「ブリーフセラピーの極意」は本年の3月17日に57歳の若さで病死された森俊夫先生
(我が国ブリーフセラピー第一人者のお1人)の最後の著作として、「にほんの森出版」
から7月15日に出版されたものです。ブリーフセラピーになじみのない方は同出版社の
「<森・黒沢のワークショップで学ぶ>解決志向ブリーフセラピー」を読まれてから、
この著作に向かわれると良いでしょう。
概略を書き出します。
*ブリーフセラピーとは何ぞや
・「20世紀最高の治癒実績を挙げたと称される、精神科医ミルトン・エリクソンの臨床
実験に何らかの啓発を受けて発展した短期心理療法の一群であり、効果性、効率性を
最大限に追及した精神療法」
*ブリーフセラピーの基本的極意
1.ブリーフ(効果的・効率的)なかかわりをしようと思うこと
2.ラポール(クライエントとの信頼関係)形成を素早く
3.面接(かかわり)は、明るく、楽しく、楽に
4.これから(未来)のことに、明るい展望が持てる面接に
*ブリーフセラピーの方法論の極意
1.リソースを見つける極意
2.コンプリメントの極意
3.ミラクル・クエスチョンの極意
4.ミラクル・クエスチョンのバリュエ―ション
5.「ゴール」の設定の極意
6.スケーリング・クエスチョンの極意
7.アクションと課題にかかわる極意
8.「問題の外在化」の極意
*森先生がエリクソンの遺したものから<極意>として選んだ言葉
「心理療法とは、クライエントが持っていないものを与えることでも、もっているものを
矯正することでもない。もっているにもかかわらず、使われていないものを引き出すこ
とである」
森先生の楽しくも造詣の深い名講義にはいつも感服致しました。
その感謝と祈りをこめて 合掌。