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4/15放送「日曜ゴールデンの池上ワールド 池上彰の現代史を歩く」について

2018-04-09 | JFK暗殺事件について
 来る4/15放送の「日曜ゴールデンの池上ワールド 池上彰の現代史を歩く」という番組(テレビ東京系列)の予告を、テレビでやっていたのをたまたま見かけた。
 1963年のケネディ大統領暗殺事件を現代史として読み返す試みとのことで、何故か最近テレビでこの事件を扱うのは池上氏である。

 この番組は池上氏がダラス、特に事件現場のディーリープラザを現地取材するもので、内容に「ケネディは誰に暗殺された?」とあって興味深い。
 しかし池上氏のこの事件に関する見方は先に述べたとおりである。その点は今回どうなのだろうか。

 もし池上氏がまた先に見たように単独犯行説をベースに何かを語るとすれば、彼は米国の主要メディアの情報を安易に引っ張っているだけであることになる。最近テレビに雑誌にひっぱりだこという感じの彼の報道姿勢は「情報のいいとこ取り」が目につくが、そのことがこの件でもはっきりすると思う。

 単なる憶測だが、今回もおそらく「オズワルドがCIAやFBIの監視下にあった」「彼は外国政府と何らかの接触があった」といったことがもっともらしく語られることだろう。
 しかし、そんな「限定暴露」(情報操作の一手段)を報じることに、いまさら一体なんの意味があるのだろう。その事実がどうだろうと、彼の単独犯行が絶対にないことは、すでに見てきたとおりである。冷戦下における「ソ連帰りの男」の監視、そんなのは当たり前のことではないか。

 彼が事件前にニューオーリンズで「キューバから手を引け」なる――明らかに架空の――政治運動を行っていたことは、映画「JFK」でも描かれていた。そんな男を監視せず野放しにした公安機関が存在するとすれば、そちらのほうがどうかしている。

 先に触れたレーンや後述するリフトンなどによる過去の優れた真相追及の仕事を無視して、新手のオズワルド単独犯行説が今また当たり前のように語られているのは、何ともグロテスクな事実であり、世論は操作されるという世の現実の一端を垣間見る思いがする。

 筆者は見ている時間がなさそうだが、お読みの方はぜひ、「一発説」ひいてはオズワルド単独犯行説を完全に否定しているザプルーダー映像の224コマ目を念頭に、眉に唾して番組をご覧いただきたいと思う。

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