文教大学非常勤講師(元教授) 渡邊 忠 先生の「グループ・アプローチ」を
受講しました。
グループ・アプローチとはごく簡単に要約すると、集団内で人間が人間らしく、
自分が自分らしくなれることに寄与する各種技法の総称です。
それを主として活用されている分野それを指導または促進する人の介入度ある
いは専門性の強さ(構造化の程度)の順に並べてみると、次の4つのタイプに分
けられます。
1.集団精神療法、サイコドラマ、ゲシュタルト・セラピーなど、一定の構造化
された治療技法をを用いて、治療者(医師、看護師、心理療法士)と患者で
構成される治療グループ
2.ファミリーグループ・トレーニング、チームビルディングなど、企業を初め
とする組織において、一定の構造化された技法を用いて、組織内のリーダー
や外部のコンサルタントによって指導される組織開発的グループ、SST(ソシ
アル・スキルズ・トレーニング)、構成的エンカウンターなど、個人の社会
的適応能力を訓練する心理教育的グループ
3.Tグループ(トレーニング・グループ)やST(センシティビティ・トレーニ
ング、社会的に問題となった「自己啓発セミナー」、そしてベイシック・エ
ンカウンター・グループなど、非構造的な設定のもとで、トレーナーあるい
はファシリテーターと呼ばれる専門家と、自発的に参加した個人で構成され
る集中的な体験グループ
4.アルコールや薬物依存、精神的障害者の家族、DVなど、何らかの共通の自己
課題をもった人たちの癒し、自立、支援のための、非専門的、自主的な集まり
であるセルスヘルプ(自助)・グループ
*渡邊先生は「いまや日本全体に蔓延した職場のギスギス状態の根本的な解決には、
国の施策や企業の経営方針、諸制度の改革が必要でしょうが、それを待ってはい
られません。職場で私たちができることは、“お互いに丁寧なコミニュケーショ
ンを心がけること”だ」と述べられました。「丁寧なコミュニケーション」とは
簡略すると「思いやりを持った双方通行コミュニケーション」です。