今回も宮城まり子先生のお話からです
ハンセンは1997年、その著書「統合的人生設計」において、キャリア概念のなかに
家庭における役割から社会における役割まで、人生における役割(Life role)をすべて
幅広く盛り込み、新しいキャリアに対する概念「ライフキャリア」を提唱しました。
そしてハンセンは、キャリア概念とその計画においては、自分の個人的な人生上の満足
だけに焦点を当てるのではなく、意味ある人生のため、つまり「自分にも社会にも共に役立つ
意義ある仕事」を行う視点に常に立ち、キャリア選択を行うことが重要であると述べています。
ハンセンは個人の人生においては、単に仕事だけではなく、次にあげる四つの人生要素が
それぞれうまくバランスよく統合される必要があるとしました。
それらは「仕事(Labor)」「学習(Learning)」「余暇(Leisure)」「愛(Love)」の4Lであり、
それぞれ四つの要素がうまく組み合わさってこそ「意味ある全体」になるということです。
すなわち、ハンセンは「仕事」だけをしていれば充実した豊かな人生を送れるのではなく、
仕事と並行して「余暇・学習・愛」がその中に存在していなければ、本当によい仕事はできず、
偏った生活のなかで人生はいつしか味気ないもの、貧しいものに変容するものであると
警鐘を鳴らしています。