4~5年前から「民俗」をテーマとした講演の依頼が多い。講演の依頼があれば、原則引き受けていたが、今回、八幡浜の某団体からの依頼があったものを、どうしても都合がつかず、延期してもらった。時期が6月中旬で、どうしても展示準備や館内の資料保存作業で日程のやりくりがつかないし、展示資料の借用で、先方の都合を優先しないといけないので、どうしても6月は予定が入れられない。わざわざ来館までしてお話をいただいたに申し訳ありません。
講演会は、観光関係団体、経済研究会や老人クラブなども多いのだが、そこで私が「民俗」とは!と強調して話すと、いつも自問自答してしまうことがある。特に観光、地域づくりや経済界の方々と話す際には、「民俗」を取り上げて紹介することを「自己と他者を差異化する手段」にしてしまっているのである。これが、また、私の話を聞く側にとっては結構「受ける」。納得してくれるのだ。自己の地域性・独自性の確定を誘導する手段としての「民俗」講演会となるのである。自分の「アイデンティティ」を確認させてくれた!というような反応が返ってくる。これを戦略的に使っている自分に対して、内省することも多い。ただ、これは愛媛という一つ地域を重点的に調査していることや、博物館に勤めていて、展示で「民俗」を紹介する責務を負っている自分の定めだと思うときもある。ヘルシンキ大学の岩竹美加子氏や、東京大学の岩本通弥氏の著作・論文を読んだりしたり、最近、発足した現代民俗学会の活動内容をながめたりすると、自分自身が民俗学の調査対象者として俎上にあげられる?、いや自分自身でそこを解決・克服していく必要性を痛感する。
講演会は、観光関係団体、経済研究会や老人クラブなども多いのだが、そこで私が「民俗」とは!と強調して話すと、いつも自問自答してしまうことがある。特に観光、地域づくりや経済界の方々と話す際には、「民俗」を取り上げて紹介することを「自己と他者を差異化する手段」にしてしまっているのである。これが、また、私の話を聞く側にとっては結構「受ける」。納得してくれるのだ。自己の地域性・独自性の確定を誘導する手段としての「民俗」講演会となるのである。自分の「アイデンティティ」を確認させてくれた!というような反応が返ってくる。これを戦略的に使っている自分に対して、内省することも多い。ただ、これは愛媛という一つ地域を重点的に調査していることや、博物館に勤めていて、展示で「民俗」を紹介する責務を負っている自分の定めだと思うときもある。ヘルシンキ大学の岩竹美加子氏や、東京大学の岩本通弥氏の著作・論文を読んだりしたり、最近、発足した現代民俗学会の活動内容をながめたりすると、自分自身が民俗学の調査対象者として俎上にあげられる?、いや自分自身でそこを解決・克服していく必要性を痛感する。