吾輩は設備設計である

設備設計という仕事に云十年。理不尽なこと自分のぷち自慢、失敗談などを書いています

地下鉄に乗って考えたこととは

2006-02-28 20:17:33 | Weblog
今日 地下鉄で天神から大濠まで乗りました
ふと考えたことは、この巨大な地下トンネルはあちこちで巨大な排気をしています
う~ん この排気は年間通じて 温度の変動が少ないなあ~  待てよ 最近GEOパワーなる地中熱利用システムを うちは頻繁に採用しているが、あれは地下5m位の熱を採用していてGEOパワーみたいな会社が存在していて結構金がかかるシステムである
地下鉄の排気はかなり膨大で、もしその排気熱を最寄りのビルのエアコンの熱源に使ったら年間数億のレベルで省エネになるし、エアコンの冬場の効き目も落ちることは無いし、着霜も避けられて 暖房も効くだろうな~ と考えてしまった
なんかカッコイイ排気塔があちこち建っていて熱を捨てているのである (空冷ヒートポンプエアコンというのはその周囲の温度が空調する室内温度に近いほどその使用電力が低下し、極端に言うと半分になることさえあるのだ) かなり大掛かりな街をあげての地中熱利用が可能だった グヤジイ

こういうジクジたる思いは他にも山ほどある 何故俺に設備設計をたのまない! 遠吠えしてみたところで むなしい きっと 高鉄局の人は言うだろう こういうのは実績があって指名願いをきちんと出しているところでないとダメにきまっている と
うんそうだね 良いとこ取り は許せないよね でも これからは この物件はプロポーザルで、 あの物件は指名入札で、とか変に分けないで これだけの大プロジェクトは基本設計では守旧派の設計事務所に分割して発注する前に 最新の軟らかい頭をもった人間に意見を聞く それも公開座談会で くらいは開いてもらいたいものだ

他のプロジェクトもそうだ公開で何回か技術討論会を開くべきだ 姉歯事件でいわゆる戦力になる技術屋は役人には皆無に近いことを露呈したわけだから もっと素直になるべきチャンスです


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水道局と施主の念書

2006-02-27 19:09:41 | Weblog
今までに施主の念書を事前に提出することによって、無駄な設備をなくし、工事費やスペースを削減することが出来たケースが随分ある
もし水圧が低下しても一切異存ありません  なる念書である
振り返ると大半が水道局に提出したものである
福岡市を例にとると蛇口の数で引き込み口径が決められていて
同時には使わないから小さい口径でいい   等といくら我々が水道局で説明しようが、無駄なのである
そういうときに 施主の念書は絶大なる効果を発揮する  
実際に同時に水を出したときに少し我慢する(それも念に一度あるかないかのようなケースも多々ある)だけで済むケースが多い
念書を書くことで既存の引き込みが利用できたり、受水槽を無くせたり、結構いいことがあった
施主と建築家の微妙な関係のとき、”施主さんに一緒に行ってもらえないか” と  頼むと建築家としてはどうも そんなことはプロだから解決できないのか
  といわれそうで、結局 高くて重厚な設備を背負い込まされるハメになることもあった
それは 我々の事前の戦略が甘く、先読みが出来てなくていまさら言いにくい  といったような雰囲気が形成されてしまったようなケースもあった

特に水道は最近増圧システムなるものが登場し受水槽を止める傾向がある代わりに
そのポンプの大きさや引き込み口径が水道局との事前合議が欠かせない
彼らは水圧が足りないぞ なる電話がかかって来ないように ということを最大コンセプトにしているので その過大さは尋常ではない 
私は今まで給水管は決して国交省の設計マニアルに頼らず、独自の小さい口径で水道管サイズは決めてきたけれども、そのせいで水圧ウンヌン は一度として無いのだ 是非 経済設計を実現させるため施主を事前交渉に引っ張り出すような下地、雰囲気を作って欲しいと思う
水道以外にもこれらの可能性は保健所や消防などいろいろ考えられる
特にこれからは下水道に注目している 結構 局本位のしきたりで業者指導をしている  と考えられるような無駄(我々にとって)が結構ある  また戦略をねるつもりである
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省エネ計画書

2006-02-26 17:00:04 | Weblog
建築確認の時点で”省エネ計画書”なるものを2000㎡以上の建築については提出しなければならないことになっている

この制度はチョコチョコ見直しになっており、出来た当初は 建築確認と同時に提出すべきもので 20年くらい前だったと記憶している 当時 我々はやっと設備の省エネにスポットが浴び、我々の力量が問われることに対し、燃えるものを感じおおいに期待したのである 自分たちで本を買い、一生懸命勉強して、時間かけて
提出したものである  しかしである  何度提出してもどうも、本気で見くださっていてる気配がないのである 姉歯の計算書と一緒で、最後のCECとPALの値が合格であればおおむね合格、いかも制度はコロコロ変わる、 ”あそんでるんじゃないよ” そうか 分かっている人が審査側にいないし無理だろうな~ なんか紙の無駄やな~
そのうち、私は決意した  省エネは好きだし、本気で考えている、でもこんな書類は無視する
それから現在に至っている ではいまどう処理しているか、全部 外注である
 
何故外注か  ハッキリしている 誰が書類を書いても うちの設備設計であれば間違いなく合格するし、 毎年の書式の変更を学ぶなどほんとに無駄であり、外注したほうが経済的で書式の間違いはないし、そればっかしやっているから一発で役所には通る
私はあんなしょうもない計算を積み上げて 省エネ度を測るなんてことは止めてもらいたい と思っている こんな制度を作って またお偉方の就職先が確保された
ではどうするか
簡単明瞭 延べ面積当りの 電力とガスを制限して、それ以上使いたい人は環境税をかけて電力やガスと同時に集金したらいいのではないか、省エネのガチンコ勝負である逆に基準以下のビルのオーナーに対しては表彰や減税、破格の省エネ達成者にはモデルケースとして学者や官僚は学んでレポートを書き、省エネは理屈よりビルオーナーのやる気と現実に即したシステムの融合であることを学んで欲しい
屁理屈をコネテも面積当りの省エネ度はエネルギー料金として 結果がハッキリでるのである
学者も一緒になって わざと難解にしているものは 他にも多くあると思う
難解にし、素人が太刀打ちできないと思わせるのも官僚のワザとお見受けした

ほんとうにこれが無駄 おかげで建築家は30万円~100万円を貴重な設計料、(ひいては施主が支払うことになるのであるが)を余分に払わされるハメになる 設計事務所の各団体は意見がないのかな~
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ビルの入札の基準見直し

2006-02-24 18:17:18 | Weblog
日本は10年前位からグローバルスタンダードなるものが大流行で、建築も例に漏れず やれISOやら利益確保に追われ、物作りに対する熱意が最近欠けている 困ったものだ
むしろ町のゼネコンでたまたますごいタタキ上げの所長に会ったりすると、感心してしまうことも、あったりするのだが  でも中小は計算できないこともあるしで、・・・難しい
やはりゼネコン側の管理する項目をキチット仕様書で指定し具体的にしていかないとダメかな・・と思うこのごろ
あっ     それと  建てるまではまあ、頑張ってもメンテに興味がないので、困ったものだ  10年分のメンテ費も同時入札に掛けるべきと思うのですが、いかが?

皆さん コメントないですか
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室内機はどれでも良い訳では無いよ

2006-02-23 12:51:30 | Weblog
先日 ”水式空調のススメ” というブログでファンコイルユニットのほうが過除湿にならずに快適になる  という意味のことを書きましたが

実は直膨方式のビルマルチやガスマルチの室内機のタイプでも相当な風量の違いがあり、安易に収まりやデザインだけで選んでいると思わぬ失敗をしますよ!
1KW当たりの風量は (何故かメーカー間の差異が無い)
  ファンコイルユニット   3.2m3/min
  二方向天カセ       2.1←少なすぎ
  四方向天カセ       2.85
  天埋めダクト型      2.67
  床置ローボーイ型     2.5  
  壁ビルトイン       3.0←注目

  なんと壁ビルトインというのは3.0と異例の風量の多さ かなりファンコイルユニットに近い といえます

  建築家のみなさ~ん  事務所などでは二方向カセットは止めといたほうが無難かも  二方向が向いているのは湿度の多い大衆レストランなどです

ちなみに我が社はカセットなら四方向を基本にしています

で注目は壁ビルトイン、デザインもし易いし、快適さも抜群、かなりファンコイルユニットに近いといえます コスト高は難点なのだ

西有田タウンセンターはこれが基本になっています(カッコイイですよ)

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姉歯と東横の影響

2006-02-22 14:56:26 | Weblog
先日から竣工を迎つつある5000㎡強の建物の話の続きです

消防と○RIの検査 無事終了  と言いたいところだが そうでもない
○RIは特になし 民間なので忙しいのも手伝って午前中で終了、管理建築士の検査済を前提としていることを強調  さすが ”立派な法的予防線のお言葉”

問題は消防であった 大変 まる1日つき合わされたあげく いままでに見ないようところもたくさんご指摘あり これが続くようなら本気で対策を打たねば・・・・   それとも 例によって一過性なのか 彼らは建築のかたと違い 本気で安全と向き合っている所があるから なかなか拒否しにくい 確かに   でも基準がないと 今後設計できない 
  これこそ○○協会でかなり細かい具体的な指針と質疑を作って統一見解を求めないと 揺さぶられて 情けない    あああ~ (タメイキ) 
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水式空調のススメ

2006-02-21 10:19:10 | Weblog
気持ちの良い空調は
最近の空調機は COP(成績係数といって空調機の効率のこと)を良くすることに各メーカーが全力を挙げて取り組んでいる姿はほんとうに喜ばしいと思っている
けれども 日本のメーカーは競馬と同じで何故か先頭の馬の走る方に全員が付いていって別の道には走ることを忘れている 
気持ちの良い空調、健康に良い空調機を歌うメーカーが何故無い?
実は最近 jisと空調機業界との馴れ合いではないかと疑念をもっていることがある
最近はビルマルチやパッケージエアコン大流行で簡単で便利 空調といえばこれになったきている
しかしである27℃50%には出来ない構造
JIS条件であるところの27℃50%で連続運転することすら出来ないようなものなのである 実は
昔空調の風量の65%位の風しか出ない機種が大半なのです
これがなんなの? 風を感じなくても能力発揮出来るなら最高ジャン
ちょっと待ってよ
実はこのことは過除湿(42%)となってエネルギーは15%も多く必要で、しかも外気を導入すればするほど無駄は増えるのである (理論は省略)決してその条件にはならない筈なので メーカーの答えはない 実は彼らも殆ど理解してない 一部の開発の人間はその欺瞞に気づいているがなんせjisのお墨付きがあるのだ
しかも私みたいな虚弱体質の人間はその過除湿により冷房と吐き気の因果関係がある 気持ちよくないのである
ん・・・・
でもカタログにはJIS運転条件によるって書いているのだ   どうなっている JISは 出来ないことを許可しているのか なんか日本はやはり変な国だ
ここは何れ自主的改善(司直の入るようなことでは無いかも)を待つとして
で昔空調機:いわゆるファンコイルユニット等に代表される 吸収式冷凍機やチラーで冷水を作り、その水を循環して空調するタイプ(高層ビル、や1万㎡クラスは大半採用されている)の出番
きちんと27℃50%でバランス平衡できるような設計風量が確保されている
ある建築家(現在西のほうに事務所を構える雑誌に良く登場する)が言っていたことがあった ”ファンコイルはなんか気持ちいいんですよね”  ”そうよね”
”なんでかね” やっぱりなんかあったのである   このブログで積年の疑問にまずはお答えしたい 遅くなりました○○さん 
※偶然にもルームエアコンは実はファンコイルユニットに似ているこれは使える
研究してみたいと思っているところです 
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評価される建築

2006-02-19 13:51:04 | Weblog
これも前から思っていたことである
最近何故かゼネコン、サブコンの人と話をしても仕事の中身のことでは、心から笑っている顔を見なくなってしまった
つい最近竣工検査をした  5000㎡を超すしかも設備のウエートの大きな建物
私の設計が頑張りすぎていて、施工者の皆様特にサブコンは大変だったと、心からねぎらいの 気持ちっでいっぱいである よく付いて来てくれました  と
しかしである 工期の中では完全には終わってない  そういう中での検査である
あちこち、配線が転がったり、床が剥がれていたり、器具が付いてなかったり、
工期遅れの理由は様々である
請負価格が妥当であったのか、現場変更が多すぎたり、決め事が極端に遅れたり
皆頑張っているのに
でも評価は結果である 
ゼネコンも もういまさら出来ませんよ とか ○日までに決めてもらわなければ出来ません とかいう言葉 伝えてはいたようだ 結局 無駄な抵抗 日本社会は欧米社会と違い それは悪評価につながる
そして いろんな検査が入る いきさつは無視 、
今回はその検査官がてごわい  施主側の人間でメンテナンスの総責任者 設計やゼネコンを全く信用していない 積年のうらみさえあるのだ(確かにもっともなのだが)検査の視点は全く次元が違う  点検口のちょっとしたズレ、バルブのハンドルの向き等‥ 確かにごもっとも  歯がたたない  (ああこの次元はいまのサブコンに求めるのは工期、体制からも人材からも全く無理なのだ)
今回は検査前に誉めたばっかりに私がチクチクと責められるあんた ようでけとる て いいよったやない! 何で俺が・・・・
基本性能に腐心し好かったと思っている矢先に・・・
でも今後はほんとうにホンモノを作らねば (逆に皆さんも良い視点、営業戦略の参考になると本気で思う)  
そこでは居直ってほんとうのことを言ってもしようがない気持ちになってしまう
早く検査が通り過ぎてくれ・・・
決して私は施工者寄りの人種ではない むしろ逆で嫌われ者  その私が同情してしまう  
誉めるところは誉めてあげようや   くそ
日本の建築業界の人材の枯渇の訳がこの年齢にきて垣間見える
せめて設計事務所として工事者の評価をちゃんとしてあげよう
こういうことだから建築現場がサラリーマン化していく  現場が楽しくない
もっとみんなで笑おうや
私は誰が何と言おうと良いものと悪いもの私のモノサシで評価し区別していく
これは最初の施工者選びにリンクしないといけない もっと施主に意見をちゃんと伝えよう 私たちの言葉で
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設計委託は特命で

2006-02-16 10:55:11 | Weblog
前から思っていたことがある
役所では何故設計業務を入札にかけるのか
デザインや発想も含めて同じ品質の人材で競争しないと意味無い
設計者は立場的には発注者側に立つべき人間であるし、基本的には儲からないのだから、首長の好みや好き嫌い、人気投票で選べばいいのだ
工事の場合は詳細仕様や図面があるから入札で良い
今回の一連の偽装事件をキッカケにそういう議論が沸騰することを祈るし、私もブログで今後もこの問題は取り上げたい
とにかく設計士というのはピンキリだし皆 特徴があるのである
中途半端なプロポーザルは止めて欲しい トップを採るためにどれだけ皆 その夢に踊らされ手間かけているか  でもお役所というところは全然それは気の毒とは思わないのだ 頼んで参加してもらった訳ではない  そうよ ローマ時代に奴隷を戦わせたことから比べれば幸せに思え  てなもんだ
とにかく役所の店頭には石ころとダイヤが同じ値段で売っていて ダイヤをハンマーでつぶして価値の無いものに改造するのも役所の重要な仕事 
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手作り暖炉

2006-02-14 19:53:07 | Weblog
       手作り暖炉にこだわる施主の強い信念 

壱岐のホテルの改装工事を担当した  高級な和風ホテルであったが、今回さらにグレードアップしてセレブの客に特化したいとのこと
内装はそれ程飛びきりでは無いがカウンター、いろり、暖炉などにこだわった本物志向    当然サービスや料理などが勝負を分ける
改装なので設計も工事もてんやわんや、しかも CM 発注   私たち設計陣にも緊張の毎日
そんななか、突如として暖炉を作る  それも本物   既製品はどんなに上等でも× それを受けて建築事務所はやる気である  困った 私はなるべく避けて通る
メーカー責任でやってもらいましょう  と そうこうするうちこっちでレンガ積むから設備で煙突の設計だけやってよ  ときた
う~ん・・・・煙突だけというのは・・・
つまり暖炉はボイラーみたいにはいかない  大きな前面開放部分と熱の対流の おりなす 複雑な自然のハーモニー   煙突だけの設計はありえない  暖炉ハンドブックと設計図のにらめっこ で2週間  その本では5m以上の煙突の横引きは不可
  う~ん でもなんとかしないといけない 失敗は許されない しかも一発勝負
恐怖感が私を襲う
 そんな中 設備の技術を少し混ぜて何とか強制排気の融合の図面作成
でも施工はCM発注  多くの業種が参加しているのだが、皆 逃げまくり
予算は限られ、時間は迫る   そんなこんなで なんとかバラバラに発注して組み立て  ほっと一息

今日 焚いてきました  まあまあかな  合格点です しかもこのホテルのリンクの許可ももらった  居合わせたかわいい女性スタッフにこのブログもついでに教える  な、なんと 即 携帯でその場でこのブログをみているではありませんか  ビックリ 携帯から見れるのか   海里村上

いやあ~  やってよかった
 施主の熱意は岩をも動かす でした
ちなみに 手作りは 蒸しサウナも僕の詳細設計 でした こらは完璧



  

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