんな千載一遇のチャンスを
逃しやがって、くそ
そのときその本の執筆者に手紙をかいてアドバイスを受けようとした
返事が来た。そこに技術的アドバイスが書いてあったのだが
その内容はかなり稚拙なもので、ガックリなんやこりゃ!!
幸か不幸かこのプロジェクトは資金が下りずとん挫してしまったのだが
それからしばらくしたころ このEM菌は結構ブームになりいろんな人が
テストプラントを作ったりしたが結局失敗だったようだ。
Fさんあんたは正しかった。おかげで僕も命拾いをしたかも
ありがとう と言いたくはないけど とりあえず冷静に僕は考えたのです
現在もEMボカシ
など農業分野では結構それなりに効果を発揮しているようだが
だけど、そのEM菌による新型浄化槽を作ろうと本を読み、いろんな意見を
聞き、それは後年ある転機を迎えることに役立つのである
また何故EM式浄化槽が失敗したのかということである
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木の吹出ガラリが結露?

2010-08-12 12:55:00 | Weblog
設計していた豪邸の竣工検査が昨日行われた
僕らは金がかかるので呼ばれていない
突然 アトリエの担当者から電話

”外調機の吹き出し口の羽根が結露してるんですが、どうかなりますか?”
 
”えッ なんだって 木のガラリが結露するわけないですよ”

”それが羽根が濡れてるんですよ”

そんなアホな 木のガラリが結露するなら、世の大半の吹出口はアルミなのに それで結露がないのに な~ぜ

で 電話受けながらひらめいた

”ガラリは十分大きいので上から三分の一位をふさいでみて”

今日連絡があった ”確かにそれをしたら止まっているようです、もう少し様子をみてみます”

理屈はこうだ
吹出口の前に大きな箱があるのだが たぶん吹出のダクトがガラリのすぐ直上で開放されている この時点での風速は6m/sくらい ガラリの風速は0.5m/s(静粛を保つため)
であった
ところがガラリの開口が十分大きいために そのダクトの開口風速の6mにつられて前面ガラリの上部で負圧が発生しむしろ吹出口のBOXの中に部屋の空気が逆流していて、部屋の冷房が十分でないときに、湿気を含んだ高温の空気がガラリに接触し冷気と暖気が交錯して結露が発生していたものと断定した。

結果的には やや反省する点は 吹出口の風速を小さくする場合は、接続ダクトの風速もそれに比例して下げておくべきである ということだ

今後、静粛を特に要求される豪邸や音楽ホールなどは気をつけないと 原因不明の騒音や結露に悩まされることになる
さっそく社員を集めて クイズ形式でこの症状の解決法を出してみたが まだまだ デリカシー不足で(当然 古手のおっさんでも気がつかないのが普通) 修業の余地があるかな
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午前中は

2010-08-01 14:52:40 | Weblog
ここんとこものすごく暑いですね
こうなると空調のない家なんて絶望的である
とはいえ そうでもないのではないかとも考えられる
何故なら建築士の勉強で試験前1日中家にこもって勉強
したわけだが、実は午前中は窓開けて勉強していた自分が
そこに存在していたのだ 快適なのだ
ところが我が家は西向きに大きな窓をとっているので午後は
とんでもなくなる
でもこうしていたら午後も大丈夫だったなと思い当たる
やはりヒントになるのは 地下道である
昼下がりでもヒヤッとしていて快適である
地下道は屋根面でも地中から深くコンクートもやたら厚く
朝方の冷気を相当蓄えていてそこからくる冷輻射 
トンネルなので風が必ず吹き抜ける
午後の真夏を過ごせたらあとは大丈夫
ほんとうの冷房の無い家、心ある建築家がいたらやってみませんか
でもそのときはプランが固まっていたらダメですよ
これで世界制覇をしましょうよ 出来るって!!
夢の建築家出現を待っています

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