〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

JFK暗殺事件の真相――オズワルド単独犯行説の虚構を暴く 22 第二の銃弾"magic bullet"について

2018-03-12 | JFK暗殺事件について
○フレーム199~208

 前回に続くコマを掲載し解説していく。毎秒約18フレームの八ミリ映像なので、わずか0.5秒程度の出来事だったことになるが、この時点から顕著な動きが生じており、以降の決定的と言っていいシーンにつながっていくので、ぜひ注意して見てほしい。


※フレーム199


 同じく、発砲に起因すると思われる反応が生じている人物に赤丸の印を付している。前述のとおり単独のコマではその意味が読み取りにくいので注意願いたい。連続するコマを送ると、いずれも明らかな動きとなっているのがおわかりいただけると思う。
 (ウィキペディア「ザプルーダー・フィルム」の項の関連リンクから、すべてのフレームの画像がダウンロード可能。一度コマを送りながらご覧いただきたい)。
 以降のこれらの人物の動きに注目されたい。



※フレーム200及び204


 先の場面で通りの向こう側を大統領のリムジンを追って走っていて突然足を止めた少女は、これ以降のコマでは何かに気をとられたように右側ないし右後ろの方向を振り返ったまま、画面から外れるまでずっとそこにたたずんでいる。
 この少女の動きは、映画「JFK」では、単に教科書倉庫ビル上階からの銃声への反応だったことが暗示されるにとどまっており、あまりに突っ込み不足の感がある。焦点の違いと言えばそれまでだが。

 また、大統領がまさに目の前を通過しているにもかかわらず後ずさりしながら上方を見上げていた女性は、リムジンがまだ視界にあるにもかかわらず、今度は何故か一旦後方を振り返り、そのあとで過ぎ去っていく大統領の方に目をやっている。
 なぜ後ろを振り返ったのかは想像するのみだが、アルトジェンズ写真における観衆らの後方への反応と考え合わせると、ダルテックスビルからの射撃との関連が自然と連想される。そのことはこの瞬間から開始していると思われるシークレットサービス要員の動き(すぐあとに解説する)とも対応しているのかもしれない。ただし、アルトジェンズの写真の瞬間とは二秒程度の差が生じることとなり矛盾が生じてしまうので、あくまで憶測にとどまる。いずれにせよ不自然な動きであることは間違いない。

 これらはタイミングとしてはオズワルトがミスした公式説における第一の発砲後に対応しているが、だとすると奇妙なのは、この瞬間のエルム通りの向こう側、画像奥のあたりにいる群衆の動きである。これらのコマから確認できるとおり、ほぼすべての人物がいまだに通りすぎていった大統領の方に熱心に目を向けており、彼ら群衆から少し離れた位置にいるこの二人に生じた反応が特異なものであったことがわかる。

 エルム通りの交差点近くにいるこれらの群衆の位置は、ちょうど教科書倉庫ビルの奥側のオズワルトの窓の下に当たる。そこからの銃声には何よりまず彼らが反応するはずなのだが、その兆候はこのとおり全く見受けられない。同様に、これらのコマにおいて、手前側に一列に並んでカメラに背を向けている観衆も、通りを挟んだ位置にいる彼女らよりも教科書倉庫ビルに近いにもかかわらず、まるで無反応である。

 銃口に近いはずの観衆の無反応と、離れた位置にいることになっている一部の人々に限って見られる顕著な反応――この奇妙さは、エルム通りのちょうど反対側のわずか後の瞬間を写し取ったアルトジェンズ写真の場合と同じであることに気づく。このザプルーダー・フィルムの視覚的証拠からも、オズワルドによる「スナイパーズ・ネスト」からの第一の狙撃は否定されざるを得ないのだ。


※事件から数時間後のディーリープラザの俯瞰画像。不自然な動作をしている少女や女性のいた場所は、オズワルドのいた交差点側の角からは離れた位置にある。それはさておき、驚くべきはこの国家的超重大事件の当日まだ日中であるにもかかわらず、現場が封鎖もされずに、すでに一般車が走行していることだ。この時点はオズワルドが逮捕されてからまだ間もないころだっただろう。彼の逮捕前からすでに「オズワルドありき」で進んでいたというこの事件の初動操作が、いかにおざなりのものだったかを端的に物語っていると見える。


 推測であるが、仮に教科書倉庫ビルからの射撃が実際にあったとして、それはオズワルドがいたとされる交差点の角側六階とは別の、この映像のカメラに近い側の位置の上層階からだった可能性が、少女と女性の反応から見えてくる。その位置からの銃撃であったとすれば、後述のコナリー知事の背後から貫通した銃創もまた合理的な説明が可能となるのである。
 しかし、これもあくまで推測の域を出ないので、先を急ぐことにしよう。 



※フレーム205及び206


 204コマ目あたりから、リムジンの後方につけているシークレットサービスの車両の、向かって左側のステップに立っている手前の要員が、何かに気づいたように緊張し、右手を手すりから離す動作に入っているのが確認できる。
 彼はアルトジェンズの写真で右に振りかぶり、問題の「水平・後方」に目をやっていた最も目立つ人物であり、これは僅か後に記録されたその反応の開始時点をだったと推測される。
 一方で、彼から見て右斜め前方に付けている白バイ警官は、同じ写真で同時に、反対に左に顔を向けて「水平・真後ろ」を振り返っていた。彼にはまだ動きが見られないが、このあとすぐ反応を始めるところであっただろう。
 しかしこれもまた推測にとどまる。彼らの姿はフィルムのフレーム外の余白部分にわずかに写っているが、ここで奇妙なタイミングでフィルムが破損し、余白部分が消失してしまうからである。



※フレーム207及び208


 このあたりのコマでは、大統領はその姿が看板に隠れる直前であり、これまでと顔の向きを変え、前方を向いていることがかなりはっきりと確認できる。フィルムにリムジンが現れて以降、ずっと沿道の進行方向右側に列をなした観衆の方を向き、右手を挙げて歓声に応えていた大統領が、まだ観衆は途切れないにもかかわらず、ここに来て急に前方を向きなおるのは明らかに不自然である。
 その横の大統領夫人もまた、その帽子の角度からして、真横を向いて夫の方に目をやっていると思われる状況である。
 これらの兆候は、すぐ後で見ていくように、看板に隠れていたリムジンが再び現れた時点、被弾している大統領とそれに目をやっている夫人の姿勢に、明らかにそのまま繋がる動作である。だとすれば、ケネディ大統領はこれらのコマが写された瞬間に、後方からの狙撃で被弾した可能性が高い。

 もしこの時点で銃撃があったとすれば、その意味は重大である。ウォーレン委員会報告が、オズワルドの第二の銃弾が大統領にヒット(そして貫通した同じ弾丸がそのまま前方のコナリー知事をも貫通)したのはリムジンが看板の陰に隠れた後だと結論しているのと矛盾するからである。
 また、第一の銃弾と第二の銃弾の中間に当たるこのタイミングでの狙撃では、前後の射撃との間隔はわずか一秒そこそこに過ぎないこととなるが、それはボルトアクションのカルカノ小銃を用いたオズワルドには、絶対に実行不可能なのである。

コメントを投稿