5月16日、靭公園(大阪市西区)のバラ園を見学しました。5月20日と21日は靭公園バラ祭が開催されるそうです。靭公園では170種、3400株のバラが植えられているそうですが、丁度見頃だったバラ園を約30分くらい散策してきました。
レンタル店で借りて観賞した映画『凪の島』の感想です。
あらすじ(公式HPより転載)
両親が離婚し、母の故郷である山口県の瀬戸内にある小さな島で暮らすことになった小学4年生の凪(新津ちせさん)。母・真央と、祖母・佳子と一緒に、佳子が医師をしている島唯一の診療所で暮らしている。普段は明るく振る舞う凪だが、母へ暴力を振るうアルコール依存症の父・島尾の姿が目に焼き付き、心に傷を負い、時々過呼吸になって倒れてしまう。そんな凪を、事情をすべて知った上で何も言わず温かく受け入れてくれる島の住民たち。凪が通う小学校の同級生の雷太や健吾、担任教師の瑞樹、用務員の山村、漁師の浩平。彼らもまたそれぞれ悩みを抱えながらも前向きに生きていた。その悩みを知った凪もまた、彼らを支えようと奔走し、一歩ずつ笑顔を取り戻していく。だが、島での平穏な日々はそんなに長くは続かなかった。島に突然父がやって来て、再び家族に戻りたいと言い出した。その願いを聞いた凪は…
瀬戸内海の小さな島で暮らすことになった主人公の凪は、両親のいざこざが原因かと見られる今も時々発症する過呼吸の症状を発症しながらも島の生活に順応しながら小学校の同級生の雷太と健吾の子供たちとともに毎日楽しく学校生活を送っていました。誰でも子供のときには家族や周りの大人事情をよく把握しながら行動したり発言したりしていたことがきっとあっただろうと感じるような子どもたちの描かれ方が普遍的でもありました。子供は大人以上に大人だったりするということを子供たちの目線を通してその家族や大人たちを暗に浮き彫りにするような描かれ方がされていました。背景となる風光明媚な瀬戸内海の小さな島での生活の中で凪や子供たちが島で暮らす人々に見守られながら次第に成長していく様や終始温かいぬくもりや人と人との優しい繋がり方が自然に描かれていたこの映画を観終えるといい映画だったなあとしみじみ思いました。オススメの映画です。
この映画は小学生の凪が主人公なのですが、凪を演じていた新津ちせさんの演技が見事でピカイチ光っていました。知的で素敵な素晴らしい女優さんの風格が漂ってました。今後のご活躍が楽しみな女優さんです。また、同級生役の雷太、健吾のお二人の演技も凪と同じくとても上手に演技されていて素晴らしかったです。この映画では子役の皆さんの好演なしでは語れないような作品になってました。また、小学校の先生の瑞樹が先生らしくないけれど子供たちのことを優しく見守る先生で好感が持てましたし、子どもたちに先生に対する気持ちを見空かれてしまう漁師の浩平は子どもたちに寄りそう優しい青年だったのも好感が持てました。昔娘を亡くしたことで心に傷を背負っていた用務員の山村、その娘の写真をずっと医院の机の上に飾ってきた凪の祖母、看護師として一生懸命働く凪の母、アルコール中毒だったけれど立ち直ろうと頑張る父、雷太を優しく見守る祖父など周りの大人たちそれぞれ抱えているものは様々で多いのですが、それでもみんな一生懸命生きて行こうとしているということを子供たちやこの映画を観賞した人々に教えてくれていたかのような作品だった気がします。
印象に残ったシーンは凪たちが笑わないことで子供たちに「わらじい」とあだ名を付けられていた用務員山村をなんとか笑わそうとそれぞれがトライしていたシーンはコミカルでした。山村をついに笑顔にさせたシーンでは山村の心の奥にずっと住み続けていた心のわだかまりが一気に噴き出されたようなシーンもあり、とてもよかったです。
夏休みに雷太の母親が入院していた病院に行って母親に会いに行こうと凪を誘って柳井まで二人で小さな冒険をしていたシーンも印象に残りました。小さな島から他所に行く場合は船でないといけないので、雷太が漁師の浩平に貸を作っておき上手に船を出してもらうところは大人の世界のような上手な交渉でした。母親の病院の場所を調べるために使った知恵も素晴らしいなあと思いました。勉強しなさいと雷太の祖父に言われ続けていた雷太はなぜ勉強しないといけないのかよく理解できませんでしたけれど、こういう知恵は勉強とはまた別物だということがよくわかるシーンでした。雷太が柳井まで辿り着いたときに、電車に乗るためのためにこずかいを溜めて集めた硬貨が入った袋を忘れてきてしまったり、コミカルな面もあったのですが、病院でお母さんに会ってそのお母さんが抱えていたものを知った雷太が、祖父が雷太に勉強しろと言っていた意味を理解した雷太でした。勉強しないといけないという意味は知恵があることとはまた違った意味合いがあることを雷太は感じたのでしょうと思いました。雷太にとってはお母さんの姿を見ることができて嬉しかったけれど悲しくも感じたように描かれていて健気だったけれど逞しく見えました。雷太をきっと成長させたかのように感じた小さな冒険シーンはとてもよかったです。
凪が海に飛び込むシーンが多かったのも印象に残りました。凪の過呼吸の症状を助けようとした浩平、凪の父、母が海に飛び込むシーンもありました。海に飛び込むことで心が鎮まるようにも見えた海に飛び込むシーンは海がいつも側にある小さな島ならではのシーンでした。
DVDの特典映像で入っていた「小さな島のキセキの物語」や「公開直前イベント」や「公開初日舞台挨拶」の映像を見るとこの作品の裏話がよくわかりましたし、主役の新津ちせさんが毎回いいコメントを話しておられたのがよく伝わりました。
舞台となった山口県の笠戸島に一度も行ってみたいと思った映画でした。実際、山口県に今年の春に旅したときに笠戸島の桜がきれいだと知ったので行ってみたいなあと思っていました。いつか機会があれば行ってみたい場所ですね。