6月11日、映画『風の奏の君へ』を見に行ってきました。この映画はあさのあつこさんの「透き通った風が吹いて」の映画化作品です。映画館で流れていた予告編を見て旅サラダに出演されている主演の松下奈緒さんが手掛けられた曲も聴ける映画だったので見に行ってきました。
岡山県の美作を舞台に、茶葉屋まなか屋の次男で浪人していた渓哉(杉野遥亮さん)は無気力な日々を送っていたところ、以前出会ったことがあったピアニストの里香(松下奈緒さん)がこの街でコンサートを開くためにやって来るのを知るところから始まりました。里香はまなか屋を継いで家業を営んでいたいた渓哉の兄の淳也(山村隆太さん)の東京の大学時代の元恋人でした。里香のコンサートを渓哉は友人たちと見に行きます。演奏を終えた里香は舞台で倒れてしまい、この街でしばらく療養を兼ねて滞在することになります。渓哉は自宅の家の空き部屋に招き入れ、元恋人の兄と弟、里香たちが同じ家の中で生活を共にするという暮らし始めます。里香になぜか冷たく振る舞う元恋人の兄淳也と里香に淡い恋心を漂わせる弟と里香との不思議な三角関係を織り交ぜながら里香がこの街にやって来た理由が里香が奏でる音楽と美作の素朴な風景を通して里香が美作にやってきた切ない意味が最後のほうで紐解かれて行く映画でした。
美作の茶畑の風景やお茶を入れる渓哉のシーンや淳也と渓哉が匂いや味でどこのお茶かを当てるシーンなどお茶処美作のお茶の文化を通しての暮らしぶりやお茶畑の緑の風景の原風景が登場人物の心の心象や変化と溶け合うような印象を受けたシーンが多かったと感じた映画でした。湯郷温泉なども映画の中で映っていて旅したときのことを少し思い出した映画でもありました。池上季実子さんが演じておられた渓哉と淳也の祖母役で好演されていたのも印象に残りました。