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JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 37 リンドン・B・ジョンソンの証言

2018-06-01 | JFK暗殺事件について
 加えて重要なのは、ジョンソンのインタビューでの「告白」に、彼自身の銃撃現場での体験が関わっていると考えられることである。
 これは単なる憶測ではない。

 射撃の瞬間、オズワルドが銃を構えたとされる窓の下に位置していたのが、他ならぬジョンソン副大統領の乗る車だった。その状況を写し取ったのがアルトジェンズの写真である。再三となるが、写真を確認したい。


※アルトジェンズの写真 大統領のリムジンからシークレットサービスの警護車両を挟んだ2台目、教科書倉庫ビル東南の角の下のあたり、オズワルドがいたとされる窓の下を、ジョンソンの乗る車両が通過した場面を写し取っている。先述のとおり、マルを付した人物は全て「水平方向・真後ろ」を振り返っており、それに対して、教科書倉庫ビル真下の観衆には銃声への反応は見られないことに、再度留意願いたい。

 注目すべきは、副大統領車の車上の人物の状況である。
 副大統領車では、二列のシートの後方、向かって左からジョンソン副大統領、同夫人、上院議員ラルフ・ヤーボローの三人がかなり詰めて着座していた。その前席、向かって左の助手席側にシークレットサービスのヤングブラッドがいるはずだが、白バイ警官の陰になって彼の着座位置はこの写真には写っていない。
 副大統領車の部分を拡大してみよう。


※副大統領車の車上の拡大




※パレードでの副大統領車の様子 (上)車のフロント側から見て、左からジョンソン副大統領、同夫人、上院議員ヤーボローが座っている。(下)メイン通りを右折しヒューストン通りに入る車列。矢印がジョンソン。

 一見して明らかなとおり、このアルトジェンズの写真では、車両のフロントガラス越し、夫人の向かって左脇にいるはずのジョンソン副大統領が見当たらない。確かに証言のとおり、彼は頭を下げて伏せているようである。

 しかしここには「前席から振り返りざまジョンソンを押し倒し、背もたれ越しに彼の上に覆い被さるように座った」という、シークレットサービスのヤングブラッドが写っていない。
 委員会への証言では、ジョンソンは「自分が伏せたのはヤングブラッドのとっさの行動によるものだ」としているが、そんな異常な動作をとっている人物は写っておらず、ただジョンソン一人が屈んでいるだけである。

 公式説によるなら、ここまでですでに現場はオズワルドによる二発目の銃撃を経験している。つまりこの写真は、委員会でジョンソンが証言した状況より後の場面を写し取っていることになる。したがってタイミングからしても、このあとにヤングブラッドの行動が起こったということはあり得ないはずだ。

 さらに重要なのは、ジョンソン以外の人物の無反応ぶりである。
 ジョンソンの公式の証言による限り、夫人と上院議員の二人は、辺りを驚かせるような大きな破裂音のあと、ヤングブラッドが指示する叫び声によって座席上で伏せたという。なおかつ、その時にジョンソンは彼らの方に不自然な姿勢で上半身を曲げていたとされている。
 このように証言は銃撃下の緊張感に満ちた場面を語っているのである。

 しかし写真の夫人と上院議員には、そうした緊張感ある様子は見られず、むしろ二人とも談笑しているようにすら見える。



 二人が笑顔であるかどうかは主観しだいなので措くとして(10人いれば10人がそう思うだろうという意味では「事実」と言って差し支えないが)、少なくともその表情や姿勢は、どう見ても耳を聾する銃声やシークレットサービスの叫び声を聞いてはおらず、ジョンソンが彼らの方に不自然な形で伏せているのにも気づいてはいない。それどころか、そもそも彼ら自身が伏せてなどいないのである。

 この場面は、証言のよればすでに複数回起こった「驚くほどの音量の鋭い銃声または破裂音」(ジョンソンの証言より)という状況下にある。証言が語る危機的状況と、にもかかわらず写し取られた、ジョンソン夫人と上院議員の無反応。彼らは証言のように危機に反応してはおらず、反対に余裕すら感じさせる表情をしている。

 この矛盾は一体どういうことなのか?


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